
いきなりだが、今回のお酒はコレだ!!

↑『キリン一番搾りR ホワイトビール』!(350ml/近所のコンビニで237円)。
テレビのCMで見て「オッ、日本の大手が白ビールを!?」と思って呑んでみた。白ビールというとバナナ香漂うドイツの『ヴァイツェン』が有名だけど、アレともまた違ってて。
普通ヨーロッパの白ビールといえば上面発酵なんだけど、日本のラガーのような下面発酵的なサクッと弾ける味わいもある。でもラガーとかより苦みは少なくて、爽やかというか、まろやかというか。商品のHP見たら『かろやか』って言葉が使われていて、なるほどな…と感嘆。確かに『かろやか』なビール。
でこの『キリン一番搾りR ホワイトビール』が上面発酵か下面発酵か? というと、くだんのHPには『一番搾りとは違う酵母を使い…云々』とあるんで、上面発酵かもしれないし、一部『上面発酵』という報道もあるんだけど、HPにシッカリと『上面発酵です』とは書いてないんですよね。
いや本当に両者のいいとこ取りしたような味わいなんで、どっちかわかんねェ~けど、わかんなくてもいいや、そんなこと。酒なんて理屈で呑むもんじゃなくて、うまきゃイイんだよ。そして本当にわかんなさダントツの、既存の白ビールとも違う、新しい味わいタイプの白ビール。
などと今回も面倒臭い前書きを書きましたが、とにかく呑め。呑めばわかる。
そして呑む為のツマミとして、今回も超絶に簡単で、そしてかなり自信作ツマミをご紹介いたします。
その名も『煮込まず』だ!
まず材料です。

○お麸 スーパーいけば売ってる写真みたいなタイプのお麸を一袋買ってきてください。デパートとかだと『車麸』なんていう高級なヤツも売ってますが、そんなんじゃなくて、袋の中にマシュマロ大のヤツがドバ~ッって入ってるヤツ。ちなみに写真の商品は、近所のスーパーで……『まいばすけっと』ね……税抜159円でした。
○袋の液体濃縮ラーメンスープの『とんこつ醤油味』。スーパーの生麺売り場にたいてい売ってます。他に醤油味や塩味も売ってますが『とんこつ醤油味』をぜひ。九州系の『白湯とんこつ味』をあったらいいと思うんだけど、最近みかけないんですよね。ましてや今はシーズン的に『冷し中華のタレ』も同じコーナーに置いてあるんで、九州のスーパーには売ってるんだろうけど、巻頭だと追いやられてるのかもしれない。ちなみにこれも『まいぱすけっと』で税抜79円。
以上です。
さぁ作り方~ッ!

↑鍋(インスタントラーメンとか作るのに適した大きさの片手鍋がベスト)に、スープの裏面に必ず記載されてる『スープを溶かす熱湯の量』の『水』を入れる。このスープだと270CCでした。
ここで「270CCをどうやって計るんだ?」問題が浮上いたします。まぁ百円ショップでも売ってるで、買っておくのが一番いいんだけど、なかったら、飲み物のペットボトルなんじゃん。アレを一個くらい洗って捨てないでとっておく。ペットボトルのラベルは剥がさないでね。
で、ラベルに入ってた飲み物の量が書いてあるじゃん。『600ml』とか。ちなみ知ってるとは思うけど、『ml』と『cc』は同じだからね。で、270mlの量の水を計りたいと思ったら、600mlの半分弱なんで、そのペットボトルの半分弱の水を入れればいい。
誤差はあるけど、ケーキとは作ってるワケじゃないんで、あんまりデリケートにならなくていい。蛇足ですが、一部のお茶のペットボトルには、ラベルに計量カップみたいな目盛りがついてるヤツもあんで、それを見つけたら大事にとっておくといい……このネタ、前にも書いたけど。

↑水を入れた鍋にお麸を入れる。入れる量は、写真のように水面全部がお麸で埋め尽くされるくらい。

↑鍋を火にかける。最初は強火で沸騰したら弱火にして、沸騰する直前くらいの火加減をキープしたまんま3分たったら火を止める。煮てると、お麸がドンドン水分を吸って、水が少なくなってきますが、沸騰させなければ大丈夫。火加減をうまく調節できなくて、焦げつきそうなくらい水分がなくなったら、ちょっと水を足しゃいい。でも多めには足さないでね。その理由はあとで書きます。
ところで! お麸って「水でもどしてから使う」のが通常の調理法なんですね。もどさないで煮ると、堅くなっちゃうってことになってる。でもそれは塩分がある汁で煮るからであって、今回のようにただのお湯で煮る分には問題ございません。

↑そこにラーメンスープを入れて、よく混ぜる。

↑これでもう完成です……調理というか、煮て混ぜるだけです。で! ここでスプーンかなんかで,一応味見をする。ちょうどラーメンスープくらいの塩分だったらOK。もし、塩分強すぎたら、ここでちょっと水を足せばいい。ちょっとくらい水を足しても、お麸が熱々状態なんで、冷めるなんてことはない。
で、さっき『水は多めには足さないで』って書いたけど、味が濃い分には水たして調節できるけど、水分が多すぎて味が薄いと、再度火にかけて沸騰させて水分を蒸発させるしか方法ないんですよね。それでもいいんですが、この手の濃縮ラーメンスープって、水分が蒸発するくらいの沸騰をさせると香りが飛んじゃうんですよ。それはさけたいんで、調理中に水を+時も「少なめ少なめ」にどうぞ。

↑そのまんま鍋から食べてもかまわないんですが、せっかくなんで皿に盛ってみました。

↑味が『醤油とんこつ』なんで、もしあれば、薬味的に白ネギの小口切りを入れたり、あとコショーをかけるのもいい。それと、お麸的には七味とも相性がイイんですよね。
ラーメンのスープって、ラーメン専門店はもちろん、こういう市販のヤツもそうとうにウマイじゃん。そのスープをすするだけでもツマミになるとオレは思ってるくらいなんでけど、やっばツマミって固形の方がうれしいことはうれしい。液体をツマミに液体の酒を呑むって味気ないもんね。
で、そんなラーメンスープが一番染み込む食材ってなにか考えたワケ。練り物とか豆腐とか色々思案したんげけど、ダントツ王者といえば、このお麸なんですよ。
騙されたと思って作ってみてよ。ラーメンスープの味わいそのまんまの固体よ、固体っつってもスポンジ状だけど。さらに『とんこつ醤油』で作ると、ちょっとツマミ界の王者・モツ煮込み的な味わいもあるんですよ。
ってことで、この『煮込まず』をツマミに『キリン一番搾りR ホワイトビール』をグビッといく。

味覚神経が打ち震えるようなラーメン味の固体。それを洗い流すかのような『かろやか』なホワイトビール。
私事で恐縮ですが、この撮影用に作ったヤツで呑んだ次の日も、また作って呑みました。
文/カーツさとう
コラムニスト。グルメ、旅、エアライン、サブカル、サウナ、ネコ、釣りなど幅広いジャンルに精通しており、新聞、雑誌、ラジオなどで活躍中。独特の文体でファンも多い。