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両側スライドドアを採用したダイハツの7代目新型「ムーヴ」の進化を検証

2025.07.05

日本の軽乗用車に革命を起こしたのが、ハイトワゴンと呼ばれるジャンルの軽自動車の登場だった。1993年にスズキ・ワゴンRが、1995年にはダイハツ・ムーヴが登場し、その後、ともに両自動車メーカーの基幹車種になったことは周知の通り。背の高いプロポーションを採用することで、室内空間、後席に余裕が生まれ、後席格納によってラゲッジルームがそれまでの軽乗用車にない広さを獲得。日常からレジャーにまで使えるワゴンとしても機能できるようになったのである。

また、1997年には”ダイハツが男気ある“裏ムーヴ!?”としてカスタムシリーズを発売。そのエアロダウンカスタムは15mmのローダウンサスペンション、エアロパーツや専用ホイールを装着。ターボエンジンとの組み合わせで、コンパクトカー要らずの動力性能、当時として上質な走行性能を実現。RSモデルは走りのスポーツハイトワゴンとして人気を得ていたことを記憶している。

しかし、2003年にスーパーハイト系と呼ばれる、背が高く(初代は1775mm、)両側スライドドアを備えたタントが登場。以来、ライバルのN BOX、スペーシアの存在もあって、軽自動車の主流はハイトワゴンからスーパーハイト系に移行した。実際、2025年5月の軽乗用車新車販売台数では1位から3位をスーパーハイト系が占め(1位N BOX、2位スペーシア、3位タント。ムーヴは6位)、スーパーハイト系は軽自動車全体の約60%の販売比率にまで高まっているほどだ。

2013年当時のスーパーハイト系軽自動車揃い踏み

7代目となる新型では、なんとカスタムグレードを廃止

そのハイトワゴンのパイオニアの1台、6月5日に発売されたダイハツ・ムーヴの7代目となる新型は、「今の私にジャストフィット。毎日頼れる堅実スライドドアワゴン」をコンセプトに、これまでの軽ハイトワゴンの常識を覆す、両側スライドドアを備えて登場。これはユーザーニーズの変化、先代の6代目で行った子離れ世代へのシフトにあり、また、なんとカスタムグレードを廃止。カスタムの役割は「堅実スライドドアワゴン」の7代目では必要なしと判断されたという。

端正で凛々しいスタイリングを纏った新型ムーヴは、ゆえにエクステリアデザインはL、X、G、RSが用意される全グレードで基本的に同一。先代までの標準車、カスタムの区別がなくなったというわけだ。もっとも、全車、先代までのカスタム寄りの、”端正で凛々しい”エクステリアデザインに仕立てられていることは明白だろう。言い方を変えれば、カスタムが廃止されたのではなく、標準車が廃止された・・・という見方もできそうだ(勝手な意見だが)。

インテリア、室内空間はハイトワゴンとスーパーハイト系の中間にある、スライドドアからの後席への乗降も楽々な、かなりゆったりとした空間が確保されている。

とはいえ、ダイハツにはタント、SUVテイストのタント・ファンクロス、ムーヴキャンバスという両側スライドドア車が揃い、「タントがあるのになんでムーヴまでスライドドアにする必要があるのか」という声も聞こえてきそうだが、勘違いしてほしくないのは、新型ムーヴはスーパーハイト系軽乗用車ではないということ。たしかに背が高めで軽自動車のトレンドの両側スライドドアを備えてはいるものの、じつは、車高はタントより100mmも低い1655mm(2WD)。先代ムーヴの1630mmと大きく変わらず、とくに後ろから見ると、スーパーハイト系ではなく、ハイトワゴンのような佇まい、車高と車幅の関係に見えるのだ。つまり、スズキ・スペーシアの1785mmの車高に対して車高が1695mm(-90mm)の、ワゴンRの両側スライドドア版となるワゴンRスマイルのジャンルにいるモデルと言っていいかも知れない(ワゴンRスマイルはNAエンジンのみ)。

スズキ・ワゴンRスマイル

直列3気筒のパワーユニットはL/X/GがNA、52ps、6.1kg-m。WLTCモード燃費22.6km/L(先代20.7km/L)。RSのみがターボエンジンで、64ps、10.2kg-m。WLTCモード燃費は21.5km/L(先代19.7km/L)。つまり燃費性能でNAとターボに大きな差はない。これは最新の軽自動車エンジンの特徴(ターボエンジンの燃費向上)でもある。

なお、ミッションのCVTはRSのみダイハツ渾身の、応答性と高速燃費にも優れたステップシフト付きD-CVT。それ以外は従来型のCVTとなる(ここ、走ると違いが明確になりそう)。例によって、タイヤはターボモデルのRSが15インチ、それ以外は14インチになる。最小回転半径はRSが4.7m、それ以外が4.4mである。

そうそう、エクステリアデザインが共通する、標準車とカスタムの区別がない新型ムーヴのRSグレードは、その他のグレードにターボエンジンを積んだだけのモデルではない。インテリアではブラック内装を基本に、本革巻きのステアリング、シフター、専用2眼メーター(他は1眼)を備えるほか、CVTは15インチタイヤ、スポーツサスペンション、右側パワースライドドア、そして他グレードではパックオプションとなる「スマートクルーズパック」を標準装備。その内容は全車速追従機能付きACC(アダプティブクルーズコントロール)、LKC(レーンキープコントール)、CTA(コーナリングトレースアシスト)となる。

RSグレードのインテリア
Xグレードのインテリア
Xグレードの14インチタイヤ&ホイール
Gグレードの15インチタイヤ&アルミホイール

ちなみにヘッドランプの形状は全車同一だが、RS以外はLED/オートハイビーム、RSのみ先進のフルLED/アダプティブビームとなっている。つまり外観に差はタイヤサイズ&ホイールデザインを除いてほぼないものの、RSは機能で差を付けているということになる。エコモード、パワーモードを備えていることはもちろんである。

また、電子パーキングブレーキとオートブレーキホールド機能はRSとGに装備。それ以外は足踏み式パーキングブレーキとなる。先進運転支援システムのスマートアシストは基本的に全車標準装備。レーンチェンジなどでの安心・安全を高めるブラインドスポットモニターは全グレードともにディーラーOP扱いだ。

今回、50~60歳以上のユーザーをターゲットとして、初期受注で先代からの乗り換えが約70%に達しているという新型ムーヴの価格は、ターボエンジン搭載のRSが189.75万円。その次のグレードとなる装備充実のNAエンジン搭載のGが171.6万円。差額は18万1500円になる(2WD)。ダイハツのNAエンジンは低速トルクがあり、走りやすいという定評があるのだが、それが両側スライドドアを得たこの新型ムーヴでも変わらないかどうか、そして室内空間の実測値に基づくパッケージ詳細については、このあと報告する公道試乗記にてお伝えしたい。

ダイハツ・ムーヴ

文・写真/青山尚暉

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