
日産「エルグランド」が2025年内に生産終了し、2026年度に新型が登場します。第3世代e-POWER搭載で、燃費・静粛性も向上。15年の歴史に幕を閉じ、新たな「キング・オブ・ミニバン」として進化を遂げるエルグランドに期待が高まります。
目次
日産「エルグランド」は、1997年5月に初代モデルが発売されました。
ゆとりのある広い室内空間と高級感あふれる内装で「プレミアムミニバン」という魅力を持ち颯爽と走り出し、後にトヨタ「アルファード」などと高級ミニバン人気を創り出す、先駆けとなったのです。
現在は3代目へと進化し、存在感あるスタイリングや快適な室内空間、優れた走行性能で高い評価を得てきました。
そして日産自動車は、2025年4月22日のイベント「NISSAN START AGAIN 2025」で、新型「エルグランド」のデザインの一部を公開しました。
15年の歴史にエルグランドは終止符を打ち、新型へと移行します。これは、人気ミニバンの新たな章の始まりを告げるものです。

日産「エルグランド」が生産終了
エルグランドが新型へのモデルチェンジを予告し、現行モデルの生産が終了しようとしています。
その時期と、なぜ生産終了するのかを確認してみましょう。
■Q.エルグランドはいつ生産終了するんですか?
A.新型エルグランドが2026年度に発売を予定しています。そして、年内に現行エルグランドは生産を終了します。2025年8月に生産終了という一部報道もあり、現行モデルを求める方はお早めにディーラーなどへお問い合わせください。
■Q.日産はなぜエルグランドの生産を終了するんですか?
A.現行モデルが登場したのは2010年8月のこと。すでに15年もの年月が経ち、そろそろ新型への期待が高まっていました。
また、日産は、2026年度までに日本市場で4車種を発表する予定であり、その中にはエルグランドも含まれています。
そこで、新型へとモデルチェンジする形になりました。
元祖「キング・オブ・ミニバン」にふさわしいモデルへの進化が期待されます。

新型エルグランドってどうなるの?期待しかない!
2025年4月22日にデザインの一部が紹介された新型エルグランド。どのようなモデルへ進化しているのか、事前に発表されている画像や資料から先取り情報をお届けします。
■Q.次期エルグランドのデザインはどんな感じになるんですか?
A.次期エルグランドのデザインは2025年7月現在で詳細は公表されていませんが、画像データがあるので、確認してください。


詳細は見えないものの、伝わってくるシルエットはシャープさの中に穏やかな曲線を含む、上質で優美なもの。
スポーティさとエレガントさを兼ね備える、美形になりそうな予感です。
■Q.新型エルグランドにはどんなe-POWER技術が搭載されるんですか?
A.新型エルグランドには、第3世代となる日産のハイブリッドシステムe-POWERが搭載される予定です。
この第3世代e-POWERは、新開発の発電専用1.5リッターエンジンを採用しています。
さらに、モーターやインバーターなど5つの部品が「5-in-1」としてモジュール化されることで、大幅な軽量化が実現されています。
この新しいe-POWERシステムにより、エルグランドは大幅な静粛性と燃費の向上を実現するとされています。
日産自動車の日本マーケティング&セールスを担当する執行職の杉本 全氏は、「日産は日本市場において、2026年度までに4車種を発表予定です。本日お見せしたエルグランドにおいても熱意を持って開発を進めており、皆さまに最高の形でお届けできるよう準備しております。今まで以上にお客さまの声を真摯に受け止め、多くのお客さまにドライビングプレジャーを提供するために製品ラインアップの拡充を図ってまいります」と、新型エルグランドへの期待を語っています。
■Q.新型エルグランドはいつ発売されるの?
A.2025年度後半に公開、2026年度の発売を予定しています。
初登場は1997年。日産エルグランドの歴史を振り返る
現行のエルグランドが生産を終了し、新型へと進化するエルグランド。元祖キング・オブ・ミニバンの歴史を簡単に振り返ってみましょう。
■Q.初代エルグランドE50型ってどんなクルマだったんですか?
A.初代エルグランドE50型は、1997年5月19日に発売されました。

エルグランドの名前は英語の定冠詞「THE」にあたるスペイン語の「EL」に、偉大さを意味する「GRAND」を組み合わせた造語です。
当初は、日産モーター系各販売会社では「キャラバン エルグランド」、プリンス系各販売会社では「ホーミー エルグランド」という名称が使われたのも、懐かしい思い出です。

フロントにエンジンを配置したセミキャブオーバータイプのパッケージングにより、静かな室内空間を実現。フラットなフロア、前席と後席間のウォークスルーを可能にしました。

インストルメントパネルは水平感を持たせつつ、左右に大きく流れる面構成で広がり感を持たせています。

QD32DETディーゼルエンジンと、VG33Eガソリンエンジンを登場時に搭載。FRとオールモード4×4が選べました。
そして、翌年の1998年1月12日には、キャラバン/ホーミー エルグランドにエアロバージョン「ハイウェイスター」が追加されました。

こちらは、「V」グレードをベースに、内外装にわたりスポーティ感あふれる仕様・装備を設定した、エアロバージョンです。
■Q.2代目エルグランドE51型はどんなクルマですか?
A.2002年5月21日にフルモデルチェンジして発売された、2代目エルグランドE51型は、最上級ミニバンのトップシェアを継続してきた先代のイメージを継承しながら、高級感と押し出し感を強めたより洗練されたシルエットへと進化しました。

リヤコンビネーションランプと一体化したリヤウインドウグラフィックは、2026年度に登場が待たれる新型エルグランドに通ずるアイデンティティを感じさせてくれます。

初代に比べてフラットで低いフロアを実現し、ルーフ幅を拡大しており、アクセルペダルからバックドアまでの実質的な室内長、室内幅、室内高、シート間寸法のすべてを拡大し、ゆとりある空間を実現しています。

シンプルで先進的な薄型メーター&可動式モニターを備え、モダンファニチャーを想起させる室内空間は、モダンでいて落ち着いた雰囲気を併せ持ちます。

エンジンは、VQ35DEエンジンで統一。FRと電子制御トルクスプリット4WDシステム「オールモード4×4」を採用した4WD車がラインアップしました。

■Q.現行3代目エルグランドE52型はどんなクルマですか?
A.2代目のデビューから8年あまりの時が経った2010年8月4日、現行モデルとなる3代目エルグランドE52型がフルモデルチェンジで登場しました。

新型「日産エルグランド」発表披露会で。日産自動車株式会社取締役兼COO 志賀 俊之氏(当時)
3代目は、エルグランドらしいヘッドランプからグリルへとつながる、厚みのある上下二段式フロントマスクとヘッドランプユニットを持ちます。

そして、エルグランドらしい、水平方向と垂直方向のラインで構成したリヤコンビランプがシャープです。

インテリアは、全ての乗員の快適性を追求したモダンで立体的なシートが特徴的。また、助手席シートと2列目シートの3席で同時に使えるトリプルオットマンを採用しています。

そして、機能性と高級感を両立した、センターからサイドへ流れるグラデーション木目調パネルを一面に配したインストルメントパネルは、上質そのもの。
ブルーのリング照明を採用したモダンで先進的なメーターパネルと包まれ感のあるコックピットは、乗り込むたびに高揚感を感じさせてくれます。

エンジンは、VQ35DEとQR25DEを採用。エルグランドでは初めてFFパッケージとなり、4WD車も用意されています。

2024年3月28日には、「インテリジェント アラウンドビューモニター(移動物 検知機能付)」、「ディスプレイ付自動防眩式ルームミラー」を全車に標準装備。より安全性を向上させています。

