
ドコモとauの新料金プランは、単なる通信料だけでなく、デジタルライフを豊かにする付帯サービスが充実。ドコモは「DAZN」見放題や高還元ポイントなどバリュー特典を重視し、auは「Starlink Direct」や「Pontaパス」など多様なサービスで付加価値を追求しています。両社ともに、データ通信量だけでなく、利用者に合った付帯サービスで選ぶ時代へと変化しているのが特徴です。
目次
ドコモとau(KDDI)は、日本の2大通信キャリアです。
両社が打ち出した料金プランは、昨今の物価高や電気料金上昇といった社会情勢の影響を受け、「実質的な値上げでは?」と思った人がいるかもしれません。
しかし、新プランの真価は単なる料金だけでなく、それぞれの通信サービスに独自の付加価値を上手に付与していること。デジタルライフをより豊かにする魅力的な選択肢として進化を遂げています。
本記事では、ドコモとauそれぞれの新料金プランについて、料金体系はもちろんのこと、充実した付帯サービスに焦点を当て、詳しく比較・解説します。
ドコモは通信サービスにバリュー特典をプラスして価値創出を目指す
ドコモは、2025年4月25日に、「ドコモ MAX」「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」「ドコモ mini」の4プランを一挙に発表。提供は6月5日から始まっています。
これに伴い、6月4日いっぱいで、「irumo」「eximo」「eximo ポイ活」の新規受付は終了しました。
■使い放題プラン「ドコモ MAX」は「DAZN for docomoが追加料金なしで見放題に
データ容量無制限のベースとなるプランが「ドコモ MAX」です。月額料金はひと月に使用したデータ通信料によって変わり、1GBまでなら5698円、1GB超~3GBが6798円、3GB超~無制限が8448円となります。

割引オプションとしては、「みんなドコモ割」が3回線以上の登録で1210円引き、「長期利用割(ドコモ利用継続期間が20年以上の場合)」が220円引き、「dカードお支払い割(dカード PLATINUM、dカード GOLD、dカード GOLD U利用の場合)」が550円引き、「ドコモ光 セット割/home 5G セット割」が1210円引き、「ドコモでんきセット割」が110円引きとなります。

【参照】ドコモ 報道発表資料
「ドコモ MAX」の特徴は、無制限のデータ容量をベースとしながら、「DAZN for docomo」が追加費用なしで見放題となる点。加えて、「Amazon プライム」が月額会費6か月割引となります。また、ahamoで好評の国際ローミングが、30GBまで無料で利用できます。

eximoと比較すると、基本料金は上がっているものの、DAZN for docomoといった付帯サービスを付けることで、価値を高めているのが、「ドコモ MAX」の特徴です。特典内容は、あくまで第1弾という位置づけで、今後追加されていく予定となっています。
■dポイントがお得に貯まる「ドコモ ポイ活 MAX」「ドコモ ポイ活 20」
「ドコモ MAX」をベースとして、よりdポイントがお得に貯まる料金プランとして提供されるのが「ドコモ ポイ活 MAX」です。基本料金は1万1748円で、割引オプションは「ドコモ MAX」と共通。ただし、対象決済の特典利用によるポイント最大還元額は5000ポイント(税抜き5000円相当)となります。

そのため、割引をすべて適用し、ポイント還元を最大まで獲得、dポイント最大還元額を割引適用後の月額料金に充当した場合は、実質負担額が2948円となります。
DAZN for docomoといった特典も「ドコモ MAX」と同様に付帯するため、dカードやd払いなどを多用する場合は、ポイントがより多く還元され、お得な料金プランとなります。
「ドコモ ポイ活 20」は、データ無制限プランを契約するほど、ひと月にデータ通信を利用しないユーザーが、手軽にポイ活を始めるための料金プラン。データ通信料がひと月20GB以下の場合は7898円、それ以降は無制限で9570円となります。

割引オプションは「みんなドコモ割」「dカードお支払い割」「ドコモ光 セット割/home 5G割」「ドコモでんきセット割」が適用できます。ポイント最大還元額は2500ポイント(税抜き2500円相当)となっているように、「ドコモ ポイ活 MAX」のコンパクトバージョンのようなイメージ。ただし、DAZN for docomoといった付帯サービスはついていないので、注意が必要です。
■小容量プランの「ドコモ mini」
旧プランでいうirumoに該当する小容量プランが、「ドコモ mini」。基本料金は月々4GBプランが2750円、月々10GBプランが3850円となります。

割引オプションは、「dカードお支払い割」「ドコモ光 セット割/home 5G セット割」「ドコモでんきセット割」が適用可能。すべての割引を適用した場合の価格は、それぞれ880円、1980円となります。
そのほか、Amazon プライム登録から最大3か月、月額会費相当の600円が月額料金から割引されます。3か月の割引終了後は、毎月dポイントが120ポイント還元されます。
既存プランに付加価値を付けて価値を高めるau
auは、既存の無制限プラン「使い放題 MAX+」「au マネ活プラン+」の基本料金を8月1日付けで、最大330円値上げすることを発表。代わりに、「au Starlink Direct」をはじめとするサービスが追加されます。
また、新料金プランの「au バリューリンクプラン」も発表。こちらもデータ容量無制限で、さまざまな特典が付きます。
■auの新料金プラン「au バリューリンクプラン」
「au バリューリンクプラン」は、6月3日より提供開始された新料金プランです。
ベースはデータ容量無制限で、基本料金が8008円。割引オプションとして、「家族割+」が1210円引き、「auスマートバリュー」で1100円引き、「au PAYカードお支払い割」で220円引きとなります。また、月々のデータ通信料が1GB以下の場合、1650円の割引が適用されます。

データの使い放題に加え、山間部や海上など、KDDIの電波が届かないところで、空が見えれば、衛星とスマホの直接通信ができる「au Starlink Direct」、回線が混雑する時間や人が多く集まる場所で優先的に高速通信ができるようになる「au 5G Fast Lane」も魅力。
さらに、海外でも追加契約なくデータ通信が利用できる「au 海外放題」、対応のサブスクを利用する際に、Pontaポイントが獲得できる「サブスクぷらすポイント」、ローソンでのお買い物クーポンなど、毎月いろいろな特典がもらえる「Pontaパス」など、魅力的な特典が付きます。

■「使い放題 MAX+」は330円値上げ
既存の無制限プランである「使い放題 MAX+」は、8月1日より、月額料金が330円値上げとなり、基本料金7788円となります。

ただし、こちらも「au Starlink Direct」「au 5G Fast Lane」「au 海外放題」「サブスクぷらすポイント」が新たに付帯することで、お得感が増しています。
「au バリューリンクプラン」との差分は、「Pontaパス」があるかないかなので、自分に合ったプランを選びやすいのも魅力でしょう。
■2つの無制限プランに「金融」「エンタメ」サービスを追加するかも選べる
「au バリューリンクプラン」「使い放題MAX+」には、金融サービスの「auマネ活」や、「Netflixパック(P)」「ALL STARパック」といった、エンタメコンテンツがセットになったオプションを追加できるようになっています。

先に紹介したドコモの「ドコモ MAX」が、DAZN for docomoといったコンテンツサービスをデフォルトで組み込んでいるのに対し、auは契約するサービスを自分で選択できるのが特徴です。
通信キャリアの料金プランはデータ通信量から価値で勝負する時代へ
ドコモ、auの料金プランは、それぞれ訴求ポイントこそ違うものの、どちらもデータ通信量だけでなく、付帯する価値で勝負をしているのが特徴です。
ここ数年は、各通信キャリアのメインブランドで、データ容量無制限のプランが提供されています。
データ通信の速度、エリアの広さなど、まだまだ通信サービスとしての競争は続いていますが、金融領域やエンタメ領域など、さまざまな付加価値を付けることで、それぞれが差別化し始めています。
ドコモ、auともに、今後もエンタメコンテンツをはじめとする付帯サービスの拡充に注力していくと考えられるのに加え、ソフトバンク、楽天モバイルがどのように料金プランに付加価値を付けていくのかにも注目。
ユーザー視点でいえば、データ通信量や値段だけでなく、どのようなコンテンツが付いてくるかで、料金プランを選択する時代になっているといえるでしょう。
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※データは2025年8月時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦