長期保存ができる「M-DISC」とは?
先の話にも出た「M-DISC」は、まさにデータを移し替える際に第一選択肢となるメディアだ。
例えば、こんな製品がある。Verbatimの「VBR520YMDP1V1」は、“生涯保存”ができるメディアとして販売されている(国際標準規格 ISO/IEC 16963の測定基準に基づく)。

高硬度チタンを採用し、一般的なブルーレイディスクよりも、光・熱・湿度などによる経年劣化に強く、生涯保存、つまり100年以上、データを保存することが可能。信頼性・耐久性に優れている。1回記録用だからデータが消える心配もない。
ただし、記録するにはM-DISCロゴが付いているドライブでなければならないため、注意を。記録したディスクは一般的なドライブで再生可能だ。
読めなくなったディスクからデータを修復・保存するソフトも
もし過去のCD-RやDVD-Rを押し入れの奥などから発掘したものの、読み込まなくなってしまったという場合も、あきらめるのはまだ早い。レスキューする製品もあるからだ。

ソースネクストの「B’s ディスク・セーブ」は、読めなくなったディスクからデータを保存するディスク・データ修復ソフトだ。
このソフトは、劣化したディスクからデータを取り出す「修復バックアップ」と、ディスクの劣化状態をチェックする「劣化判定ツール」の機能がある。
対象となるディスクは、CDやDVD、ブルーレイなどの光学メディア。保存されているデータが壊れていても強制コピーでき、一部欠損していても開ける。

また劣化の状態を簡単にチェックできるツールでは、正常に読み込めても、いずれ読み込めなくなる危険性が高い状態を見極め、警告というステータスで表示する。

大事なデータは、破損すれば戻ってこない。生涯、長きにわたって残したいと考える大切なデータがあるなら、ぜひこの機会に対処しておこう。
(※)国立国会図書館 よくあるご質問 > 資料の保存・デジタル化 > 電子情報の保存
取材・文/石原亜香利