
今が幸福か、不幸かは気の持ちよう次第ではあるが、とはいえ、外的要因が関係することは否定できない。
では、日本人はどんな要因で幸せor幸せではないと感じる傾向が強いのだろうか?
世界最大規模の世論調査会社イプソスはこのほど、日本を含む世界30か国23,765人を対象に「イプソス幸福感調査2025」を実施し、その結果を発表した。
日本人が「幸せではない」と感じる最大の要因は「経済的な状況」、2位の要因と30ポイント以上の差(グラフ1)
本調査において、現在の状況を「あまり幸せではない」「全く幸せではない」と回答した日本人に、その理由を尋ねたところ、最も多くの人が挙げた要因が「経済的な状況(64%)」となった。 これは2位の「自分の人生には意味があると感じること(27%)」に大きく差をつけた。この傾向は、本調査の対象30か国の平均とも一致している(1位「経済的な状況(58%)」、2位「精神的健康やウェルビーイング(30%)」)
なお、「とても幸せである」「やや幸せである」と回答した人の理由の1位は「家族との関係(41.1%)」で、僅差で「感謝されている・愛されていると感じる(41.0%)」が2位となった。

「生活の質の高さ」、現在も5年後も日本は30か国中最下位に(グラフ2)
「現在の生活の質はとても高い」「5年後には全体的な生活の質は今よりもずっと良くなっていると思う」と答えた人の割合は、どちらも30か国中で日本が最下位となった。「人生は良くないし、良くなることはない」と考えている人が世界と比較しても多いということがわかった。

「幸せである」と回答した日本人は60%、30か国中27番目の低さ(グラフ3)
「幸せである」と回答した日本人は60%と、30か国平均の71%を下回った。昨年の調査時からは微増(「幸せである」と回答57%、+3ポイント)しているが、大きな変化は見られなかった。

なお、イプソスオンラインコミュニティでは、今回の結果を受けて以下のようなコメントが寄せられた。
生活の質の基盤は健康、心身ともに健やかであること。5年後も体力の衰えがあると思いますが、現状維持をしたいです。(60代・男性)
時間にゆとりを持ち、趣味や家族との時間を大切にしたいです。金銭的にも少しの余裕があれば理想的です。(40代・女性)
ストレスとは適切に付き合い、発散方法を見つけることが重要だと感じます。日々美味しい食事を楽しむことも活力の源です。(30代・男性)
<調査概要>
調査方法:イプソス グローバルアドバイザー調査プラットフォーム 、IndiaBus プラットフォームを使用したオンライン調査
調査対象: 世界30か国23,765人
イプソスはインドでは18歳以上、カナダ、アイルランド共和国、マレーシア、ニュージーランド、南アフリカ、トルコ、米国では18~74歳、タイでは20~74歳、インドネシアとシンガポールでは21~74歳、その他すべての国では16~74歳の成人
実施日: 2024年12月20日(金)から2025年1月3日(金)
調査機関:イプソス
出典元:イプソス株式会社
構成/こじへい