
消費者意識データ分析サービスを提供するノウンズは、同社アンケートアプリ「Knowns App」による「Nintendo Switch 2 の抽選販売と転売に関する意識調査」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
任天堂社はNintendo Switch(2017年発売)の際に深刻化した転売問題や、近年のPS5など次世代ゲーム機の“品薄×高額転売”騒動を受け、Switch 2の販売初期段階で「正当なファンが定価で購入できる販売方法」として抽選予約制を採用。
今回、ノウンズでは全国の一般生活者を対象に、そんな抽選販売の実態と転売に関する意識を明らかにするための調査を行なった。
■ “ほぼ社会現象級”の認知浸透
Q:任天堂が正式発表した「Nintendo Switch 2」の存在を知っていますか?

発売済みである現在、回答者の9割が存在を認知しており、うち6割以上が「知っていて内容も把握している」と回答。スペックや発売時期など、詳細情報まで届いていることがわかる。
■ 当選率約27%でも“8割超が再チャレンジ宣言”で熱量衰えず
Q:「Nintendo Switch 2」の予約抽選に申し込んだことがありますか?

Q:「Nintendo Switch 2」の予約抽選の結果はどうでしたか?

Q:今後、再度予約抽選に申し込む予定はありますか?

抽選に申し込んだことが「ある」と回答した人(999名)のうち、当選したのは26.8%(268名)となっており、PS5の初期抽選期(当選率10%前後)の事例と比べればやや高いが、“確率ガチャ”と呼ぶに十分な狭き門であるようだ。また、抽選参加経験者の8割以上が再挑戦を表明しており、手に入るまで挑戦する強い購買意欲を示している。
■ 転売対策への評価とフラストレーションが交錯
Q:予約抽選という販売形式についてどう思いますか?(複数選択可)

「公平で良い」が最多となっており、希少な在庫をランダム配分する仕組みは、大多数が“機会の平等”を感じ取っていることが推察できる。一方で、約5人に1人が「当たらないので不満」と回答しており、“公平だが当たらない”というジレンマが顕在化。抽選制自体へのストレスを感じている層が一定いることも示唆された。
■ “高い”“転売はNG”…それでも約4割が転売容認
Q:「Nintendo Switch 2」の正規価格(本体のみメーカー希望小売価格:49,980円)設定についてどう感じますか?

Q:転売価格で「Nintendo Switch 2」を購入することに対してどう思いますか?

Q:「Nintendo Switch 2」の転売という行為そのものについて、あなたの考えに最も近いものをお選びください。

正規価格4万9980円については半数以上が「高い」と回答したことから、一定の価格抵抗感が示された。さらに別設問では、約6割が転売行為をモラル的に否定している。それにもかかわらず、約4割(「ある程度の上乗せなら許容できる」22.5%、「欲しければ高くても買う」17.4%)が転売価格での購入を受け入れる意向を示した。
これは「価格評価」「倫理的評価」と「実際の購買行動」が必ずしも一致しないことを示唆しており、希少性や購入タイミングなど限定要因が購買意思決定を左右している可能性があることが考えられる。
■ インフレ下でも、高頻度プレイヤーが購買牽引
Q:普段どの程度ゲームをプレイしますか?

Q:物価が高騰する中でも、ゲームにはお金をかけたいと思いますか?

ゲームへの支出意向はプレイ頻度におおむね比例していた。 ほぼ毎日または週に数回プレイする高頻度層では「ゲームにお金をかけたい」と答える人が過半を占めた一方、月に数回以下の低頻度層では同意率が大きく低下。したがって支出余地が大きいのはコアプレイヤー層であることが示唆されている。
調査結果まとめ
調査結果からは、Nintendo Switch 2 が発売後まもなく高い関心を集める一方、供給状況や販売方式をめぐるさまざまな見方が存在することが確認された。
抽選販売は公平感が一定程度評価される反面、当選機会の限られ方に対しては不満や疲労感を示す回答も見受けられる。価格については割高とする声が相対的に多いものの、希少性を背景に上乗せ価格を容認する購買姿勢も一定数に認められ、転売行為そのものへの否定的な意識との間にギャップがあるようだ。
正規流通の安定供給と、転売に対する倫理観・価格受容性のねじれをどう緩和するかが、今後の市場動向を左右するテーマと考えられる。
調査概要
調査名/「Nintendo Switch 2」の抽選販売の実態と転売に関する意識調査
調査期間/2025年6月18日〜6月19日
実施主体/ノウンズ株式会社
調査対象/全国の一般生活者
調査対象者数/2882名
調査方法/Knowns Appを通じたインターネット調査
出典/ノウンズ株式会社「Nintendo Switch 2 の抽選販売の実態と転売に関する意識調査レポート」より
構成/清水眞希