
2025年6月24日、Appleはついに「iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードを登録できる機能」を日本で提供開始した。これにより、スマホひとつで本人確認や行政サービスの利用が可能になった。だが便利さの一方で、多くの人が疑問に思うのが「iPhoneを失くしたらどうなるの?」という点だ。
iPhoneを紛失したらどうなる?
Appleによればマイナンバーカードに関する情報はiPhone上に暗号化されて保存されており、Apple側もアクセスできない。さらに、Face IDやTouch IDを通じた認証が必須となるため、万が一他人に端末を見られても悪用されるリスクは極めて低い。とはいえ、マイナンバーという“絶対に紛失できない身分証”をiPhoneに入れて持ち歩くことになるわけだが、もし、iPhoneを紛失してしまった際には、可及的速やかに以下の行動を取って欲しい。
1. 「探す」アプリで遠隔ロック&位置追跡
iPhoneを失くした場合、Appleの「探す」アプリを使い、他のデバイスやパソコンから位置を確認し、遠隔でロックする。紛失した場所を特定できた場合は、すぐに回収に向かうのがいいだろう。
→PCから「iPhoneを探す」の使い方はこちらから
失くしても慌てる必要なし!iPhoneをリモート追跡できる「iPhoneを探す」の便利な使い方
持ち運ぶことが多いiPhone。 ついついバッグやポケットに入れ忘れ、電車の中やレストラン、タクシーなどで忘れてしまった経験もあるのではないでしょうか。 そんな…
2. リモートでiPhoneのデータを消去できる
見つからない場合は、iPhone上のすべてのデータをリモートで消去可能だ。Appleウォレット内のマイナンバーカード情報も完全に削除されるため、悪用リスクは限りなく防ぐことができる。
→iPhoneのデータを遠隔操作で消去する方法はこちら
紛失したらやるべきことは?iPhoneのデータを遠隔操作で消去する方法
iPhoneを紛失した時、中のデータを第三者に見られてしまうかもしれません。さらに運が悪ければ、個人情報を悪用されるケースも考えられます。そこで今回は、遠隔操作…
他にも、マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)から一時利用停止の手続きも可能となっている。なお、iPhoneに登録されたマイナンバーカードは、iPhoneの端末上から削除されるだけなので、マイナンバー自体は無事。物理カードの再発行や手続きは不要で、新しいiPhoneで再登録すればOKだ。
便利な機能の登場だが、「失くしたときどうするか」まで想定して使っていきたい。
なぜ、「iPhoneのAppleウォレットにマイナンバーカードを登録できる機能」を追加したのか
AppleのApple PayおよびAppleウォレット担当バイスプレジデントのジェニファー・ベイリー氏は次のように述べている。
「私たちは、日本政府と密接に協力して日本に住むみなさんにiPhoneのマイナンバーカードをもたらし、これによってユーザーが、使いやすく、安全で、プライバシーを中核に据えて設計された方法で身分証明書を追加して提示できるようになることを誇りに思います。日本はAppleウォレットの交通系ICカードに対応した最初の国であり、最近では去年、iPhoneのタッチ決済が提供開始されました。そして今回、国民のみなさんにAppleウォレットの身分証明書機能を提供する最初の国となります。財布を持ち歩かずに済む便利さはユーザーに好評で、私たちは、iPhoneのマイナンバーカードによってさらにシームレスで安全な非接触の体験をお届けできることを嬉しく思います」
また、日本の平将明デジタル大臣は次のようにコメントをしている。
「当時の岸田文雄総理大臣とApple社CEOティム・クック氏のリーダーシップのもとで始まった『iPhoneのマイナンバーカード』プロジェクトが、緊密な協働の成果として、本日、ついに開始できましたことを大変嬉しく存じます。現在、約8割、約1億人の国民がマイナンバーカードを保有しており、官民の様々なサービスのアクセスが可能となるものです。国民の皆さまに素晴らしい、安全で便利な体験を実現できるようになったことは大変喜ばしいことです。国民IDカードのウォレットへの追加実現は世界的にも先駆的であり、素晴らしいUX・UIを誇る『iPhoneのマイナンバーカード』基盤も活用して、安全で便利なデジタル社会の構築を、一層強力に進めてまいります」
文/峯亮佑