
ライカカメラ社は、100年の歴史を持つ35mm判写真へのオマージュとして、幅広いスペクトル感度を備えた高解像度のモノクロームフィルム「ライカMONOPAN 50」を発表した。
最大280ラインペア/mmの高解像度と最大780nmの超パンクロマチック感光特性を兼ね備え、卓越したシャープネスと豊かな階調表現を実現!
1925年に登場した「ライカI」は、写真の世界に革命をもたらし、35mm判という新しい標準フォーマットを確立した。当時、このコンパクトなフォーマットは瞬く間に人気を博し、「ライカI」に使用された35mmフィルムカートリッジは、実際にはコダックやアグファ、ペルーツといった他社の製品であったにもかかわらず、販売店や写真家たちの間では親しみを込めて「ライカフィルム」と呼ばれていた。
そして、「ライカI」登場から100年という節目に、ライカは本当の意味での“ライカ製35mmフィルム”である36枚撮りのモノクロームフィルム「ライカMONOPAN 50」を初めて世に送り出す。

幅広いスペクトル感度と高解像度を備えた「ライカMONOPAN 50」は、35mm判写真の黎明期とその時代特有の描写にインスピレーションを受けたモノクロームフィルムだ。その名称は、「mono」「pan」そして「50」という3つの要素から成り立っており、「mono」はライカが2012年に初めて発表したデジタルモノクロームカメラ「Monochrom」シリーズに由来し、「pan」はこのフィルムの特徴である優れたパンクロマチック感光特性を、「50」は感度(ISO 50)を表している。
そんな「ライカMONOPAN 50」は、極めて微細な粒状性と最大280ラインペア/mmという非常に高い解像度、さらに最大780nmの超パンクロマチック感光特性を兼ね備え、卓越したシャープネスと豊かな階調表現を実現。その仕様はライカのレンズ性能を最大限に引き出す設計となっており、特に大判のハイエンドプリントや高精細スキャンにおいて優れた描写力を余すことなく発揮する。

また、拡張されたスペクトル感度により赤外線撮影にも対応。フィルターへの反応性にも優れており、ライカカラーフィルターと併用することで、よりコントラスト豊かな写真表現が期待できる。
なお、「ライカMONOPAN 50」は、2025年8月に発売予定で、価格などについては現時点では未発表となっている。
製品情報
https://leica-camera.com/ja/discover-monopan-50
構成/立原尚子