
梅雨入りしたと思ったら、連日、真夏並みの気温となり、寝苦しい夜が続いている日本列島。多忙なビジネスパーソンにとって、パフォーマンスに悪影響を与える寝不足は禁物。少しでも安眠できる方法を探していたところ、グンゼの睡眠専用Tシャツ『寝るT』なるものを発見したので、フォーカスしていきたい。
スポーツ科学に基づいた“リカバリーウエア”や、一時期はスーパーやコンビニで即完売して買えなかった、睡眠の質を高めてくれる『ヤクルト1000』など、健康意識の高まりもあって、良い睡眠を求める人が増えている。そこでこの『寝るT』の開発秘話や期待できる効果など、開発者であるグンゼのライフスタイルグループ長の山田隆雄さんにお話を伺った。
NASAの温度調整素材『アウトラスト』がカギ
ボクサーブリーフを根付かせた『ボディワイルド』を筆頭に、これまでに数多くのヒット作を輩出し、日本男性のアンダーウエアの礎を作ってきたグンゼ。肌着のイメージが強いが、実はスリーピングウエアも長年作っており、一日の長があるという。
「最近では日本人の生活様式にも変化が見られ、睡眠時の着用調査によると現代人はパジャマが6割、Tシャツが4割となり、40代以下に絞ると、その比率が逆転することがわかりました。それなら、これまで培ってきたスリーピングウエアへの知見と、我々が得意とするTシャツを融合させた製品を作ろうとなり、立ち上げたのが、“生活者の睡眠の質を向上させる”ことを目的としたKAIMIN NAVIブランドの睡眠専用Tシャツ『寝るT』なんです」

この睡眠専用Tシャツ『寝るT』のメカニズムは、CMなどでもお馴染みのリカバリーウエアとは根本的に異なる。一般医療機器に認定されたウエアは、糸に好物を用いた特殊繊維を組み込むことで遠赤外線効果を利用し、血行を促進し、疲労回復を促すが、当製品は安眠することに特化した機能を随所に落とし込んでいる。
「睡眠時に約500ミリリットルの汗をかくと言われており、通常のTシャツだと、寝汗で不快感を感じたことは、どなたにでもあると思います。そんなストレスを感じにくくさせたのが、睡眠専用Tシャツ『寝るT』なんですよ。まず汗をかきやすい背面部分にアメリカ航空宇宙局ことNASAが開発した温度調整素材の『アウトラスト』を採用しています。さらにメッシュにすることで速乾性があり、蒸れにくい作りになっています。暑いときは涼しく、逆に寒い時は暖かくなるので、年間を通して愛用していただけます」


さらにパターンに関してもこだわっており、寝返りがしやすいように配慮されているのも頼もしい。
「健康な成人なら、一晩で約20回の寝返りを行うとのデータがあります。そこでより少ない筋量でスムーズに寝返りをできるよう、腕の可動域を邪魔しないドロップショルダー設計にしています。いわゆるオーバーサイズシルエットなので、背中を丸めたり体をひねったときのつっぱり感を軽減。腕の上げ下げもしやすくなっています。窮屈感を感じにくく、ルームウエアとしてもご愛用いただけます」

実際に着用してみると、いかに普通のTシャツだと窮屈なのだと気付かされた。また寝汗が冷たくなることもなく、蒸れにくいというのも安眠には欠かせない要素だと再確認。
就寝時の途中覚醒に悩まれている読者諸兄がいたら、価格も含めて試してみる価値は大いにある!と太鼓判を押せる。
取材・文/佐藤周平