ミッドハイレンジのスマホ「Reno14 5G」から廉価モデルの「Reno13 A」、2980円のワイヤレスイヤホンまで!OPPOが投入する攻めの新製品群の全貌
2025.06.24
日本ではミドルレンジクラスのスマホを広く展開することで知られるOPPOは、2025年の新モデルとして、「OPPO Reno14 5G」、「OPPO Reno13 A」と2つのスマホに加え、タブレットの「OPPO Pad 3 Matte Display」、ワイヤレスイヤホンの「OPPO Enco Buds 3 Pro」を発表した。OPPO Reno14 5Gは7月17日以降、そのほか3製品は6月26日以降に、順次発売となる。
OPPO Reno14 5Gは、最上位モデルの価格高騰や、スマホ性能の向上を受け、多くの人が満足できる、ハイレベルな性能をバランスよく搭載した、ミドルレンジとハイエンドの中間に位置する製品群を指す、「ミッドハイ」と呼ばれる価格帯の製品。値段は10万円前後になることが多く、近年は多くのメーカーが市場に製品を投入している。
一方、OPPO Reno13 Aは、ミドルレンジスマホとして、直販サイトより4万8800円で販売される。おサイフケータイ機能や、外部ストレージにも対応しており、多くの人に扱いやすい端末として注目。UQ mobile、ワイモバイル、楽天モバイルといったキャリア取り扱いも予定されている。
そのほか、低反射ディスプレイを採用したOPPO Pad 3 Matte Displayや、2980円で買えるワイヤレスイヤホンのOPPO Enco Buds 3 Proも併せて発表し、一気に製品ラインアップを拡充する。本記事では、新たに登場する各デバイスの詳細についてチェックしていく。
OPPOの新製品を一気にチェック
それでは、OPPOの新製品について、それぞれの特徴をチェックしていこう。なお、それぞれの発売日、直販モデルの販売価格は、以下の通りとなる。
・OPPO Reno14 5G
発売日:7月17以降順次
価格:7万9800円
・OPPO Reno13 A
発売日:6月26日以降順次
価格:4万8800円
・OPPO Pad 3 Matte Display
発売日:6月26日以降順次
価格:7万9800円
・OPPO Enco Buds 3 Pro
発売日:6月26日以降順次
価格:2980円
■独特な背面デザインとクラウドAI機能が特徴のOPPO Reno14 5G
OPPO Reno14 5Gは、本体サイズ約75×158×7.4mm、質量は約187gとなる。特徴的なのが、1枚のガラスで成形された背面デザインで、オパールホワイトモデルには、マーメイドデザインと呼ばれる、絵画のような美しい装飾が施されている。光の当たり方によって、表情を変えるのもいい。さらさらとした手触りで、指紋の付着がほとんど見られないのもポイントだ。
2色展開のもう一方はルミナスグリーン。落ち着いた色合いで、オパールホワイトと比べると、若干指紋の付着は見られるが、1枚ガラスのきれいさが際立つ色味だと感じる。
ディスプレイは約6.6インチの有機ELで、最大120Hzのリフレッシュレートに対応する。解像度は2760×1256で、画面最大輝度は1200ニト。今回は発表会場でしか試せていないが、直射日光下で使用すると、明るさが物足りないかもしれない。
カメラは、光学式手ブレ補正に対応する約5000万画素の広角カメラ、光学3.5倍ズームに対応した約5000万画素の望遠カメラ、画角116度の約800万画素超広角カメラの3眼構成となる。インカメラにも、約5000万画素と高画質なカメラが採用された。
本機はIP69と高い耐久性を誇り、真水に限定されるが、水中で写真撮影する様子も紹介されている。汎用性はさておき、これだけの防水性能があれば、湯船につかりながらスマホを操作したいといった人でも、比較的安心して使えるだろう。ただし、シャンプーの泡などに対する耐性は基本的にないため、ある程度注意して使用する必要がある。
珍しいのが、発表会プレゼン内で、フラッシュライトの仕様について言及されている点。OPPO Reno14 5Gには、2m×1、1m×2と、計3つのライトが搭載されており、逆光や明暗差の大きいシーンでも、被写体のディテールを明るく照らすことができるとのこと。細かな仕様ではあるが、アピールポイントとしてはユニークで面白い。
写真撮影に関する機能としては、シャッターを押した音の数秒間の音と動きが記録される「AI Livephoto」がある。こちらも強化されたフラッシュライトを使うことで、暗い場所でも鮮やかに動きが残せるようになっている。
AIを使った編集機能はほかにも、被写体が目をつぶってしまった際に、過去の写真から最適な表情を合成するAIパーフェクトショットや、写真の構図をAIが整えてくれるAI再構成、映り込んだ人を自動的に認識、消去するAI消しゴム機能や、ピンボケをシャープに修正するAIぼけ除去、ガラスに映った反射を除去するAI反射除去といった機能が利用できる。
AI機能としては、文書作成中、Webサイト閲覧中などに、スマートサイドバーから呼び出せるAIツールボックスがあるのに加え、ファイルごとにようやく、翻訳、文章校正が行えるドキュメント用のAIアシスタント機能や、画面翻訳、音声翻訳機能などが利用できる。グーグルのかこって検索や、Geminiにも対応する。いずれのAI機能も、クラウドで処理を行うAIとなっており、端末スペックにあまり依存せずに、快適に使用ができる。
搭載SoCはMediaTek Dimensity 8350で、メモリは12GB、ストレージは256GBとなる。ストレージの一部を仮想的にメモリとして使う機能は、最大12GBまで利用できる。
SoCに加え、ゲームパフォーマンスを高めるための、AI HyperBoost 2.0や、4700平方ミリメートルのベイパーチャンバー、16.596平方ミリメートルのグラファイトシートが搭載されており、ミッドハイクラスの端末ながら、長時間の安定したゲームプレイにも期待ができる。バッテリーも6000mAhと大容量で、80Wの急速充電に対応しているのも心強い。ただし、おサイフケータイ機能には非対応となる点には、注意が必要だろう。
OSのバージョンアップは5回保障、セキュリティアップデートは6年保証となる。一時期、AndroidスマホはOSの保証期間が短いのが難点とされていたが、ユーザーのスマホサイクルが伸びているのに合わせ、各メーカーの保証期間が長くなっているのは、喜ばしい限りだ。
■5万円切りのOPPO Reno13 Aはおサイフケータイにも対応
ミドルレンジスマホのOPPO Reno13 Aは、公式ストアでの販売価格が4万8800円と、まず安さが特徴になる。UQ mobile、ワイモバイル、楽天モバイルでも取り扱われるのに加え、UQ mobileでは3万6400円と、不思議と直販モデルよりも安価なキャリアモデルが用意されている。
本体サイズは約75×162×7.8mm、質量は約192gとなる。こちらも比較的薄いのが特徴ではあるが、見た目のイメージよりは、少し重い印象を受けた。キャリア採用もある端末なので、まずは手にもって握り心地を確認してみてほしい。
本体はポリカーボネートが採用されており、すっきりとしたデザインになる。カラーバリエーションはルミナスネイビー、アイスブルー、チャコールグレーの3色展開。
ディスプレイは約6.7インチの有機ELで、解像度2400×1080、最大120Hzのリフレッシュレートに対応しており、最大輝度は1200ニトとなる。
クラウドAIを採用することで、ミドルレンジ端末ながら、多数のAI機能が利用できるのが、OPPO Reno13 Aの特徴。AI消しゴムやAI反射除去、AI鮮明度強化、AIぼけ除去、AIクリッピングといった、多数の写真編集機能が利用できる。
ほかにも、文書作成ができるAIライター、文章の要約ができるAIサマリー、音声でテキストを読み上げるAIスピーク、メッセージの返信を提案してくれるAI返信といった機能も利用可能。Geminiやかこって検索にも対応する。
バッテリーは5800mAhで、45Wの急速充電に対応。防水防塵性能は、IP69に準拠しており、真水への浸水、80度のお湯の噴水にも耐えられる。MIL規格認証も取得するなど、かなり高水準な耐久性を持つ。
カメラは、約5000万画素広角、約800万画素超広角、約200万画素の3眼構成。インカメラは約3200万画素となる。ミドルレンジスマホながら、Livephotoや4K動画撮影にも対応しているのもポイントだ。
SoCはSnapdragon 6 Gen 1で、メモリは8GB、ストレージは128GBとなる。最大8GBのRAM拡張機能、最大1TBのmicroSDカードにも対応している。スペック的に、ヘビーなゲームアプリなどにはあまり向かないが、大型ベイパーチャンバーを搭載していることもあり、普段使いの安定感には期待ができる。
■低反射ディスプレイを搭載したタブレットと格安ワイヤレスイヤホンも登場
スマホ2モデルと同時に、タブレット、ワイヤレスイヤホンも発表された。
タブレット「OPPO Pad 3 Matte Display」は、名前の通り〝マット〟なディスプレイを搭載している。マットディスプレイというとわかりにくいが、ディスプレイに微小な凹凸をつけることで、光を拡散し、反射がほぼない状態になるという仕組みだ。反射のまぶしさを最大で97%低減できるとのことで、照明が無数についた発表会場でも、光の映り込みをほとんど気にすることなく使用できた。
また、マットディスプレイ特有のさらさらとした手触りや、指紋の付着が気にならない点も、個人的にはおすすめポイント。保護フィルムを付けると、せっかくのマットディスプレイの効力が発揮できなくなるため、合わない人もいるかもしれないが、滑らかな動き操作ができるため、タブレットでゲームをしたい人などにもぴったりだろう。
ディスプレイは約11.6インチで、7:5の白銀比を採用。解像度は2.8K、リフレッシュレートは最大144Hzと、非常にディスプレイ性能が高いタブレットとなっている。
本体カラーはシルバーの1色展開で、マットディスプレイの反面、かなり光沢感のあるデザインとなる。本体サイズは約258×189×6.3mm、質量は約536gで、比較的薄く、軽い印象を受けた。
搭載SoCはMediaTek Dimensity 8350で、メモリは8GB、ストレージは256GBとなる。メモリ容量が若干心もとないが、SoCも合わせ、ミッドハイクラスといっていいスペックだろう。
タブレットでも、ドキュメント/メモ用AIアシスタントや、AIツールボックス、AI録音サマリー、GeminiといったAI機能が利用できる。PCに近いUIにしっかりとカスタマイズされており、使いやすさにもこだわれている。
また、本モデル専用のタイプカバーキーボード、タッチペンも併売されるため、屋外に持ち出すPC替わりに使うこともできるだろう。キーボードにはAI機能を直接呼び出すための、専用キーも搭載されている。
バッテリーは9520mAhで、67Wの急速充電にも対応する。ミッドハイクラスのタブレットとして、仕事用、プライベート用のどちらでも活躍できる製品だ。
ワイヤレスイヤホンのOPPO Enco Buds 3 Proは、2980円という安さが何よりも魅力。安価な製品ということもあり、ノイズキャンセリング機能などは搭載されていないが、12.4mmの大型ドライバーを搭載し、充電ケース込みで最大54時間の再生が可能なバッテリーを搭載、2台のデバイスに同時接続できるなど、なにかと取り回しの良い、シンプルなイヤホンだ。
本体は片耳約4.3gで、IP55の防塵防水性能も有する。手ごろな価格のワイヤレスイヤホンを探している人は、要チェックだ。
取材・文/佐藤文彦