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疲労を感じない人ほど危ない!?日本科学未来館で解き明かされる「疲れ」の正体

2025.07.02

突然だが、あなたは疲れているだろうか? もし疲れているのなら、それはどのように感じている? 肉体的な疲れ? 精神的な疲れ? もしくは両方? 中には、忙しいけれど全く疲れを感じない、などというモンスターもいらっしゃるかもしれない。

しかし、そんなモンスターはごく一部。現代日本では、多くの人が疲れていると言っても過言ではない。日本リカバリー協会による成人10万人を対象とした調査では、約78%が「疲れている」と回答(※1)。大阪公立大学による子どもを対象とした調査でも、約52%の中学生が1カ月以上続く疲労を感じていると報告され (※2)、「疲労」は現代病とまでいわれているのだ。

もはや待ったなし。しかし恐れるなかれ。その正体と休み方を知れば、疲れは毒にも薬にもなる!

(※1) 日本リカバリー協会「日本の疲労状況 2024」~「リカバリー(休養・抗疲労)白書 2024 レポート」 Vol.1~より
(※2) 淀川区「子どもの睡眠習慣改善支援事業」(大阪公立大学が調査を実施)より

人はなぜ疲れるのか?

疲労研究の第一線で活躍される、東京慈恵会医科大学 疲労医学講座 特任教授・近藤 一博先生によると、「人はなぜ疲れるのか?」という質問は、「人はなぜ痛みを感じるのか」という質問とよく似ているという。

疲労科学を専門とする近藤 一博先生

「疲れと痛み、どちらも『生体アラーム』と呼ばれる、我々に身体の危険を知らせてくれる仕組みです。

そもそも疲れは、体の細胞の活動が低下して十分に働けなくなった“状態”である『疲労』と、この『疲労』を脳が感じて、疲れたという“感覚”が生じる現象の『疲労感』とに分かれます。

生物は、細胞を使いすぎると、細胞が死んでしまうなどの不可逆的な現象がおきますので、その前に細胞が無理に働かないように活動を低下させます。これが『疲労』です。その際、脳に『疲労』を伝えることで『疲労感』を発生させ、疲れたから休みたいと、身体の無理な活動を避けるようにするのです」

つまり『疲労』と『疲労感』は、二つで一つ。どちらが欠けてもいけない。

ここで気をつけなければいけないのは、身体が「疲労」しているのに、勝手に「疲労感」が減少すれば「疲労」も減少すると勘違いしていること、と先生は続ける。

「疲れ対策に、サウナやエナジードリンクを取り入れる方もいると思います。でも、これらでは『疲労感』は抑制されますが、『疲労』は減少せず、むしろ増加してしまうのです。

この状態が危険なのは、身体が『疲労』していることが問題なのに、『疲労感』だけを抑制して、疲れがとれたと思い込んでしまうことです。サウナやエナジードリンクのほかに、カフェインの摂りすぎや仕事のやりがいも、行きすぎると過労死の原因にもなる可能性もあります」

では、忙しいけれど全く疲れを感じないというモンスターは要注意!??

「はい。たとえば『最近、仕事がうまくいっていて疲れを感じない』というのは、実は身体からの危険信号である可能性があることを、頭の片隅においていてください」

とはいえ「休み方」が分からない

きちんと疲れを感じなければ休めない。では、「休む」とは、どういった状態なのか? 忙しい現代人、休み方が分からないという声も聞く。

「先ほど申し上げた『疲労』を回復させ、『疲労感』を減少させる働きを『休み』といいます。

『疲労』に対しては、働きすぎた身体の細胞の活動を抑えることや、栄養素を与えること。『疲労感』の場合は、『疲労』を減少させることで『疲労感』を減少させるほかに、気分転換や自律神経を整えることで、過剰な『疲労感』をもとの正常な状態に戻します。

休み方が分からないという方は、いま感じている疲れが、『疲労』が主なのか『疲労感』が主なのか?  細胞の働きすぎなのか、栄養素不足なのか?  過剰な『疲労感』をもたらしているのは何か?  などという疲れの原因を知って、原因に合わせた対策をとることが重要です」

疲れを知って、休み上手になろう

そこでこの夏、出かけていただきたいのが、東京・江東区にある「日本科学未来館」である。

森羅万象を科学する同館では、2025年7月16日(水)~9月15日(月・祝)、近藤 一博先生監修のもと、「疲労」を科学的に紐解く特別企画「ツカレからの脱出~疲れとやすみのサイエンス」が開催される。

本企画を担当する科学コミュニケーターの桂佑さんに、見どころを伺った。

「大切なことは、疲れにまず気づくことです。本企画では、最新の疲労科学の成果に基づき、『疲労』と『休み』をセットで紹介しています。

また、ご自宅ではできないような、『日本科学未来館』ならではの新たな休み方体験もご用意しています。

上:デジタル森林浴「uralaa (うらら)」提供:フォレストデジタル株式会社 、下:呼吸するようなクッション「Fufuly(ふふりー)」提供:Yukai Engineering Inc

中には、一見すると『休みにつながるのだろうか?』と思われるようなものもあるのですが、休み方は人それぞれ。同じ人でも、肉体疲労か精神疲労か、場面やタイミングでも、最適な休み方は違います。実際に体験・体感していただくことで、自分らしい休み方を選び取れるようになるはずです。

疲労にお悩みの方はもちろん、よく働き、よく遊び、人生を楽しんでいる、もっと頑張りたい方々に寄り添う展示になっていると思います。お子さまからご年配の方まで、どなたでも楽しめる内容です。どうぞお越しください」

なお、会期中には、特別イベントも開催予定だ。

眠りを持ち運ぶ「ZZZN SLEEP APPAREL SYSTEM」提供:株式会社NTT DXパートナー / 株式会社Konel

十人十色の「疲れ」と「休み」。その正体を知り、バリエーション豊かな癒やしグッズを体験しながら、自分にぴったりの「休み」を探してみよう。思いもよらない回復法と出会えるかもしれないぞ!

ツカレからの脱出~疲れとやすみのサイエンス

ツカレからの脱出~疲れとやすみのサイエンス
開催期間:2025年7月16日(水)~9月15日(月・祝)
※9月2日(火)、9月9日(火)は休館
会場:日本科学未来館 1階 シンボルゾーン
費用:無料 ※常設展、特別展やドームシアターの鑑賞は有料

文/ニイミユカ

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