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豪州育ちの声優・内田秀さんが明かす、苦手意識をバネにした日本語猛勉強の日々

2025.06.25

【『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』出版記念インタビュー企画】Vol.1・日本語を猛勉強できた選択科目制の授業

3月21日に小社より発行した『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』では、制服のことだけでなく、各校の指導方針や年間行事についても紹介している。クラスごとに授業を受け、大学受験に向けて塾に通うなど、日本では当たり前のような中学校・高等学校の生活は、海外で育った人の目にどう映っているのだろうか。2歳から18歳までオーストラリア・シドニーで過ごした声優・内田秀さんに、中学校・高等学校にまつわる日豪の様々な違いについて話を伺った。

声優・内田秀さん
18歳で来日して声優養成所を卒業後、2016年に育成シミュレーションゲーム『艦隊これくしょん-艦これ-』(ウォ―スパイト役ほか)、2017年にアニメ『アリスと蔵六』(クレオ役ほか)の出演を経て、2020年からは『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』のゲームやアニメにてミア・テイラー役を演じている。そのほかの出演作は、アニメ『HIGHSPEED Étoile』(九頭竜明莉役ほか)、アニメ『やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中』(ジル・サーヴェル役)、アプリ『ヘブンバーンズレッド』 (七瀬七海役)、アプリ『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』(時女静香役)など。

オーストラリアでは高校の頃から本当に学びたいことだけに集中できる

――内田さんはオーストラリアでどのような中学校・高等学校に通っていたのでしょうか?

内田 中学と高校がいっしょで、高校へ進学する際の試験はありませんでした。日本では中学3年に当たる〝9学年〟から選択科目制になり、必須科目以外に加えて2~3科目を選択できるようになるんです。ダンス、演劇、音楽といった芸術関係、化学や物理といった理系、言語を学ぶ科目もありましたね。さらに日本では高校の2年と3年に当たる〝11学年〟と〝12学年〟になれば英語と数学を除いて、そのほかは全部自分の好きな科目を選べます。

――日本における大学の受講スタイルに近いかもしれません。

内田 そうですね。各科目には、いくつかの難易度別のクラスが用意されていて。自分の興味関心やレベルに合わせて科目を自由に選べるし、本当に学びたいことに集中できるようになっています。

――内田さんはどんな科目を選択しました?

内田 音楽を学びたかったんですけど……化学や物理を泣く泣く選びました。

――〝本当に学びたいこと〟ではないのに!?

内田 理系の科目を選択したほうが、日本でいうところの〝内申点〟が高く付くので、仮にテストでいい点が取れなくても学年内の順位が上がりやすい仕組みになっていたんです。〝10学年〟(日本でいう高校1年生)以降の学内順位で、入れる大学が変わってくることもあって、しかも私の親が勉強に厳しかったことから〝内申点〟が低くなる芸術系の科目は選べませんでした(苦笑)。

――それでは勉強に対するモチベーションが、なかなか上がらなかったのでは!?

内田 〝内申点〟がそんなに低くなくて学びたい科目として、日本語を選択できたのは自分にとって大きかったと思います。その頃から日本で声優になりたかったので〝1番高いレベルの日本語のクラスに入れてください!〟と学校側に直談判したら、聞き入れてもらえました。

――1番上のクラスということは、その頃から日本語が上手だったのですか?

内田 実はそうでもなく……。兄妹間では英語が入り混じりながら日本語を話す程度で、日本語を絶対に話さないといけない家庭でもない〝ゆるゆるな環境〟でしたから。

――そのような日本語の習熟度で〝1番高いレベル〟の授業についていくのは厳しそう。

内田 本当に大変でした(苦笑)。〝1番高いレベル〟には、中学校まで日本にいて、親の仕事の関係などで高校からオーストラリアに来た生徒ばかり。日本語の作文の書き方もわかっているし。ディベートの授業なんて、みんな流暢に日本語を話すのに、私は全然しゃべれない。話そうと思ったことでも、なかなか日本語が出てきませんでした。正直に言って、クラスの中で〝最弱〟でしたね(笑)。

――それだけ〝1番高いレベル〟で日本語を学び、日本で声優の仕事をやりたかったということですね。

内田 そうですね。〝1番高いレベル〟のクラスにいたことが、すごくいい刺激になりました。みんなに追いつこうと、日本語をいっぱい勉強しましたし。それに、同じクラスの生徒たちは日本語を上手に話せても英語はそんなに得意じゃないから、英語のことを日本語で話さないといけないことも多くて。今こうして日本語を話せているのは、当時〝厳しい環境〟に身を置いたからこそだと思っています。

日本のアニメや漫画を見て憧れた日本の中学・高校ならではのカルチャー

――日本の文化はオーストラリアでどのように受け入れられていたのでしょうか。

内田 英語に吹き替えされた日本のアニメは、子供の頃からテレビで放送されていました。特に中学・高校の頃には日本ブームが到来して、お寿司を食べる人も増えましたし、日本のアニメもより多くの人たちに見られるようになった印象です。

――内田さんは日本のどんなアニメや漫画が好きでした?

内田 好きなジャンルでいえば『ハイキュー!!』のような部活系! 少女漫画なら、咲坂伊緒先生の『アオハライド』や『ストロボエッジ』をすごく読んでいたのを覚えています。オーストラリアにも、日本の紀伊国屋書店があって、英語に訳されていない日本語版を買っていました。

――先ほどの話だと、読み方が難しかったり、言葉の意味がわからなかったりする日本語も多かったのでは?

内田 そうなんです。特にアニメや漫画は独特の言い回しとかがあるじゃないですか。「この漢字、何て読むんだろう?」と思って、国語辞典で調べることもしていました。そのようにして見たり読んだりしていた日本のアニメや少女漫画を通じて、日本の学校の文化を知ることも多かったです。日本の学校は気軽に屋上へ行けるとか。そこには不良の生徒がいるとか。プール掃除を生徒がするとか。

――でも、それってアニメや漫画だけの話ということも多いですよね。

内田 屋上に行くのもプールの掃除もメッチャ憧れていたのに、日本に来てから「そういうのないよ」って、いろんな人に言われました(笑)。

――ほかにも、日本の学校の文化に憧れを抱いたことなどはありますか?

内田 アニメや漫画にもよく描かれる学園祭ですね。オーストラリアでは学年やクラスで何かを作り上げるみたいな行事がなくて。授業が終わったら部活に入っていないとすぐに帰りますし。個人的な感想としては、わりと淡々としている感じがしました。選択科目制になると、ひとつのクラスを受け持つ〝担任の先生〟もいませんからね。日本の場合は、同じクラスの先生も生徒もいっしょになって取り組むことで、みんながすごく仲良くなりそうだなって思っていました。

――日本とは異なるオーストラリアの選択科目制の学校についてよくわかりました。ありがとうございました! Vol.2では、日本のように塾に通うことがあまりない、放課後の過ごし方などについてお聞きします!

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日本とオーストラリアの違いについて紹介している、内田さんの動画もチェックしてみてください。

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日本の小学校について!Part.2【豪州育ちの声優】

撮影/関口佳代 スタイリング/もりやゆり ヘアメイク/更井朝海
取材・文・編集/田尻健二郎

『イラストでたどる女子高生制服100年図鑑』好評発売中!

大正時代から令和時代まで、100年あまりに及ぶ学生服の変遷をたどる書籍「女子高生制服100年図鑑」が発売中。全国42校を例に挙げながら、イラストおよび写真で紹介している。制服のイラストは、書籍・広告のほか『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』といったアニメのEDイラストなども手がけてきたイラストレーターめばちさんが、計129点を本書のために描き下ろし。めばちさん特有のふんわりとしたやさしいタッチの絵で、制服の歴史をたどる構成も話題。

学校および制服の選定には、170年の歴史を誇る老舗学生服メーカー菅公学生服に協力を仰ぎ、制服研究の第一人者として知られている森伸之氏による監修のもと、新旧105着の制服を紹介している。

■関連情報
https://www.shogakukan.co.jp/books/09311585

■公式Instagram
https://www.instagram.com/100years_school_girl_uniform/

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