
株主優待を使い映画を見たりレストランを利用したりして楽しむ「てじお(@tejiharu)さん」の配当金・分配金は、なんと年間600万円超。@ DIME読者にもきっと刺さる「自分年金」の作りかたを聞いたところ、配当金目的の銘柄、そして、株主優待銘柄の選びかたの違いまで親切丁寧に教えてくれました。
東京在住「配当金・分配金で年間600万円超」の50代男性、てじおさんにインタビュー!
――前にXのポストで見た年間の配当金・分配金額に驚きました。
あ、これですよね。
――年間639万円、すごいですね。しかも日本株式と米国株式を上手に組み合わせされているから、月々コンスタントに配当金(分配金)をもらっているのがわかります(日本株では3月9月の権利が多く、結果として6月や12月に受け取れる配当金・分配金が多くなりがち)。
日本株は個別銘柄で、米国株式と書いてあるのは米国ETFです。米国個別株は持っていません。バランスを取ってポートフォリオを作っています。
日本株では、配当目的だと日本エスコン(8892)や矢作建設工業(1870)を保有していて、日本エスコンはかなり昔から。私は、株価分析では数字の羅列はあまり見なくて、視覚的にわかりやすい棒グラフで見て、過去からの1株当たり配当金推移はチェックすることが多いですね。
スマホからだとこのように配当金推移を見ることができて、配当金が右肩上がりかどうかわかります(配当利回りは4.93%で、1株当たり配当金の推移でも累進配当で配当金額が減配していないことがわかる)。また、売上高や営業利益、経常利益もグラフで見ています。ここで、でこぼこしたグラフはあまりよくないという判断です。
業績が右肩上がりかどうかをチェックして、直近の配当利回りだけでなくて過去の配当利回りも見ていくとよいと思っています。
TOBがあると買付余力ができるので、余力がある時にスクリーニングをしていい銘柄はないかと考えることが多いですね。
株主優待も楽しみつつ配当金や分配金ももらう
――てじおさんのイメージは映画優待の松竹(9601)、セレブな外食を楽しむバルニバービ(3418)のイメージで、銘柄選びのセンスのよさに定評があります。「投資基準」を伺いたいです!
ははは(笑)。実は、株主優待目的の銘柄では直感で買ってしまうことが多いんですよ。その優待が欲しいか、欲しくないかだけですね。
――え?直感なんですか?
実は、株主優待狙いの銘柄を保有するのは前の会社を辞めてからで、優待を使う時間もできたので増えてきたんです。前はスポーツクラブのルネサンス(2378)も持っていました。その時の生活スタイルに合わせて株主優待銘柄も入れ替えています。
もともと、よく来店しているレストランに株主優待があるなら新しく株を買ったりして。ふだんから利用しているサービスの延長線上に株主優待があると嬉しいと感じます。
https://x.com/tejiharu/status/1929031604925771990
ワイズテーブルコーポレーションの株主優待でPIZZA SALVATORE CUOMO(ピッツァ サルヴァトーレ クオモ)へ。テラス席があるので愛犬とも来店できる。
――なるほど、「行きつけのレストランに株主優待があるなら買う」……メモメモ。
あと、株主優待の銘柄は、基本的に年2回届く条件に当てはまるものにしていますね。純粋に年に2度届くと嬉しいですし、年1回のものより株価が落ちにくい気がします。年1回の銘柄も持っていますが。銘柄選びでは家族の意向も大事にしていて、自社商品が届くものは家族が好まないから取らなかったりします。
あと、やはり、愛犬と一緒に行くことができるお店の株主優待はお気に入りですね。
https://x.com/tejiharu/status/1903294176562979072
バルニバービの株主優待が使えるGARB CENTRAL(ガーブ セントラル)でピザを注文。テラス席もある。
オフ会で教えてもらった銘柄を「いいね!」と思って買ったりすることもありますよ。今は70銘柄くらい保有しています。
@ DIME読者へのアドバイスは「バランス感覚を大切に」
――配当目的の銘柄、そして愛犬を含む家族が喜ぶ株主優待を持ち完璧なポートフォリオですね!@ DIME読者に“刺さりまくり”な気がします。「自分年金」を作りたい読者は真似したい人も多そうです!
難しいのは、株主優待の銘柄ばかりを増やすと資産や配当金はあまり増えていかないので、バランスを取ってポートフォリオを組むことです。
現在のポートフォリオでは、私の場合、3つに分けていて、(1)50銘柄が株主優待目的、(2) 20銘柄が増配や値上がり益を目的とする株、このほか、(3)毎月のキャッシュフロー目的に持っている銘柄(米国ETF)もあります。
昔は、(1)の株主優待銘柄ばかり買っていました(比率としては10:0:0)。この比率は変わっていって、今は2:2:6くらい。
ちょっとややこしいのですが、金額では株主優待目的の銘柄は、現在2割と少ないです。なぜかというと、増配や値上がり益を目的とする株や毎月の不労所得として米国ETFも取り入れているから。
ただし、米国ETFは毎月分配金がもらえる代わりに資産が目減りしてしまうこともあり、全部を米国ETFに投資するとかなりリスクがあると感じます。
30代~50代の人にアドバイスするとするなら、連続増配銘柄や累進配当銘柄の高配当銘柄も合わせてポートフォリオを組んでいく方がいいかな。
――確かに!私、過去にQYLD(毎月分配の海外ETF)を買ったまま放置していますが、かなりの含み損です……。
本音を言うと、若い人は毎月の入金力に加えて時間を味方につける「複利パワー」が一番です。再投資型の投資信託を買う、あるいはもらった配当金を再投資して持ち株数を上げるのがよいでしょう。
ただ、投資生活に楽しみがないと続かないものなので、それをいろどるものとして株主優待もあるべきかも。
連続増配株は、「配当管理」や「配当キング」のアプリで買い値からの 配当利回りが出ることがあり、私の保有銘柄では10%以上の銘柄もあります。
――すごく学びがあります。
資産形成をしたいのか、配当金や分配金を増やしたいのかでも、ポートフォリオの組みかたが違うんですよね。
定期的に自分のポートフォリオを組み替えているてじおさん。今回は、現在の配当金額や分配金額のほか、ポートフォリオの考え方を教えてくださいました。株主優待銘柄だけでなく、連続増配銘柄や米国ETFも取り入れていく手法はきっと読者にも参考になるはずです。
文/谷口久美子