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日本の「ふりかけ」に世界が注目!?新しいスパイスとして降臨したオランダの「Furikake」

2025.06.22

ある日、オランダ大手スーパーのチラシを見て驚いた。黒コショウやチリパウダー、ナシゴレンミックスなどのスパイス類が積み上げられた頂点に「Furikake」というものがあったのだ。

Furikake、つまりふりかけ。白いご飯のお供として愛される日本のソウルフード。これが今ヨーロッパのオランダで「新しいスパイス」として注目を浴びているらしい。

 問題のチラシがこちら。

オランダではアジアブーム

オランダは食に対して保守的と言われていたが、ここ数年は空前のアジア料理ブームだ。しかも自宅で作ってみようという人が増えている。専門店で食べる遠い国の料理から家でも試せる料理に変わってきている。

スーパーが配布する無料のレシピ集でもアジア特集号が。表紙は焼うどん。

そんな中「Furikake」は手軽にアジアっぽく仕上げてくれるアイテムとして人気が高まっている。ポケボウルと呼ばれるサーモンや野菜を乗せたどんぶりや、ラーメンなどの麵料理、そして焼いた肉や魚、サラダにもFurikakeをかけることでアジア料理の雰囲気が増す。日本でも「パクチーをのせればエスニック」みたいな感じかもしれない。このチラシの商品だけではなく複数のメーカーがFurikakeを販売しているようだ。せっかくなので比べてみよう。

売り場に並ぶ様々なFurikake

スパイスやハーブが並ぶ中に紛れ込むFurikake

スパイス売り場に行ってみると「タンドールマサラ」とか「トスカーナハーブ」とかに並んでFurikakeも陳列されていた。君ってそういう立ち位置だっけ?と微妙に困惑しながらも手に取る。他にも合計4種類のFurikakeをゲット。実はもう1種類あったがそれは売り切れだった。

今回購入したのはこの4種類

左から「ワサビゴマ」「フリカケ」「フリカケスパイスミックス」「ポケボウル」と呼ぼう。それぞれ原材料を見てみる。

・ワサビゴマ

原材料はゴマ、にんにく、マスタードシード、カイエンヌペッパー、塩、パプリカ、香料(ワサビ、ごま、ショウガ、ホースラディッシュ)、ワサビ(mierikswortel)。

mierikswortelってなんだろう・・・。調べてみるとmierikswortelとはホースラディッシュのことだった。

ホースラディッシュは、西洋わさびや山わさびともよばれる白っぽい根っこの植物。ローストビーフの薬味には欠かせない。日本でも粉わさびや練りわさびに混合品として使用されているので決して偽物というわけではないが、やっぱり日本のわさびではなかったかという印象。ちなみに日本の本わさびもホースラディッシュも同じアブラナ科の植物だが、ワサビ属とセイヨウワサビ属で分かれている。

・フリカケ

私が見た各種スパイスの頂点に立ってたのがこのフリカケだ。見た目はくすんで質素な感じ。見たところゴマが黒、茶色、白と3色ブレンドされている。そして大きめの海藻のようなものがある。乾燥わかめだ。改めて原材料を見てみると、炒りごま、ごま、ニゲラシード、コショウ、ショウガ、海藻、マッシュルーム、ローストガーリック、セイヨウワサビ香料。ニゲラシードって何だろう・・・。調べたところブラッククミンとも呼ばれるインド料理に使われるものらしい。黒ゴマだと思ったのはニゲラシードだった。単体で食べてみると、確かにクミンのような風味とナッツみたいな香ばしさがあって黒ゴマとは別物だった。

・フリカケスパイスミックス

これはスパイスコーナーではなくインスタント麺コーナーにあった。アオサが多いらしく緑がかっている。原材料は海藻、パン粉、炒りごま、ワサビパウダー(ホースラディッシュ、マスタードパウダー、日本ワサビ)植物油、酵母抽出物。

・ポケボウル

何か赤い小さい粒が入ってる。原材料は炒りごま、ごま、パースニップ、パプリカ、ローストガーリック、ポルチーニ茸、海藻、ショウガ、唐辛子。パースニップとは白ニンジンとも呼ばれる根菜で、ナッツのようなとも形容されるがちょっと独特の風味がある。

実際の味はどうなのか?

見た目は違和感がない。

見た感じはまさにふりかけご飯。ごまとアオサがかかっているだけで日本の風情がにじみでる。しかしいざ食べてみると・・・味がない。先ほど紹介した原材料には塩やうまみ成分といったものがあまり含まれていない。つまり味付け目的ではなく、あくまで風味や食感をよくするトッピング扱いだ。

公式サイトを見ると使い方例で「フライドポテトにも!」とあった。フライドポテトといえばオランダの国民食ともいえるソウルフード。オランダではフライドポテトはさまざまなディップと共に食べる。なので基本はうすい塩味のみだ。まずはFurikakeだけかけてみた。

山盛りポテトとFurikakeたち

それぞれトッピングして食べてみた。

物足りない。なによりFurikakeがポテトに絡まず落ちてしまう。オランダのフライドポテトのお供はマヨネーズが一般的なので、マヨネーズをかけたところにFurikakeてみた。

フライドポテト+マヨネーズ+Furikake

どのFurikakeでも、ゴマの風味がマヨとポテトに新しい風味を加えてくれる。そしてどれもワサビというよりショウガの辛さを感じる。でも何だろう、この「あともう一歩」という惜しい感じ。何かが欠けている気がする。

さっそく日本の中濃ソースもかけてみた

フライドポテトの新しい境地を開いてしまったかもしれない。ポテトのホクホクさと油のコクに、マヨネーズと中濃ソース、そしてFurikakeのショウガとアオサとゴマの風味がめちゃくちゃに合う。外国人に日本食をふるまう時に、焼きそばやお好み焼きといったソース味はよく好まれる間違いない味だとよく聞く。これは日本のソース会社のみなさんがヨーロッパで販売する際には、フライドポテト+マヨネーズ+ソースにFurikakeという新しい食べ方もぜひ提案してほしいと本気で思った。

日本とは似て異なるFurikake

日本語がそのまま使われているFurikakeだったが、やはり似て異なるものだった。しかし一振りでこれまでのヨーロッパの料理にない風味を手軽に与えてくれるのは確かだ。レシピサイトでは他にも、ポップコーンやアボカドディップと合わせるレシピも提案されていた。ヨーロッパで独自の進化を進み、食卓にほんのりアジアの風を吹かせるFurikake。既存のヨーロッパの様々な料理とのコラボを今後も期待してみたい。

文/福成海央
オランダ在住、ミュージアム好きの科学コミュニケーター。気になったらとりあえずなんでも調べるし、なんでも書く。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員

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