6年ぶりのアップデートとなったらくらくホンも登場
arrows Alphaと同時に発表されたのが、フィーチャーフォンのらくらくホン。2026年3月末で、ドコモの3G回線サービスが終了することもあり、6年ぶりに最新機種が登場した格好となる。
スマホへの買い替えが訴求されるタイミングではあるが、ボタン操作のわかりやすさなど、どうしても〝フィーチャーフォンではないとだめ〟というニーズもある。一方で、ヒンジやテンキー、交換式バッテリーなど、部位品点数が多く、構造が複雑なこともあり、フィーチャーフォンの開発は非常に難しいという側面もある。
FCNTとしては、「シニアの生活を豊かに」をコンセプトに、誰一人取り残さないデジタル社会の実現のため、フィーチャーフォンの開発を続けたという。責任というと重い表現になるが、これまでシニア世代に向けたデバイスを提供してきたFCNTの意地すら感じられる。
新しいらくらくホンは、テンキーの見やすい印字や、ディスプレイに表示されるフォントの微調節、年齢に合わせた色の調節などが行われている。電話の際には、本人だけでなく、話し相手にも聞こえやすいような調節も加えられる。
UIにもこだわられており、記憶力や学習能力の低下にも配慮したデザインを採用。操作に迷った人のためのサポート体制もしっかりと備えられている。
製品ラインアップを拡充し盤石となったFCNT
冒頭でも触れたとおり、上位モデル、フィーチャーフォンを加えることで、FCNTの端末ラインアップには、7機種が並ぶ。新体制でのスタートから、およそ1年半での再起には、FCNTの熱量を強く感じる。
コンセプトやターゲットユーザーがはっきりとしているらくらくホンに加え、幅広い層に〝刺さる〟可能性を感じるarrows Alphaが加わることで、arrowsというブランドが盤石の布陣になりつつある。よりカメラ機能にこだわったり、最上位チップセットを搭載する〝ウルトラハイエンド〟端末に関しては、次のステップという形になるが、arrows Alphaの完成度を見ると、今後の製品展開にも、期待が高まる。
取材・文/佐藤文彦