
6月9日は「サイバー防災の日」に制定されているが、AIの悪用などでフィッシング詐欺メールは増加し続けており、改めてサイバー防災について考える重要性は増している。フィッシング対策協議会の発表した『フィッシングレポート2025』によると、2024年に報告されたフィッシング詐欺メールの件数は約172万件で過去最多だった。LINEヤフーは、「サイバー防災の日」に合わせて2025年6月に実施したフィッシング詐欺に関するアンケートの結果を発表したが、それによると97%の人が「フィッシング詐欺」を認知していたという。やはり大きな社会問題になっているといえるだろう。
8割以上がフィッシングメールやSMSを受け取った経験あり
フィッシング詐欺とみられるメールやSMSを受け取ったことがあると回答した人は82%で、改めてフィッシングメールの多さを裏付ける結果になった。さらにフィッシングメール内のURLにアクセスしたことがあるかという質問では、13%がアクセス経験ありと答えており、巧妙化するフィッシングメールは本物かどうかを見抜くことは難しくなっており、誰もが引っかかってしまう可能性もあるのだ。直近では証券会社をかたるフィッシングメールが急増しているが、証券口座の乗っ取りや不正な株の売買といった深刻な金銭被害も報告されている。身に覚えのないURLやリンクは、アクセスしないことを徹底したほうがよいだろう。
いまだに48%がパスワードを使い回していると回答
一方で詐欺を防御するための重要な要素となるパスワードに関しても注目すべき結果があった。複数のサービスで同じパスワードを使っていると回答した人が48%もいたのだ。いまだに多くの人がパスワードを使い回していることも浮き彫りになった。顔や指紋などの生体認証によるパスキーや多要素承認などパスワードを使わないログイン方法の認知率は72%もある一方で、実際に使っている人は48%と半数以下という数字になった。
ちなみに今回の調査を行ったLINEヤフーは、安全にネットサービスを使うための3つのポイントを挙げている。
1)パスワードは使い回さない。
2)メールに書かれたURLにはアクセスせず、ブックマークした公式サイトや公式アプリからアクセスする。
3)多要素認証やパスキーを設定する。(パスキーは、顔や指紋などの生体情報などを使って各種ネットサービスなどにログインできる機能)
これらのポイントを守ってセキュリティ面のリスクを減らす行動は、ネットを利用する上で重要だ。6月9日の「サイバー防災の日」は、フィッシング詐欺などの犯罪から身を守るために各種ネットサービスやスマホアプリのアカウントの安全を再確認したり、インターネットを安全に使うための注意点を確認したりするのがいいのではないだろうか。
「フィッシング詐欺に関するアンケート」概要
実施日:2025年6月4日
調査対象:Yahoo!クラウドソーシングユーザーに対するインターネット調査
有効回答:1000人
https://www.lycorp.co.jp/ja/news/
『フィッシングレポート 2025』
https://www.antiphishing.jp/report/phishing_report_2025.pdf
構成/KUMU