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AI就活はどこまでありなのか?「エントリーシートをChatGPTで書いたら通った」の是非

2025.06.19

様々なアンケート調査によって、多くの大学生が就職活動に生成AIを活用していることが分かっている。本記事では就活生のAI活用術を紹介するとともに、そのリスクについても考えていきたい。

AI活用術その1:エントリーシート作成

まず、最もスタンダードな活用術がエントリーシート(ES)の作成にAIを用いるというテクニックだ。ESは就活の第一関門。面接に辿り着くために志望理由や学生時代に力を入れたことを記入する履歴書のようなものだ。このESは企業ごとに質問や文字数の制限が異なるため、使いまわしができない。つまり、エントリーするたびにイチから書かなければならないものなのだ。多忙な就活生にとってこれは大きな課題となる。

そんな時に便利なのがAIだ。就活生に話を聞いたところ、最も使われているAIが、OpenAI社のChatGPT。ES作成にChatGPTを使うことで、自分自身の手と頭を使う数倍の効率と質で仕上げることができるという。

例えば、「私は就活生です。メーカーを志望しています。エントリーシートに記入する『志望理由』を書いてください」という指示を与えてみると、このような答えが返ってくる。

この時点ですでにまとまった文章ではあるものの、やや味気なくAI臭い。ここから具体的な経験や志望動機を素材として与えることでAIの能力はさらに引き出せる。試しに以下のような指示を投げてみる。

すると、突如解像度がグッと上がり、いかにも「使えそうな」ものとなったのだ。

現役就活生に話を聞いたところ、書きたい要素を箇条書きで投げてまとまった文章にしてもらうためにAIを利用しているが、ゼロからAIに書かせることには不安感があるという意見が挙がった。また、志望度が高い企業のESは自分自身で書くが、それほど志望度が高くない企業の「とりあえずES」にはAIを用いて効率的にエントリーするというリアルな意見も集まった。そして結果としてAIを活用したESが通過することも多いということだった。

AI活用術その2:面接練習

次に、面接練習に生成AIを活用するケースを紹介したい。

就職活動における最大の難関とも言える面接。じっくりと対策をする必要があるにもかかわらず、どのようにすればよいのかイマイチ分からない。そこでもAIは役に立つ。ChatGPTには音声入力機能が搭載されているため、AIに面接官の役を演じてもらうことで実践的な練習ができる。さらに、「圧迫面接気味」や「フランクな感じ」といった雰囲気の指定も可能だ。

他にもAI面接練習アプリなるものが存在する。例えば、面接練習アプリ「steach」はスマホで自撮りのような形で質問に回答すると、AIが「笑顔」「声の大きさ」「伝わりやすさ」「話すスピード」「自信」「ボディランゲージ」の六項目からの評価を与えてくれる。

現役就活生に話を聞いたところ、対人での練習と比べると質的に敵わないものの、頭の中でイメトレするよりは効果的だという意見が挙がった。

学生のみならず、企業側も採用面接においてAIを活用し始めているようだ。選考の初期段階である第一面接では、面接官と学生との間の「相性」をできるだけ公平にするためにAIを用いる企業が増えている。これからの就活はAI抜きに考えられないものになっていくかもしれない。

AI就活のリスク

ここまで、AIの効果的な活用術を紹介してきた。一見、便利で革命的とも言えるAIだが、使い方を間違えるとむしろ逆効果となってしまう可能性がある。というのも、AIを使いこなすことはそれ自体が一つのテクニックであり、AIを使えば誰でも簡単に就活を有利に進められるという訳ではないのだ。

ES作成においては、ただ「志望理由を書いてください」と指示するだけでは、いかにもAIが作成した、悪い意味でお手本のような文章が出来上がってしまう。それを避けるために、具体的なエピソードや人間らしさを盛り込むようにプロンプトを書き、AIの真の能力を引き出す技術が必要となる。さらには、文章がAIによって生成されたものかを判定するAIチェッカーなるものも存在している。AIの文章をそのまま使うのではなく、あくまでヒントとして参考にすることが大切だろう。

さらに、面接練習においても、AIの質問は定番のものが多いため、実際の面接で変化球が投げられたときに対応できなくなってしまうかもしれない。面接練習の第一歩としてAIを使うのは大いに有効だが、対人での練習や変化球に対応する柔軟な姿勢を忘れないようにすべきだ。

今の時代、就職活動にAIを活用するのは当たり前。AIに飲み込まれないように注意しつつも、時代の変化に適応し便利なツールを最大限活用できる人材が企業の側からも求められるのではないだろうか。

 

取材・文/宮沢敬太

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