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「AIキー」を使って何ができる?デザイン、性能、AI機能の絶妙なバランスが魅力的なスマホ「motorola edge 60 pro」の実力

2025.06.23

ハイエンドスマホが20万円程度まで高額化する中、新たに激戦区になっているのが10万円前後のミッドハイモデルだ。チップセットの性能はハイエンドに匹敵する一方で、カメラなど一部の過剰な機能を削ることでこの価格を実現している機種が多い。モトローラが新たに送り出す「motorola edge 60 pro」も、そんなミドルハイの端末の1つだ。

この機種は、昨年発売された「motorola edge 50 pro」の後継機にあたる端末。カーブしたディスプレイを備えたデザイン的な特徴は継承しつつ、カメラは超広角や広角のセンサーが進化。AIを掛け合わせた機能も搭載されている。防水・防じん仕様はIP69に上がり、さらにMIL規格にも準拠することで耐久性を向上させた。バッテリー容量は1割増しの5000mAhになった。

スタイリッシュなデザインと機能性、さらにはコスパも兼ね備えたモトローラのmotorola edge 60 pro。ソフトバンク版は、edge 60s proとして発売される

 モトローラは、高機能モデルにAIを取り込んでおり、この機種は新たにAIキーを搭載。ダブルクリックや長押しで、同社の「Image Studio」や同社が提携する「Perplexity」を立ち上げることができる。また、アップデートでAI機能が進化することも予告されている。ほどよくバランスが取れて、AIへの対応も進んだedge 60 proだが、実際の使い勝手はどうか。発売に先立ち、本機をレビューした。

磨きがかかったデザイン、背面のソフトな手触りも評価

モトローラは、他社と比べてやや特殊な端末ラインナップを展開している。同社のプレミアムカテゴリーに位置づけられているのは、razrシリーズ。フィーチャーフォンの名機から取った名前からも分かるように、このシリーズはすべての機種が縦折りのフォルダブルスマホだ。その下に位置するのが、今回紹介するedgeシリーズになる。スペックではなく、形状でシリーズを構成していると言えるだろう。

モトローラは、プレミアムモデルをフォルダブルに統一している。写真は昨年発売されたmotorola razr 50

 見方を変えると、一般的なバータイプのスマホは、ミッドハイのedgeシリーズまでということになる。proがつくモデルは、その中でも特にスペックが高くなっており、24年のedge 50 proからこのクラスの端末が投入されている。チップセットこそメディアテックの「Dimensity 8350 Extreme」でミッドハイ向けだが、通常タイプのモトローラのスマホとしては、最上位モデルに近い位置づけになっているというわけだ。

ディスプレイの占める面積の広いスマホは、前面がどれも似通ってしまいがちだが、モトローラのedgeシリーズは個性的なカーブディスプレイで差別化を図っている。これまでは左右のみカーブしていたが、edge 60 proからは、これを上下にも拡大。やや長細い20:9のアスペクト比を採用しているため、スリムで手に持ちやすいのも特徴になっている。

ディスプレイの左右に加え、上下も緩やかにカーブしている

 ディスプレイがカーブしているため、それを支えるフレームは非常に細くなっている。スペック的には8.14mmで極端に薄いわけではないが、視覚的なスリムさが強調されたデザインと言えるだろう。背面はソフトな手触りのビーガンレザー素材になっており、ガラスが多い一般的なスマホとは一線を画している。こうした素材は落下時に割れてしまうリスクも大きく減らせるのがうれしい。

ディスプレイが側面まで続いていることもあり、フレームは非常に薄い

背面はレザー調のソフトな素材で、ガラスを使う一般的なスマホと差別化が図れている

 左右がカーブしていると、操作時に指の腹が当たってしまい、意図しない場所をタッチしてしまうことを心配する向きもあるが、少なくともedge 60 proを使っていた際には、特にストレスになるほどの誤操作はなかった。逆に、片手操作した際に指を上部に近づけやすいのはメリットになる。価格的には約8万円のミッドハイモデルだが、安っぽさは一切ないのがうれしい。

ハイエンドに近い性能、AIでカメラの仕上がりや使い勝手を向上

ミッドハイと言っても、処理能力は年々向上しており、edge 60 proに搭載されているDimensity 8350 Extremeはどちらかと言えばハイエンド寄り。操作感は非常によく、アプリなどの引っかかりはほとんど感じられない。メモリも12GB搭載されており、アプリとアプリの切り替えもスムーズだ。ベンチマークアプリでスコアを測定してみると、「Snapdragon 8 Gen 2」などを搭載した2年程度前のハイエンドモデルに近いことが分かる。

「Geekbench 6」で計測したスコア。2年程度前のハイエンドモデルに近い数値だ

 こうした処理能力の高さを生かし、edge 60 proはAI機能の「moto ai」を売りにしている。moto aiは、「Capture(撮影)」「Create(作成)」「Assist(補助)」の3分野に分かれており、現状では前2つが搭載されている。カメラでは、グループ写真で全員が目を開いた状態で保存してくれる機能や、ズーム、ポートレートモードの背景ボカシなどにAIが活用されている。

ポートレートモードは、画角を焦点距離で選択可能。より本格的な撮影を楽しめる

光学ズームは3倍だが、AI処理で最大50倍まで拡大できる。画像は粗くなるが、文字などは読めるクオリティ

 カメラ機能の中で、特に驚いたのが動画撮影の「水平ロック」だ。文字通り、本体の傾きによらず、水平を保ったまま動画を撮影してくれる機能だが、この機能がかなり強力。本体を、45度以上ぐるっと回転させるように無理やり動かしても、きちんと水平が保たれた動画を撮影できた。これなら、動きながら撮影したときのような多少の傾きぐらいは余裕で吸収できて実用的だ。

本体に思い切り角度をつけても、画面内の映像は水平で固定されている。処理はかなり強力だ

 カメラ機能自体も進化しており、「マルチスペクトル3-in-1光センサー」で、ホワイトバランスが正確。オートフォーカスの合わせも速い。また、このモデルから、超広角カメラが5000万画素に進化しており、画角の広い写真を精細に撮ることが可能。ダイナミックな写真を撮るのに向いた1台と言える。

超広角カメラのセンサーが5000万画素になり、画質が向上している

マクロ撮影の画質も向上した

 この超広角カメラは、仕様上、マクロカメラも兼ねている。接写の最短距離は3.5cmで、草木や料理などに近寄って撮影したい時に重宝する。超広角カメラが5000万画素になっているため、精細感がある写真に仕上がる。ミッドレンジモデルだと、“オマケ”のようなマクロカメラを搭載している機種もあるが、このモデルであれば本格的な撮影が可能だ。

AIキーでは何ができる? 今後のアップデートにも期待

左側面には、独立した「AIキー」が搭載されており、ここからモトローラのImage Studioや、同社が提携したAI検索のPerplexityを呼び出すことができる。Androidの場合、電源キーの長押しにはGeminiが割り当てられているため、それとは別にキーを搭載した格好だ。ハードウェアキーからAIを素早く呼び出せる仕様からも、同社がAIを売りにしていることが分かる。

電源キー、音量キーとは逆側の側面にAIキーを備える。位置的に、押し間違えがないのもうれしい

 ここに割り当てられるのはImage StudioとPerplexityの2つで、長押しと2回押しで使い分けることが可能。どちらをどちらにするかは、設定で変更できる。1つ目のImage Studioは、イラストを作成するモトローラ独自の生成AI。プロンプトや写真、手書きのラフスケッチを元にしたイラストを、AIに描かせることができる。

Image StudioとPerplexityの2つを割り当てることが可能だ

 例えば、以下は筆者の顔写真を元に生成したアバター。ちょっとリアルすぎる印象も受けたが、SNSなどのアイコンに顔写真を使いたくない時に役立ちそうだ。また、ラフスケッチでスマホの画像を描いてみたら、それをきれいなイラストに清書してくれた。ただ、そこまでイラストを描く機会が多いかというと、そうでもないだろう。その意味では、出番があるのは最初だけになりがちだ。

スケッチからスマホを描いてもらった

筆者の顔写真を元に作成したアバター

 一方で、「ステッカー」はメッセージで送受信する際に役に立つ(ただし、日本語だと適切なイラストができなかった)。また、スタイル同期という機能を使うと、服装などの写真から壁紙を作成してくれる。毎日のコーディネートに合わせてスマホまでイメージチェンジしたい時に活躍するはずだ。いずれもまだまだ粗削りな機能だが、“一発屋”になりがちなイラスト生成機能を、日常に取り入れやすくしている点は評価できる。

プロンプトからステッカーを作成できる

服装などの模様に合わせた壁紙を作成することも可能だ。画像は迷彩柄から作成した壁紙

 もう1つのPerplexityは、複数のAIモデルを選択できる検索サービス。グーグル検索とは異なり、キーワードベースだけでなく、文章での質問にも答えてくれる。無料版でも基本的な検索は可能だが、アップロードやPro Searchなどの高度な機能には回数制限がある。より使うには、有料のPerplexity Proに加入する必要があるが、こちらの料金は1年2万9500円。月額プランで2950円になる。各種サブスクと比べると高めに感じるかもしれない。

Perplexityを呼び出すこともできる。Perplexity Proに加入していれば、検索の制限がなくなる

 この金額が高いと感じたときにお勧めしたいのが、ソフトバンク。同社は、6月17日まで、ブランドを問わずPerplexityが1年間無料になっていた。残念ながら、1年無料キャンペーンは終了してしまったが、6月18日からは6カ月無料特典を提供する。月額料金が990円のLINEMOでもこれが適用されるのはおトク。edge 60 proは、ソフトバンク版として「motorola edge 60s pro」も用意されているため、Perplexityをフル活用したい人はそちらを検討してみてもいいだろう。

こうしたサービスを一発で呼び出せて便利なAIボタンだが、カスタマイズの幅が狭いのは残念。このボタンからChatGPTを呼び出したいという人もいれば、Claudeを呼び出したいという人もいるからだ。ドコモユーザーであれば、Perplexity同様複数のAIモデルを選択して検索などができるStella AIがahamoやドコモMAXなどの料金プランで11カ月間無料になるため、このアプリを入れておきたいのではないか。

また、単にアプリを呼び出すだけという現状は少々残念。秋ごろのアップデートで加わるという、Assist機能を使えば、通知の要約が可能になったり、録音した音声を要約してくれたり、スクリーンショットを簡単に呼び出せたりといったことが可能になる見込みだ。その意味で、現状のedge 60 proは、まだ進化の途上にあると言えるだろう。現状でもコスパのいいミッドハイモデルだが、AIに関しての真価が発揮されれば、さらに評価が上がりそうだ。

文/石野純也
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

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