
夏前のこの時期、天気予報などで話題にされることの多い「暑熱順化」。暑さに身体が慣れることを言うが、実は、このことばが広く使われはじめたのはごく最近のこと。気候変動による猛暑日の増加に伴い、本格的に暑くなる前に暑さに身体を慣らし、汗をかけるようになっておくことが熱中症予防に効果的として、厚労省やスポーツ庁、日本気象協会などが積極的な啓蒙活動を行っている。
ティップネスはこのほど、全国の18歳以上の男女600名を対象に、熱中症予防にも効果的とされる「暑熱順化」に関するアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
「暑熱順化」という言葉の認知は約3割と低い
「暑熱順化」ということばを聞いたこと・目にしたことがある人は約3割と、それほど高くない結果になった。
年代別にみると10代が16%と特に低く、60代以上は4割が「聞いたこと・目にしたことがある」と回答。年齢が高くなるほど認知が高まる傾向がある。年代による接触メディアの違いや、健康に対する当事者意識が影響している可能性が考えられる。
「暑熱順化」のことばを知っている人はその意味まで理解できている傾向だが、“知っている”と“意識している”は別
Q1で「聞いたこと・目にしたことがある」と回答した人の8割以上が「ことばの意味を知っている」と回答。ただし10代のみ、半数は「ことば自体は聞いたことがあっても意味は知らない」という結果だった。
また、Q2でことばの「意味を知っている」と回答した人に、夏前に汗をかける身体づくり(=暑熱順化)を意識しているかを聞いたところ、「意識している」と回答した人は約6割という結果に。知っているということと、意識しておこなうことの間には隔たりがあるようだ。
これまでに暑さで体調を崩した経験のある人は全体で約4割強
最後に、全員に対し暑さによる体調不良の経験を聞いたところ、「ある」と回答した人が60代以上を除き4割強。やはり熱中症への予防策は重要といえるだろう。
<調査概要>
調査期間:2025年5月23日/ 調査方法:インターネット調査/ 調査対象:全国の18歳~99歳の男女600人(10代から60代以上の各年代100人ずつ)
出典元:株式会社ティップネス
構成/こじへい