
少子高齢化の中で、家族の介護に関する問題や課題を抱えている人は少なくないはずだ。特に別居中の家族に対する連絡やコミュニケーション手段には、心の距離をどう保つかという側面もあるので悩んでいるひともいるだろう。シニアがデジタル活用してより良い生活を送るためのサービス『TQタブレット』を提供しているTQコネクトは、介護を必要とする別居中の親がいる60代から70代を対象とした「介護世帯のコミュニケーションに関する調査」を実施して、その結果を発表した。それによると親との連絡頻度の理想と現実のギャップや気軽に連絡を取れる仕組みを約6割が希望していることがわかったという。
遠距離介護では72.2%の人が連絡頻度に課題を感じる
介護中の親との連絡頻度の理想と現実のギャップを感じているかという質問では、41.5%が理想の頻度に達していないと回答。居住形態別では、遠距離介護中の人の72.2%が足りてないと回答しており、コミュニケーションへの課題感を感じている人が多いことがわかったという。
理想の連絡頻度は「週に1回以上」
介護中の親との理想的な連絡頻度については、「毎日」が10.0%、「週に4~6回程度」が6.0%、「週に2~3回程度」が16.5%、「週に1回程度」が19.5%だった。52.0%が「週に1回以上」を希望していることがわかったが、実際の連絡頻度は63.0%が「月に数回以下」と回答していた。半数以上が週に1回以上の頻度が理想だと思っているが、実際には週に1回以上連絡をとっているのは37.0%で理想と現実にギャップがあるようだ。施設に入居していると気軽に連絡しづらいという声や必要な買い物やデイサービスの予定の確認などが中心になるといった意見もみられたという。
コミュニケーション手段は「訪問」や「音声電話」が中心
主なコミュニケーション手段については、「訪問」(69.8%)と「音声電話」(42.6%)がメインだった。「LINEなどのメッセージアプリ」は9.5%で「ビデオ通話」が1.8%、「見守りカメラ・センサー」が0.6%とデジタルな手段は少数派だった。さらに親とのコミュニケーションで困った経験についての質問では、「同じことを何度も説明する必要があった」が41.0%でもっとも多かった。続いて「話がうまく伝わらなかった」が39.6%、「相手の体調や様子がわからず不安になった」が23.9%だった。
大切にしている配慮は顔を見て話すこと
親と話す時に気にしていることでは、「声だけでなく、なるべく顔を見て話す」(40.8%)、「体調や気分を気づかう」(37.9%)、「最後まで話を聞く」(27.2%)など思いやりを持って接するようにしていると思われる回答が多かったようだ。
約6割がいまより気軽に連絡を取れる仕組みを希望
気軽に連絡できる仕組みがあれば利用したいかという質問では、59.5%が使いたいと回答している。主な理由としては「介護施設に入居していて、なかなか面会できないため」や「携帯を持たせているが電話に出てくれないことがあるので、その他にどのように連絡が取れるのか興味があるから」などがあり、現状の環境や機器では連絡が取りづらいと不満に感じている人もいるようだ。
介
護を必要とする別居中の家族とのコミュニケーションには、課題が存在していると感じる人も多いことがわかった。理想の連絡頻度については「週に1回以上」と半数以上が答えているが、現実は約6割が「月に数回以下」の連絡頻度と回答しており、多くの介護世帯でコミュニケーション不足が生じているようだ。調査にもあった、主なコミュニケーション手段が直接訪問(約7割)や音声電話(約4割)に偏っていることに加えて、「話がうまく伝わらない」や「同じことを何度も説明する必要がある」といったコミュニケーションを取ることの負担や困難さといった要因もある。
別居中の家族との連絡には、テレビ電話などのデジタルツールの活用が有効だが、デジタルリテラシーや認知症による懸念が導入の障壁となっている側面もあるという。介護世帯の約6割がより気軽に連絡できる仕組みを求めているという回答もあったので、今後はデジタルツールの活用で家族や介護事業者の負担を軽減していくことを考えたほうがいいだろう。
■「介護世帯のコミュニケーションに関する調査」概要
調査対象:現在介護を必要とする親がいる60代から70代の方(同居中を除く)
調査方法:ウェブアンケート
調査日:2025年5月27日
有効回答数:200件
調査機関:Freeasy
※各回答項目の割合(%)は、端数処理の関係上、合計が100%にならない場合があります。
出典元:TQコネクト調べ
構成/KUMU