
6月3日、オンラインカジノを規制する「ギャンブル依存症対策基本法 改正案」が衆議院で可決された。今国会で成立する見込みだ。
整理すれば、これまで多方面から曖昧さが指摘されてきた「グレーゾーン」に終止符が打たれ、明確に「違法である」との位置づけになる。
もはや、「サーバーが海外にあるから違法ではない」という解釈は通用しなくなるということだ。
同法の是非や、オンラインカジノが違法かどうかの議論はさておき、これらを巡る最新の動向について、DIME読者の皆さんのようなビジネスパーソンとして知っておきたい情報として本記事をまとめた。
ギャンブル依存症対策基本法 改正案の主なポイント
賭博行為自体は刑法185条で禁止されている。が、オンラインでの賭博行為は、これまで法律上で明確に定義されているとはいえなかった。改正案では、これを明確に規制しているのが主なポイントである。
賭博の定義は明確に刑法には記載されていないが、 刑法に賭博の明確な定義はないものの、一般的に「偶然の勝敗によって財産上の利益の得喪を争うこと」と解されている。
ちなみに2018年10月に施行となったギャンブル依存症対策基本法では、競馬や競艇などの公営競技、パチンコホールなどの事業者が規制の対象だった。
当時はまだ、ネット上での違法ギャンブル対策は社会問題化していなかったが、社会のデジタル化が進んだ今、現代ならではの対策強化として、規制の穴を埋める形に。
オンラインカジノの実態把握調査結果
出典:警察庁/令和6年度警察庁 オンラインカジノの実態把握のための調査研究の業務委託報告書
警察庁が発表した調査結果では、国内での利用経験者が約336.9万人と推定されている。
アンケート調査結果のうち、約4割が違法性の認識を持っておらず、年代別では、20代が最も違法性認識割合が低い。また、約6割が違法性を認識しつつもオンラインカジノでプレイしていると回答していた。
大阪で開発が進むIRリゾートでのカジノは良いのに……。何が違法で、何が適法?
オンラインカジノが明確に違法となる一方、同じ賭博行為であるにも関わらず、IR(統合型リゾート)でのカジノは、なぜ適法になるのだろうか。
これは、2018年に成立した「特定複合観光施設区域整備法(通称:IR整備法)」という特別な法律があるためだ。
この法律では、違法となる賭博行為に対して、国が厳しく管理・監督する場合に限り、例外的な許可がなされている。競馬や競艇などの公営競技が同じく許可されているのと同じ構造になっている。
「管理・監督」をキーワードに、IRカジノとオンラインカジノとの違いをみてみよう。
【IRカジノとオンラインカジノの比較表】