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なぜ、若者は中古車を選ぶのか?新車購入経験者が8割以上を占める日本で起きている変化

2025.06.17

大手メーカーの再建計画や日米の関税問題などで大きなニュースになることも多い自動車産業だが、複合的な条件が重なって市場の構造が大きく変化しようとしている状況といえるだろう。

リクルートの自動車市場に関する調査・研究機関『リクルート自動車総研』では、これまで経年で実施していた『中古車購入実態調査』の調査対象を新車購入検討者も含めたものに拡大して『自動車購入実態調査2024』として実施。その調査結果を発表したが、これまでよりも自動車購入についての消費者実態をより広く深く把握できる内容になっているという。

その調査によると新車購入経験者は全体の83.2%で中古車購入経験者の64.9%よりも多かったが、中古車購入経験がもっとも多い年代は29歳以下だったという。

『リクルート自動車総研』所長兼『カーセンサー』統括編集長の西村泰宏氏は、「日本が世界的に見て「新車大国」と言われる通り、8割以上の方が新車購入を経験済みで、中古車購入者経験者よりも高い割合であることが明らかとなりました。

一方で新車購入層は年齢が高くなるほど増える傾向にあるのに対し、中古車購入層は異なる動きを見せています。中古車の購入経験がもっとも多いのは29歳以下で、若い世代に中古車購入が受け入れられていることがわかる結果となりました」とコメントしている。若い世代が中古車市場をけん引していることが浮かび上がった。

新車の購入経験者は83.22%

新車購入の有無については、8割以上が経験していると回答。調査では、年代が上がるにつれて新車の購入経験割合が増加していくが、中古車購入経験がもっとも多い年代は29歳以下で、世代による中古車の受け入れ方の違いが見て取れる。新車購入を「経験したことはなく、今後も予定はない」という人も12.55%と1割以上も存在していた。

中古車の購入については64.99%が経験していたが、「経験したことはなく、今後も予定はない」と回答した人も31.00%と約3割が中古車購入を選択肢として考えていないようだ。

約3割が年式の古さや走行距離から車の買い替えを検討

車を購入しようと思った理由についての質問では、もっとも大きなきっかけとなったのが「前のクルマの年式の古さや走行距離の長さから、買い替え時期だと感じた」が32.88%でトップだった。新車購入者の場合は2位が16.4%で「車検の時期が近づいた」、中古車購入者の2位は「前のクルマが事故や故障などによって乗れなくなった」だった。

新車の購入を検討したが1年以内に購入しなかった理由とは?

新車購入を検討したにも関わず、1年以内に購入しなかったもっとも大きい理由は、新車検討者も中古車検討者も「クルマを探す方法がわからない・わからなかったから」という回答で22.44%だった。

新車検討者と中古車検討者の次点も同じで、「お目当てのクルマが見つからない・見つからなかったから」だった。特に「お目当てのクルマが見つからない・見つからなかったから」は、年代が上がるについて高くなる傾向もあったという。購入意欲があっても欲しい車を見つけることがハードルになっているケースが多そうだ。

車の購入先はメーカー系販売店(ディーラー)がトップ

直近で車を購入した人の購入先については、「メーカー系販売店(ディーラー)」が65.9%でトップだった。新車購入に限れば「メーカー系販売店(ディーラー)」は83.55%と8割以上を占めており、中古車購入でも「メーカー系販売店(ディーラー)」は38.77%でトップだった。次いで 「中古車専業店」が31.11%、「自動車修理工場」が14.11%と続いた。新車も中古車もディーラーをファーストチョイスにする人が多いようだ。

車の支払総額の平均は242.2万円

車の購入金額については、支払総額の平均で新車購入は298.2万円、中古車購入は156.4万で、ボリュームゾーンは、新車購入が「200~250 万円未満」(21.44%)、中古車購入では「50~100万円未満」(21.66%)だった。支払い方法についての質問では、直近の購入では「一括払い」が65.00%でトップだった。

それに「ローン」(20.33%)、「残価設定ローン」(11.33%)が続いた。新車購入者に限れば「ローン」と「残価設定ローン」がともに16.55%だったが、中古車購入者は「ローン」が26.00%、「残価設定ローン」は3.33%だった。

今回の調査結果を受けて、『リクルート自動車総研』所長兼『カーセンサー』統括編集長の西村泰宏氏は次のようにコメントしている。

「今回の調査から中古車購入経験者に留まらない新車購入者にも同様の項目で調査を拡大しました。クルマを購入するということには変わりませんが、新車購入検討者と中古車購入検討者で生じる細かい差を明らかにすることで、より中古車購入者の解像度を上げていきたいと考えました。

購入単価や頻度など若者のほうが中古車購入に意欲的であることは、ここ数年の中古車購入実態調査の考察でも述べてまいりました。こうした動きは「購入するなら新車を」というこれまでの価値観が、徐々に変化しつつあることをデータとしても明示する内容となっています。

新車は状態の良さや最新の技術、装備を求めて買い替えるもの、中古車は費用を抑えたりこだわりを反映させて購入するもの、とある程度のすみ分けがなされ始めているとも言い換えられるでしょう。

支払方法において大きく差が出たのは新車購入者の「残価設定ローン」の活用です。新車購入者の支払総額は中古車購入者に比べて倍近い約150万円の差があるものの、ローンにおける月々の支払い差は4000円程度と少なくなっており、購入の工夫が進むことで選択肢がより充実する可能性が示唆されています。

一方で、商品や選び方、買い方が複雑化する傾向もあります。クルマの購入を検討しながらも購入しなかった人のうち、約2割が「クルマを探す方法がわからなかった」と回答し、離脱要因にもなっていることがわかりました」

新車と中古車の両方の購入者をデータ化することで、「購入するなら新車」という価値観が若い世代を中心に変化していることが浮かびあがったようだ。一方で車の探し方や買い方が複雑化していることが購入意識の低下を招いていることもわかった。今後は販売チャンネルや支払い方法などのわかりやすさも車販売の大きなポイントになりそうだ。

「自動車購入実態調査2024」概要

調査目的:自動車購入者/検討者の意識や行動の把握
調査方法:インターネットによる調査
調査期間:一次調査は2024年8月19日~2024年9月3日、二次調査は2024年9月5日~2024年9月13日
調査対象:
一次調査/全国18~79歳の男女※沖縄県を除く(マクロミルの登録モニター)
二次調査/一次調査において「直近1年以内に中古車を購入した」「直近1年以内に新車を購入した」「1~3年以内に新車を購入し、1年以内のクルマ購入を検討した」「1~3年以内に新車を購入し、1年以内のクルマ購入を検討しなかった」 「1~3年以内に中古車を購入し、1年以内のクルマ購入を検討した」「1~3年以内に中古車を購入し、1年以内のクルマ購入を検討しなかった」「クルマを所有しておらず、1年以内にクルマ購入を検討した」と回答した人を抽出
回収数一次調査:20万0006件
※令和2年国勢調査に基づき、全国を性別2区分✕年代別5区分(29歳以下/30歳代/40歳代/50歳代/60歳以上)✕エリア10区分に割り付けて回収。

■全国10エリア

都道府県
1 北海道:北海道
2 東北:青森県・岩手県・宮城県・秋田県・山形県・福島県
3 北関東:茨城県・栃木県・群馬県
4 首都圏:埼玉県・千葉県・東京都・神奈川県
5 甲信越・北陸:新潟県・富山県・石川県・福井県・山梨県・長野県
6 東海:静岡県・岐阜県・愛知県・三重県
7 関西:滋賀県・京都府・大阪府・兵庫県・奈良県・和歌山県
8 中国:鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県
9 四国:徳島県・香川県・愛媛県・高知県
10 九州:福岡県・佐賀県・長崎県・大分県・熊本県・宮崎県・鹿児島県
※一次調査の回答者の中から一次調査の割り付けに加えて上記「調査対象(二次調査)」の区分で割り付けて回収。
調査実施機関:マクロミル
集計方法:
[一次調査]令和2年国勢調査の結果に基づき、性別2区分×年代別4区分(29歳以下/30歳代/40歳代/50歳以上)×
エリア10区分の構成比に合わせて、サンプル数を補正したウエイトバック集計。(60歳以上は調査回収難度が高く、集計に十分なサンプルを確保できない区分が発生したため、50歳代と合わせて区分してウエイトバック集計)
[二次調査]一次調査の区分に加え、一次調査で判明した上記「調査対象(二次調査)」の区分を加えた構成比に合わせて、サンプル数を補正したウエイトバック集計。
※回答の割合(%)は小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合がある。

出典:「自動車購入実態調査 2024」リクルート調べ

構成/KUMU

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