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水分補給のタイミングをコースターがお知らせ!〝水休憩〟を後押しするスマートデバイス「mizlog」開発秘話

2025.06.14

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

象印マホービン」とロボティクスベンチャーの「ユカイ工学」が共同開発を進めているのが、コースター型のスマートデバイス「mizlog(ミズログ)」。

mizlogは日々の生活において不足しがちな水分補給+休憩の“水休憩”をコンセプトに開発したスマートデバイスで、水分補給を忘れた場合にコースターが光って知らせることで、日々の水分摂取を自然にサポートする。

商品化に向けて、クラウドファンディング「kibidango」と「GREEN FUNDING」 にて8月6日まで、目標金額を達成しないと商品化することができない“All or Nothing形式”で実施している。支援が成立した場合、2026年4月頃より順次商品を発送する予定。

高齢者向けの服薬サポートから幅広い世代の水分補給へのデバイスに変化

mizlogは、手持ちのカップやタンブラーを置くだけで水分補給量を自動で記録。やさしい光で「飲みどき」を知らせ、水分補給しながら休憩するきっかけを提供する。

専用アプリとの連動により毎日の水分補給量を自動で記録できるほか、水を飲むほどアプリ内の植物が成長するなど、楽しく続けられる仕様になっている。

「熱中症対策としてはもちろん健康管理や美容の観点からも、日々の水分補給は重要です。象印が実施した調査によると、20~60代の1102名のうち約52%、2人に1人が水分補給を忘れがちであることがわかりました。加えて十分な休憩も取れていないという方は約35%、約3人に1人という結果になっています。

水分補給への意識はあっても、仕事や時間に追われる日々の中ではなかなか実践できていないのが調査結果から見て取れます。

mizlogはLEDの光で、水分補給をサポートするデバイスですが、ユニークな機能として、一人ではなくグループで飲水すればLEDで知らせる『グループ機能』があります。

家族や友人、仕事仲間などグループを組むことで、相手の方がそのコースターを使ったときに自分のコースターが離れたところにいても光るというような機能です。離れて暮らす家族や友人の存在を感じ、またお互いにしっかりと“水休憩”していることがわかるので、ゆるやかなつながりを感じることができます」(象印マホービン株式会社 新事業開発室室長 岩本雄平氏)

象印マホービンでは2001年より、電気ポットを活用した高齢者見守りサービス「みまもりほっとライン」を提供している。2019年にさらなる見守りの可能性を模索する中で、「高齢者の服薬をサポートできないか」と検討を開始したことが、mizlog開発のきっかけとなった。

mizlog開発に携わった、象印マホービン株式会社 マーケティング部 東京グループ 栗栖美和氏はこう話す。

「祖母にも『みまもりほっとライン』を使ってもらっていましたが、ヒントとなったのは祖母の『ポットを置いてくれてありがとう。一人で生活するのがとても心細かったので、毎日ポットを使っているだけで家族といるような安心感がある』という言葉でした。

当社が目指すべき見守りの形として、『子が親を見守る』という一方向ではなく、『親と子がお互いにゆるやかなつながりを感じる』という双方向コミュニケーションであることを再認識いたしました。

さらにユーザーやその家族、介護事業者など専門家の方々と対話する中で、服薬だけではなく、熱中症対策として水分補給を促す製品もあった方がいいのではと提案を受け、『水分補給の量やタイミングを親と子が互いに共有する』というコンセプトを作りました。

服薬や熱中症対策として重要となるこのコンセプトの具現化を進める中で、ロボティクスベンチャーであるユカイ工学へコンセプトを相談したところ共感いただき、共同開発することになりました」(栗栖氏)

「お互いにゆるやかなつながりを感じる」ことが重要だという方向性で進む中、共同開発を行うパートナーとして白羽の矢が立ったのが、ゆるさをうまく表現することを得意とするユカイ工学だった。

「ユカイ工学は家庭用のロボットを作っており、象印さんからお声がけをいただいたきっかけも、BOCCOという見守りをコンセプトにした小さなロボットでした。

見守りというとカメラを付けて監視するイメージもありますが、BOCCOの場合、カメラはあえて付けずに、人の出入りや温度センサーなど、カメラの代わりにいくつかのセンサーを装備することで、家族の様子がゆるくわかるということをコンセプトにしています。

mizlogについても、子どもと親で同じものを使い、その中でお互いの生活の気配みたいなものがわかるということをコンセプトに作っています。こちらのデザイン(下記画像)は初期の打ち合わせの段階で提案したものですが、象印さんが今まで作ってきた製品をみると、ユカイ工学の製品開発と共通するところがあると感じました」(ユカイ工学株式会社 デザイナー 水落裕氏)

「当初は高齢者を意識していた商品で、高齢者のお宅を拝見すると、お気に入りのマグカップがあることが多く、弊社が作っている水筒やタンブラーを使うデバイスという発想はありませんでした。また、水分補給を意識されている方ほど、大きいペットボトルを買っており、そういった方も使ってほしいとコースター型を考えました。

プロトタイプを自分たちでも試しているうちに、高齢者だけでなく、我々のような働く世代も使える幅広い年代をターゲットにした方がいいかもしれないと思うようになりました。

熱中症対策を研究されている専門家の方々にもご意見を伺い、こまめに水分補給をすることが重要だと知りました。同じ1リットルを飲むとしても、一気に飲むのと少しずつ飲むことでは効果が異なるということです。

のどが渇く前に水分補給するのがよいということは広く知られていますが、実際に水分を摂取して水分が体に浸透するまでに20分近くかかるそうです。のどが乾いたと感じる前に、少しずつの水分補給をこまめに行うのが大切と改めてわかったことから、mizlogについては、水分補給をこまめに、忘れがちなところもフォローして作っていくという方向性になりました」(栗栖氏)

mizlog開発プロジェクトとして、LINE公式アカウントやSNSを通じて開発の進捗を報告していくとのこと。また、日常に「水休憩」を取り入れるきっかけ作りができるコンテンツも展開、独自調査による水分補給と休息に関する情報提供、1日8回の水分補給リマインド、自分の水分補給傾向がわかる「mizlog診断」などを順次展開する予定。商品化が決定すれば、有料のプレミアム機能の導入も検討しているという。

【AJの読み】リマインドだけでなく、1日に飲む量の目安も教えてくれるデバイス

mizlogはコースター型なので、オフィスのデスクや在宅ワーク中の作業スペース、リビングテーブルなどに置くことから、視界に入りやすく、無理なく水分補給のきっかけをつくることもできる。軽量でコンパクトなので、旅先や出張先に持参できるので便利。

当初は高齢者向けに開発されたものだが、開発が進むにつれ、仕事や子育てで水分補給を忘れがちな若い世代をターゲットに据えた。自分のことを考える時間もなかった産休中は水分補給もおろそかになったと、栗栖氏は自身の体験も交えて、水休憩のタイミングを知らせてくれるmizlogのありがたさを語った。

また、ユカイ工学の水落氏は、「遅い時間にグループの仲間から水分補給した知らせを受けたことがあり、翌朝出社したとき『昨日は遅い時間までがんばっていましたね』と、コミュニケーションのきっかけにもなりました。グループ機能は思った以上にお互いのつながりを感じることができます」と話す。

mizlogは飲水リマインドだけでなく、1日あたりのおすすめ飲水量を自動計算してくれて達成度も表示するので、1日どのくらい水分を摂ればいいのかわからないという人にも便利。

現在は、クラウドファンディングにて支援受付中なので、割引価格で手に入れたい人は要チェック。

取材・文/阿部純子

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