
価格が高騰しているといわれる東京都心の中古マンション市場。では、具体的にどのエリアの価格上昇が特に突出しているのだろうか?
マンションリサーチはこのほど、東京都心のマンション価格を調査した結果をまとめた「再開発エリアが熱い!東京都心のマンション価格上昇の理由とは」と題したレポートを公開した。
キーワードは再開発
調査の結果、価格上昇の中心になっているのは、東京都心の中でも再開発が進んでいるエリアであることがわかった。
たとえば、品川・高輪ゲートウェイ・渋谷・新宿などでは、大規模な再開発プロジェクトが進行中だ。新しい商業施設ができたり、駅がリニューアルされたり、街がどんどん生まれ変わっている。
表1:エリア別総合評価
【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
そんなエリアでは、実際に10%以上も中古マンション価格が上がったというデータも出ている。
特に港区高輪では、調査対象となった64棟のうち、なんと55棟が価格上昇。再開発がそのエリアの資産価値を押し上げていることがうかがえ、まさに「アツい」エリアだ。
いま注目すべき3大エリアはここ
■東京都23区エリアの評価
図1:東京都23区エリア別評価プロット地図
【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
まず、図1をみると、皇居より南側のエリアに評価Aが集中しており、都心南部のエリアで上昇傾向が顕著であることがわかる。たとえば、再開発の目玉「高輪ゲートウェイ駅」を中心に、商業施設やインフラがどんどん充実。新幹線アクセスも良好で、今後も地価・マンション価格ともに上昇が期待される。
では、さらに具体的にどんな場所が「今アツい」のか、見ていく。
1. 品川広域エリア
図2:品川広域圏評価プロット地図
【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
品川広域圏は、交通の便が大幅に改善され、商業施設の増加も相まって価格が上昇している。
図2の品川駅周辺では、大規模な再開発が進んでおり、今後の高層オフィスやマンション需要の増加が予測されている。このエリアは、アクセスの良さから多くの投資家や居住者にとって魅力的な場所となっている。
2. 湾岸エリア(晴海・豊洲・有明など)
図3:湾岸エリア評価プロット地図
【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
東京都心の臨海部を中心に再開発と新たなインフラ整備が進んでおり、リバーサイドに建つ高層マンション群が人気を集めている。晴海や豊洲、有明などのエリアは、住環境が改善され、将来的な資産価値の上昇が期待されている。国家戦略特区にも指定されており、国際的なビジネス拠点としてや、将来の資産価値にも期待が持てる。
3. 渋谷駅周辺
図4:渋谷駅周辺評価プロット地図
【出典:マンションリサーチ株式会社 福嶋総研】
「100年に一度」と言われる超大型再開発が現在進行していて大きな注目を集めている。
新しい商業施設やオフィスビルの建設が進み、これまで「渋谷ヒカリエ」「渋谷ストリーム」「渋谷スクランブルスクエア東棟」「渋谷サクラステージ」「渋谷アクシュ」が開業した。さらに、2027年には「渋谷スクランブルスクエア中央棟・西棟」の完成が予定されていることからわかるように、渋谷の街自体がさらに変貌を遂げる予定だ。
■逆に今狙い目なのは?
東京都23区以外、たとえば都下や神奈川・埼玉・千葉といった周辺エリアでは、価格は横ばい傾向。「駅から近い」「再開発の波が届いていない」といった条件をうまく探せば、掘り出し物に出会えるチャンスもあるかもしれない。
出典元:マンションリサーチ株式会社
構成/こじへい