
投資の世界は奥深い。そのため投資信託(ファンド)経験者の中には、たとえそれなりの経験年数があろうとも「自分はまだまだ投資に詳しくない」と考えている人も多いのではないだろうか?
ベイビュー・アセット・マネジメントはこのほど、全国の投資信託経験者(以後、「投資経験者」)20~60代の男女1,000人を対象に「投資運用に関する市場の意識調査」を実施し、その結果を発表した。
投資経験者のうち、約半数が投資歴10年以上、一方で、投資に詳しくないと感じている人は7割以上
投資経験者の投資歴は「20年以上(29.5%)」が最も多く、次いで「10~20年未満(18.8%)」となった。「20年以上」と「10~20年未満」を合わせると、約半数(48.3%)が投資歴10年以上であることが明らかになった。
一方で、「自分は投資に詳しい」と感じるかという質問については、「あまり感じない(51.2%)」が最も多く、次いで「全く感じない(22.2%)」と、7割以上が自身は投資に詳しくないと感じているという結果となった。
また、日本人が投資を控え現金・預金に多くの資産を当てる理由としては、「現金・預金は安全性が高い(リスクが少ない)と感じるから(62.0%)」「投資に関する知識が少ないから(57.6%)」が多く、預金への信頼度が高く、投資にハードルを感じる傾向にあることが読み取れる。
・あなたは、いつから投資を始めましたか。(単一回答)(n=1,000)
・あなたは、「自分は投資に詳しい」と感じますか。(単一回答)(n=1,000)
・日本では、欧米と比較して現金・預金の比率が高いと言われています。日本人が投資を控え現金・預金に多くの資産を当てる理由として、当てはまると思うものをすべて選んでください。(複数回答可)(n=1,000)
「販売会社」と「運用会社」があることを知っている人は7割以上いる一方で、両者の違いを正しく理解している人や運用会社から投資信託を購入できると知っている人は約半数
投資信託を購入した場所は「証券会社(46.6%)」に次いで「オンライン証券会社(43.7%)」が多い一方で、運用会社での利用率は5.5%にとどまっており、大多数の投資経験者が証券会社または銀行で投資信託を購入していることが明らかになった。
また、投資信託の販売を行う「販売会社」と、投資信託の運用を行う「運用会社」があることを知っていた人は72.5%と、7割を超える人が運用会社の存在について知っているものの、「販売会社」と「運用会社」の役割の違いを「理解している(53.4%)」人や、「販売会社」を介さずに、「運用会社」から投資信託を直接購入できることもあると「知っている(48.7%)」人は約半数にとどまっていることが明らかになった。
「運用会社」から投資信託を直接購入することを知っていても利用したことがない理由としては、「現在の購入方法で満足している(39.8%)」が最も多く、「信頼性に不安がある(26.1%)」や「手続きが面倒に思える(26.1%)」といった回答もあり、証券会社のサービスに満足する声や、運用会社に対して漠然とした懸念を感じる投資家がいることが読み取れる。
・投資信託をどこで購入しましたか、当てはまるものをすべて選んでください。(複数回答可)(n=1,000)
・投資信託の販売を行う「販売会社」と、投資信託の運用を行う「運用会社」があることを知っていましたか。(単一回答)(n=1,000)
・投資信託における「販売会社」と「運用会社」の役割の違いをどの程度理解していると思いますか。(単一回答)(n=1,000)
・「販売会社」を介さずに、「運用会社」から投資信託を直接購入できることもあると知っていますか。(単一回答)(n=1,000)
・「運用会社」から投資信託を直接購入することを知っていても、利用したことがない理由をすべて選んでください。(複数回答可)(n=349)
投資経験者が購入時に最も重視するのはリターンやリスクなどの運用実績
現在購入している(したことがある)投資信託を選んだ理由については、「運用実績に魅力を感じた(39.7%)」が最も多く、「有名な商品だった(31.3%)」や「ランキング上位だった(28.7%)」を上回る結果となった。
投資信託を選ぶ際に最も求めるポイントについても、「過去の運用実績(38.3%)」が最も多く、次いで「リスクの低さ(33.6%)」となっており、7割以上の投資家が投資信託の購入時にリターンやリスクといった実績を最重要視されていることが明らかになった。
一方で、現在購入している(したことがある)投資信託の運用実績について「理解していない」と回答した人は37.3%で、約4割の人は投資信託の購入後であっても実績を気にしないことがわかった。
・現在購入している(したことがある)投資信託を選んだ理由について、当てはまるものをすべて選んでください。(複数回答可)(n=1,000)
・投資信託を選ぶ際に求めるポイントについて、最も求めるポイントを1つ教えてください。(単一回答)(n=1,000)
・現在購入している(したことがある)投資信託の運用実績をどの程度理解していると思いますか。(単一回答)(n=1,000)
投資信託のコスト構造を完全に理解している人は約3割
投資信託のコスト構造について「販売手数料」と「信託報酬」があることを理解している人は8割以上(80.5%)いるのに対し、信託報酬が「販売会社」「委託会社(運用会社)」「受託会社(信託銀行)」の3社から発生していることを知っているのは約半数(50.4%)、また、信託報酬に占める「販売会社」の割合は約半数を占めていることを理解している人は約3割(31.7%)であり、信託報酬のコスト構造について概要を理解していても、より詳細を理解している人の割合は少ないという結果となった。
さらに、投資に関する不安や懸念については、「元本割れのリスク(71.1%)」が最も多く、次いで「自身の知識不足(45.2%)」と、ここでも日本の投資家の預金への信頼度の高さや投資知識への自信の低さがうかがえる結果が明らかになった。
・投資信託のコストに関する自身の理解として、それぞれ当てはまるものを教えてください。(単一回答)(n=1,000)
・投資に関して、どのような不安や懸念がありますか。当てはまるものをすべて選んでください。(複数回答可)(n=1,000)
<「投資運用に関する市場の意識調査」概要>
調 査 対 象:投資信託(ファンド)経験者20~60代の男女/全国
サンプル数:1,000人
集 計 期 間:2025年2月24日(月)~2月26日(水)
調 査 方 法:インターネット調査
構成/こじへい