
多くの人に日々の移動手段として活用される自転車。2023年4月からはヘルメット着用が努力義務化したが、実際のところ、どれくらいの人が実際に装着しているのだろうか。また、自転車事故のニュースが少なからず報じられている中、「自転車保険」に加入している人の割合は?
共栄火災海上保険はこのほど、全国から20歳以上の1,065名を対象に「自転車の利用実態と安全運転に関する意識調査」を実施し、その結果を発表した。
自転車の利用実態
■「電動アシスト車」利用の目的は「坂道での運転補助」が過半数
電動アシスト車を利用した理由で最も多かったのは「坂道などの運転の補助」(55.8%)で、年々増加傾向にあった。年代別では、30代の36.0%が「子どもの送迎」をきっかけとして挙げており、全年代の中で最も高い割合となった。この結果から、子育て世代の30代が子どもを送迎する際に、電動アシスト車を活用している状況がうかがえる。
電動アシスト車をご利用になられたきっかけは何ですか?
■年代別の利用頻度では、20代が突出
自転車を利用する頻度を見ると、自転車を週3~5回以上利用している人のうち、最も多かったのは20代で76.0%と突出していた。また、20代の自転車利用の場面を見ると、「通勤・通学」(48.6%)、「業務・仕事での移動」(38.5%)となっており、仕事に関連する利用が87.1%と他の年代を大きく引き離している実態がうかがえた。
あなたが自転車を利用される頻度はどのくらいですか?
あなたはどのような時に、自転車を利用されていますか?該当するものをすべてお選びください。(複数回答)
自転車事故を防ぐために気をつけたいことは…
■ヘルメット着用率は約3割
2023年4月のヘルメット着用努力義務化後、今回の調査でヘルメットを「着用している」割合は30.1%と昨年比で約5ポイント増加したが、一方で「着用せず、今後も着用しない」割合も40.8%(昨年は42.4%)と依然として4割を超える結果となった。
自転車を利用するときにヘルメットを着用されていますか?
■危ないと感じる「ながら運転」
「自転車の運転で『危ない』と感じたこと」では、昨年の調査で1位であった「自転車の急な飛び出し」に代わり、今回の調査では「スマートフォン・携帯電話のながら運転」(59.9%)が1位となった。「傘を差しながらの運転」(43.5%、同3位)や「片手に荷物を持ちながらの運転」(29.9%、同10位)といった状況からも、自転車運転中の「ながら運転」に対する危険性の認識が高まっていることが示唆される。
自転車の運転で、「危ない」と感じたことは何ですか?該当するものを以下からお選びください。(複数回答)
■自転車の交通違反に対する反則金(青切符)導入の認知度は約7割に
自転車の交通違反への反則金(青切符)について、全体の68.5%が「知っている」と回答しており、「知らない」を大きく上回った。年代別に見ると、20代と60代が約8割と認知度が高い一方、40代は約6割に留まった。
改正道路交通法においては、自転車の交通違反に対して反則金を納付させる、いわゆる「青切符」による取締りの導入が規定され、2026年までに施行予定であることをご存知ですか?
自転車保険の加入実態は…
■自転車保険の加入者は66.6%、加入のきっかけは年代で分かれる
自転車保険の加入状況は66.6%で、年代別では「加入している」と「加入を検討している」を合わせた割合が最も高かったのは60歳以上(85.5%)との結果となった。
加入のきっかけで最も多かったのは「自治体で法制化され、保険加入が義務付けられたため」(49.1%)で、次いで「自分(もしくは家族)が加害者になった時に備えて」(45.6%)との結果となった。若年層は保険加入の義務化を理由とする割合が高く、高年齢層は加害者となってしまった時への備えを重視する傾向が見られた。
あなたは現在、自転車で人にケガをさせたり、物を壊した場合の保険(自転車損害賠償責任保険等)に加入していますか?
(Q11で「加入している」を選択した人が対象)あなたが自転車保険に加入したきっかけは何ですか?きっかけとして最もあてはまるものをお選びください。
(Q11で「加入していない(今後も加入しない)」を選択した人が対象)あなたが自転車保険に加入していない理由は何ですか?理由として最もあてはまるものをお選びください。
<調査概要>
名称 :自転車ユーザーにみる「自転車の利用実態と安全運転に関する意識調査」
実施時期:2025年3月21日~22日
調査方法:インターネットを通じてのWEB調査
調査対象:全国にお住まいの20歳以上の男女で、月に1回以上自転車を利用する方
調査人数:1,065名(有効回答数)
出典元:共栄火災海上保険株式会社
構成/こじへい