Appleがガラスのような半透明デザインや直感的なウインドウシステムを採用したiPad向けOSの最新版「iPadOS 26」を発表
2025.06.12
Appleは、年次開発者会議「WWDC25」にて、iPad向けOSの最新バージョン「iPadOS 26」を発表した。開発者向けベータ版はすでに提供開始されており、7月にはパブリックベータ版、今秋には正式版がリリースされる予定だ。
Apple Intelligenceを活用した新機能も導入!
「iPadOS 26」は、新しいデザインや直感的なウインドウシステム、Apple Intelligenceを活用した新機能を導入しているのが特徴。Appleのソフトウェアエンジニアリング担当シニアバイスプレジデント、クレイグ・フェデリギ氏は
「iPadOS 26はこれまでで最大のiPadOSリリースで、体験を次のレベルへと引き上げ、ユーザーがiPadでできることを一変させるパワフルな機能を備えています。美しい新たなデザイン、まったく新しいパワフルで直感的なウインドウシステム、Apple Intelligenceを活用したさらに多くの機能、ファイルの操作の大幅な向上、クリエイターのワークフローを強化する新機能を備えたiPadOS 26により、私たちの最も万能なデバイスが、さらに有能になります」
とコメントしている。
■美しい新たなデザイン
美しい新たなデザインは、iPadOSの親しみやすさはそのままに、より表現力豊かで楽しい体験をiPadユーザーに提供する。この新たなデザインは、半透明の素材である「Liquid Glass」で作成され、周囲の光を反射したり屈折させたりする一方で、ユーザーの入力に反応し、意識を最も向けているコンテンツへの注目をさらに高めるようにダイナミックに変化。
ライトとダークの外観や、カラフルな新しいライトとダークの色合い、優雅な新しいクリアな見た目で表示されるアップデートされたアプリアイコンを使って、ホーム画面をパーソナライズすることもできる。また、アップデートされたコントロールとナビゲーションは、メール、Safari、Apple TV、Apple Musicなどのアプリにも拡張される。
■まったく新しいパワフルで直感的なウインドウシステム
iPadユーザーから期待されている即時性やシンプルさを維持しながら、ユーザーがアプリウインドウの操作、コントロール、整理、切り替えをするのに役立つパワフルな新機能を導入。新しいウインドウシステムにより、アプリのウインドウサイズをスムーズに変更したり、ウインドウを意図した位置に正確に配置したり、一度により多くのウインドウを開いたりすることができる。
また、Exposé機能により、開いているウインドウをすべて広げてすばやく確認でき、必要なウインドウに簡単に切り替えることが可能。さらに、ステージマネージャとスムーズに連係し、複数のアプリ間で作業するためにさらに広いスペースが必要な場合には外部ディスプレイとの接続も可能だ。
このほか、メニューバーも追加されており、シンプルなスワイプ操作、またはカーソルを上部に移動することで、アプリで利用可能なコマンドにアクセスできるほか、メニューバーの検索機能を使って、アプリの特定の機能や関連するヒントをすばやく見つけることも可能だ。
■Apple Intelligenceを活用した新機能
Apple Intelligenceの新機能として、ライブ翻訳機能が追加。電話アプリでは、会話の全体を通して、翻訳が音声で読み上げられ、メッセージアプリでは、グループメッセージを含め、受信したテキストがユーザーの希望する言語に自動的に翻訳。FaceTimeアプリでは、翻訳されたライブキャプションがリアルタイムに表示される。
■ファイルを操作するパワフルで新しい方法
ファイルの管理、アクセス、編集を行なうためのパワフルで新しい方法を導入。機能強化されたファイルアプリとアップデートされたリスト表示により、サイズ変更可能なカラムや折りたためるフォルダで書類の詳細をさらに詳しく確認できる。
また、フォルダを一目で特定できるように、ファイルアプリには、カスタムの色、アイコン、絵文字など、デバイス間で同期されるフォルダのカスタマイズオプションも用意。さらに、フォルダをファイルアプリから直接Dockにドラッグできるようになったほか、特定のファイルやファイルの種類を開く際のデフォルトアプリを設定することも可能だ。
■プレビューアプリがiPadに登場
Apple Pencilやタッチ操作ですばやくスケッチを作成したり、PDFや画像を表示、編集したり、注釈を加えたりするための、プレビューアプリがiPadに登場。ファイルアプリ内のすべてのPDFや画像にプレビューから直接アクセスしたり、空白ページを作成したり、Apple Pencilを使って描画や書き込みを加えたり、自動入力を使ってPDFのフォームにすばやく記入したりすることができる。
■アプリで作業する新しい方法
iPadOS 26では、演算負荷の高いバックグラウンドタスクを実行可能。実行時間の長い処理をアプリ内で開始すると、バックグラウンドタスクがライブアクティビティと一緒に表示されるため、実行中の処理を完全にコントロールし、明確に把握することができる。
また、より柔軟な入力と効率的な録音を実現する、新しいオーディオ機能も提供。各アプリや個々のウェブサイトに対して異なるマイクを選択でき、オーディオ入力をさらに細かくコントロールできるようになるほか、周囲のノイズを遮断し、クリアではっきりとした録音が可能な「声を分離」も利用できる。
さらに、ローカル収録により、ユーザーは任意のビデオ会議アプリで高品質な録音や録画をiPadから直接作成し、会議が終わったあとにオーディオファイルやビデオファイルを簡単に共有できる。
関連情報
https://www.apple.com/jp/
構成/立原尚子