〝100万枚を超えれば大ヒット〟と言われるメンズアンダーウエアの世界で、累計出荷枚数が280万枚以上という異例の売り上げとなっているBODY WILD『AIRZ』。大ブレークの理由は、腰ゴムがないという今までの常識を超えたアイデアとストレスフリーな穿き心地。その開発秘話や魅力を編集部テラダが聞く。
〈PICKUP!〉腰ゴムがないから締め付け感ゼロのストレスフリー!
BODY WILD『エアーズボクサーパンツ』
1650円~
腰ゴムをなくし、ストレスフリーな穿き心地を実現した新常識のアンダーウエアモデル。通常タイプに加え、ショートタイプやメッシュタイプなど個人の体形や好みに合った1枚を選べる。
■ボクサーパンツに本気のテラダがガチ推し!
DIME編集部テラダ
大のボクサーパンツ狂。90年代にアメリカのボクサーパンツに出合い、そこから各社の同アンダーウエアを熱心に愛用。好みは派手な柄のローライズ。
腰ゴムのない新常識のボクサーはどのようにして生まれたのか?
〈この人に聞きました!〉
グンゼ株式会社
アパレルカンパニー 営業MD本部 商品企画部
寺島功基さん
学生時代よりグンゼ製品を愛用してきた根っからのアンダーウエア好き。『AIRZ』のみならず、「Tシャツ専用インナー」など、男性下着の快適さを追究し、手掛けている。
編集部テラダ:DIMEの主な読者層は40~50代。その世代が回想してみると下着はブリーフに始まり、トランクス、ボクサーパンツと時代のスタンダードとなるものが変遷してきました。そこに腰ゴムのない『AIRZ』が登場したと。
グンゼ寺島さん:メンズの下着市場は10~20年のスパンで大きな変革が起こってきました。1998年に立ち上がった「BODY WILD」はボクサーパンツがメインラインナップだったので、次なるスタンダードを提案するために生まれたのが『AIRZ』なんです。
編集部テラダ:なるほど! 男性の下着に関する美意識やこだわりは年々強くなっていますよね。
グンゼ寺島さん:発売したのは2018年なのですが、ボクサーパンツの次なるトレンドを狙って、11年から開発に取り組みました。50以上のプロトタイプの製作を経て、耐久性や耐洗濯性などの様々なテストをクリアし、ようやく製品化ができました。
編集部テラダ:そんなに開発期間が長かったとは……。開発のきっかけは何だったのですか?
グンゼ寺島さん:ボクサーパンツに関する着用感調査で「腰回りの締め付け感が不快」だという声がよく届いたんです。それなら思い切って腰ゴムをなくし、ストレスフリーに特化したパンツを作ってみようと。当時、女性下着ではゴムのないものが流行りはじめており、そんな潮流も感じていました。
編集部テラダ:長年の開発にはどのような苦労が?
グンゼ寺島さん:女性と比べ男性は腰のくびれがなく、引っ掛かりがない点と、局部がどうしても重力で下がってしまうため、女性下着と同じ作りでは全く話にならず……。最初の試作品を試した社員は、就寝前に穿いたら翌朝には見事にズリ落ちていたそうです。
編集部テラダ:なるほど、下着がズリ落ちる要因は男性のシンボルなんですね(笑)。そこからどのように工夫したのですか?
グンゼ寺島さん:『AIRZ』の肝となるのは、今までにないストレスフリーな解放感。ズリ落ちることを考慮して締め付けを強くしてしまっては本末転倒です。そこでポイントとなるのが、設計の工夫「アルゴウェーブカット」と伸縮性にも優れた生地「カットオフ」。前者は縦と横で伸度が異なる生地の特徴を生かし、製品全体でフィット感を生み出す設計です。局部を下げないよう縦方向はストレッチを弱め、横方向は快適性と適度なフィット感を得るために伸びやすくキックバックを強くしています。フロントとサイドで生地方向を変え、ストレスフリーな穿き心地と局部の安定感を実現しました。
編集部テラダ:「カットオフ」とはジーンズにあるような切りっぱなしのことですか?
グンゼ寺島さん:切りっぱなしという点では同様ですが、ほつれてしまうような心配は一切ありません。これは厳しい耐洗濯性テストでも証明されています。裾に縫い目がないので、締め付け感がなく、下着のラインが洋服の表面に出るような心配もありません。
編集部テラダ:実は『AIRZ』を試してみたのですが、あまりに快適すぎて下着を穿いていないような感覚でした(笑)。
グンゼ寺島さん:お客様からも同様の声をいただくことがあります(笑)。所有されていたパンツをすべて『AIRZ』に替えたなんて方もいらっしゃいますよ!
累計出荷枚数280万枚の大ヒット!BODY WILD『AIRZ』のココがスゴい
[1]腰ゴムがない!?「あって当然」をなくした解放感!
従来のメンズ下着では腰ゴムによりズリ落ちを防止するのが当たり前であったが、その常識を独自の素材と設計により打ち破った。この快適さを味わうと、ゴム付きに戻れないかもしれない。
[2]切りっぱなしが実現する超快適な無圧迫感!
裁断面がほつれないようにリブを付けたり、生地を折り返して縫うのが下着の常識。だが独自開発技術の「カットオフ」によって、それらが不要に。縫い目があたる不快感がなく着用できる。
・GUNZE独自開発技術の「カットオフ」って?
着心地を追求するために生まれた独自開発技術の「カットオフ」。ウエストと裾は切りっぱなしにすることでフラットな仕上げに。生地と設計によりズリ落ちず、ストレスを感じにくい着用感を実現した。
[3]夏のおすすめ!透けないメッシュも登場
穿き心地を追求し、上下左右に伸縮する2WAYストレッチのレーヨン混素材を採用。さらに暑い時期向けに蒸れにくいメッシュタイプもラインナップ。極薄ながらも透け感がないのがうれしい。
協力/グンゼ
グンゼお客様相談室 0120・167・874
取材・文/佐藤周平 撮影/高田啓矢 モデル/RYUEI 編集/井田愛莉寿