自治体が実績報告する事例も増えている
出典:今治市
募集プラットフォームでの取り組みのリンクなどをまとめただけかも知れないが、施策の進捗や状況を開示してくれているので、お金の使い道がわかりやすい。
クラウドファンディング型ふるさと納税の特長3つ
クラウドファンディング型ふるさと納税と、従来のふるさと納税、一般的なクラウドファンディングとの共通点・相違点をまとめると以下の3つの特長があることがわかる。
(1) 応援したいと思う企画やプロジェクトに対して賛同し、直接携われる
(2) 地方自治体がプロジェクトを運営する信頼感と寄付したお金の透明性
(3) ふるさと納税制度による税控除
これらの特長が合わさることで、寄附者には新しい地域貢献の形が提供でき、地方自治体は新たな資金源が獲得できるというわけだ。
ふるさと納税は、地方自治体への“推し活”なのか?
お金を出す行為に対して、見た目のリターンがほぼ得られないクラウドファンディング型ふるさと納税に、出資する人は何が目的なのか。比較表では、プロジェクトへの共感や地域貢献をその動機として整理したが、本当にそのような動機を持つ人はどれほどいるのだろうか。
クラウドファンディングの募集記述を読んでみると、「この地域の未来を担う子どもたちのために」とか「この地域をもっと好きなってもらえる体験を増やしたい」とか気持ちに訴えかける記述を見かける。
そこから、未来に向かうための物語の登場人物になれるという体験や、その物語を作るメンバーの1人となって、未来社会をよりよいものにし、自分の未来もより良くしたい気持ちが出資者にあるということだろうか。
それとも、自分が生まれ育った町、興味や魅力がある地域に対して強い愛着を感じたのでお金をだして応援する推し活の要素が強いのだろうか。
いずれにせよ最終的には地域振興のためにお金が使われるので、これまでよりよい社会が作られることに間違いはない。
文/久我吉史