
「とりあえずブラックスーツに白ネクタイを着ておけば安心」
そんな時代は過ぎつつある。この“定番”が必ずしも正解とは言えなくなってきているのだ。
背景にあるのは、結婚式そのもののカジュアル化。今の時代にふさわしい結婚式ファッションを紹介したい。
結婚式のカジュアル化でフォーマル服装離れ?
近年、結婚式のあり方は大きく変わってきている。かつては会社の上司や取引先まで呼ぶ大規模な披露宴が一般的だったが、コロナ禍をきっかけにその流れが変化した。最近は家族や親しい友人たちと少人数で行う結婚式が主流になりつつある。
年間100件の服装コーディネートを行なっているパーソナルスタイリストの勅使河原さんは次のように話す。
「こうした結婚式のスタイルの変化に伴ってゲストの服装にも変化が現れています。
結婚式といえば男性はブラックスーツやダークスーツに白のネクタイ、というスタイルがこれまでの正解でした。しかし、ことカジュアルな式におおては必ずしも正解と言えなくなってきてます。
レストランやゲストハウスなどで少人数で行われる式の場合、結婚式の2次会のような雰囲気がそのまま式本番に持ち込まれることも珍しくありません。そうなるとこれまでのような『堅すぎるフォーマル』はむしろ浮いてしまうケースも増えています」
トレンド感のある結婚式コーディネート3選
「もちろん、格式高いホテルの披露宴などでは今もこのスタイルは有効です。けれどカジュアルな会場や親しい友人たちだけの式では、むしろこの装いが『いかにも結婚式用』『硬すぎる』と見えてしまうこともあります。特に最近は、新郎新婦自身もナチュラルなドレスやジャケットスタイルを選ぶことが多く、ゲストも『ちょっと抜け感のあるおしゃれ』を意識するのが主流です」(勅使河原さん)
勅使河原さんがオススメのコーディネートは次の通りだ。ポイントと合わせて紹介したい。
⚫︎ネイビーのジャケット+グレーのパンツ+赤のネクタイ
「セットアップを崩したスタイルでも全然、大丈夫です。ブルー、ホワイト、レッドなどのカラーを取り入れることで結婚式の華やかな雰囲気にも非常にマッチします。靴を明るいブラウン系を採用すればさらに抜け感を演出できるはずです。『流石にここまでは…』と抵抗感を感じる方は、ここから引き算をして、ご自身なりの”ちょうどいいカジュアル感”を探してみるのがいいでしょう」
⚫︎ライトグレーのセットアップ+蝶ネクタイ
「ネクタイを蝶ネクタイに変えるだけでカジュアル感はグッと跳ね上がります。普段着用の機会が少ない蝶ネクタイだからこそ、結婚式の非日常感と相性バツグンです」
⚫︎ブラックのセットアップ+ピンクのシャツ+ピンクのネクタイ
「そこまで冒険をしたくないという方は、まずはシャツの色とネクタイの色からチャレンジしてみるのがオススメです。白シャツ+白ネクタイを淡いブルーやピンクに変えてみるだけでトレンド感を引き出すことができます。失敗したくない方はまずはここからチャレンジしてみましょう」
今どきの結婚式ファッションかどうかの判断は慎重に
とはいえ、「すべての結婚式でカジュアルが許されるわけではない」ことにも注意が必要だ。
ポイントは会場の格と雰囲気を読むことだと言う。
「まず、確認したいのが『場所』です。ホテルや格式高い神社仏閣なら従来通りのフォーマルなファッションでが行くの無難です。一方、レストランやゲストハウスなら遊び心を取り入れた装いが好まれます。
また、最近はドレスコードが指定されている場合も多いです。『平服でお越しください』と書かれていたらフォーマルすぎない装いでも大丈夫です」(勅使河原さん)
そして、一番注意したいのは「結婚式らしさ」を損なわないことだ。
「カジュアルだからと言って、黒シャツや黒ネクタイなどをメインにしてしまうと暗い雰囲気になってしまいます。また、当然ですがやりすぎてしまって悪目立ちをしてしまっては本末転倒です。あくまで主役は新郎新婦さんであり、結婚式のムードを壊さないようにしたいですね」(勅使河原さん)
今の結婚式ファッションに求められるのは堅苦しすぎず、カジュアルすぎずというバランス。昔の“画一的な正装”からは脱却しつつも、正装感や華やかさは大切にしたスタイルを選ぶことで、周囲とも調和しつつ、自分らしいおしゃれな一着が演出できるはず。
次に結婚式の案内が届いたら、ぜひ「会場はどんな場所?」「どんな雰囲気になりそう?」を意識して服を選んでみてもいいだろう。
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取材・文/峯亮佑