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水原希子とローラが古民家をプロデュース!Airbnb「Akiya Design Project」で泊まれるアートな宿が誕生

2025.06.11

■連載/阿部純子のトレンド探検隊

Airbnb」は都内で「Akiya Design Project」の発表会を行い、Airbnbの共同創業者兼CEOブライアン・チェスキー氏、プロジェクトのクリエイティブ監修を行う水原希子さんとローラさんがトーク・セッションに登壇。

全国古民家再生協会」事務局長の河野公宏氏、ホストの山中美登樹氏、村田麻実氏臨席のもと、水原さんとローラさんは日本の伝統的な建築や文化の保全や継承の意味、自身のクリエイティビティに対する想い、デザイン監修のテーマなどを語った。

元空き家だった古民家を水原さんとローラさんの感性を生かした宿泊施設に

現在、国内ではおよそ900万戸が空き家となっており、今後10年以内には3軒に1軒が空き家になるとも予測されている。

Airbnbではこうした課題に対して、伝統的な小民家再生に取り組んでいる全国小民家再生協会と共に協業を行ってきたが、今回新しく「Akiya Design Project」を立ち上げ、古民家の保全や文化の継承、空き家問題への対策、地域創生を通して分散型の観光に貢献することを目指している。

今プロジェクトでは、水原さんとローラさんは茨城県古河市と京都府亀岡市の2軒の元空き家だった古民家の宿泊施設の監修を担当。2人のライフスタイル哲学をインテリアやスタイリングに取り入れ、2025年秋にAirbnbから予約が可能になる予定だ。

「Akiya Design Project の意義は大きく2つあります。1つは『使われていない家や部屋を有効活用できる』こと。Airbnbは私ともう一人のホストが、当時借りていたアパートの空きスペースを有効活用できないかと考えたことが始まりでした。

今回のプロジェクトも同様に、日本にある900万戸の空き家を有効活用するという発想です。部屋を提供したいと考えている方々と、世界中の旅行者で宿泊先を探している方々をより良い形でつなげることができると考えています。

2つ目の意義は『デザイン・文化の力』です。空間に新たな息吹を吹き込むような、素晴らしいデザイナーや素晴らしいビジョンを持った方々とご一緒させていただくことができ、記憶に残るような体験を提供できると思います」(チェスキー氏)

〇水原希子さんがパートナーを組む茨城県古河市の宿泊施設

水原さんが携わった、茨城県古河市の山中美登樹氏が運営する宿泊施設は、約10haにも及ぶ広大な敷地に立つ築150年以上の伝統的古民家。趣ある母屋と堂々たる門構え、敷地を彩る桜や四季折々の草花が、日本の原風景へといざなう。

現代の住宅では取り入れることが難しくなってしまった質の高い建材が使われ、構造的にも強く美しいこの家を見て山中氏は一目惚れしたとのことで、古民家としてだけではなく、「地域の資産」として若い世代に受け継ぐべきと考えていると話す。

「デザインや木、素材など含めて、もはやこれからは日本では作れないものが古民家にはあり、今回は武家の屋敷だった築150年以上建物の監修に携わるので、覚悟を持ってやりたいと思っています。

建物の大きさにも驚きますが、裏に東京ドーム2個分の森が広がっています。家の前に竹林も整備されていて、散策できるようになっており、とても美しい空間です。

建物の中に大正8年の写真が一枚だけ残されており、小民家の歴史を感じると同時に、ここは人が生活をしている場だったことを実感しました。

時の流れを感じられる場にどうやって新しい命を吹き込めるか、とても責任を感じますが、今の時代に合ったこの空間を楽しんでいただける場所を作りたいと思いました。

意識したのは居心地の良さ。自分の家にいるような心地よさがAirbnbの魅力。私もAirbnbを使って旅したことがありますが、その土地の文化を感じることができ、そこに住んでいるような気持ちでより近く感じます。

今回も居心地の良さを重視しながら、日本の面白い作家さんたちの絵や写真など作品を散りばめて、アート的な要素で温かみを感じられる心地良い空間を作りたいなと思っています。また、私は色のある空間が好きなので、色を使ってちょっとワクワクするような感じにしたいなとも考えています。

大勢で泊まれるほど敷地が広いので、例えば誕生日パーティーなどのイベントとして大人数で使うのもいいですし、ドックランのような場所もあり、ワンちゃん連れで来ても楽しいと思います。

日本の方には日本の田舎の素晴らしさ、心地よさを再認識していただけるきっかけになると思いますし、海外の方にとっても日本の建築の美しさと自然を感じていただける魅力的な宿になると思います」(水原さん)

〇ローラさんがパートナーを組む京都府亀岡市の宿泊施設

ローラさんが携わる、京都府亀岡市の村田麻実氏の宿泊施設は、村田氏の祖父母が大切に住んでいた家屋で、明治から平成にかけて四世代、130年に渡った瓦業を営む仕事場として使われていた築70年の建物。瓦業の歴史を直近に感じる当時の姿をできる限りそのまま残しながら、大切に手入れがされている。日本家屋らしい伝統的な佇まいや、美しく広がる田園の雄大な眺めが見どころ。

「亀岡市は京都の中心から車で1時間近く離れた自然豊かな場所。京都観光というと京都市内の寺社めぐりのイメージがありますが、少し離れると山や海があり、京都府は自然豊かなところで、みんなが知っている京都とは違った魅力があることを知ってほしいな。

今回の家は瓦職人の仕事場でもあるので、玄関入るといろんなデザインの瓦が置いてあって、かっこいい!瓦って屋根にあるので、あまりよく見えないでしょ。見えないところに細かいデザインをして、昔の日本の職人さんのこだわりがすごく感じられるの。

私たちが今ここで生きているのも昔の人たちからつながりがあるから。昔の人たちが作ったこの家がたった100年ですごく変わろうとしている。変化も美しいけど、やっぱり今まで作られてきた日本家屋をもう一度見直してその美しさに気づいてほしい。空き家になった古民家を一緒に守っていったり、その魅力をもっと広げていけば、今の時代にまでつないでくれた人たちへのリスペクトになると思っています。

木造の日本家屋は美しいだけじゃなくて、例えば囲炉裏のあるお家だと囲炉裏の煙が部屋の中の湿度を調節してくれたり、木をきつく締めつけないようにすることで、家がよい状態で長く保たれたり、実は経験に基づいた知恵がたくさん詰まっていて、知れば知るほど、魅力を感じました。

瓦のデザインを楽しんだり、自然になじむ木製に椅子を縁側に並べて、庭を眺めながらリラックスできるような場所を作りたい。私は物が少ない方が好きなので、陶芸家さんの作品をポンと置いて、それを眺めるだけというような、時間を楽しむ空間にしたいと思っています。

敷地には蔵もあるので、そこをギャラリーみたいにしたり、お部屋に小さな机を置いて書道を楽しんだりするのも面白いかな」(ローラさん)

【AJの読み】空き家問題、オーバーツーリズムといった課題解決の糸口に

日本全国に900万戸あるとされる空き家。管理する人がいない、管理に莫大な費用がかかるなど、歴史のある伝統的な日本家屋が放置されているケースも多い。こうした古民家を活用

すべく活動しているのが全国古民家再生協会だ。

「当協会は、日本の貴重な建築遺産を守り、伝統的な家屋に新たな命を吹き込むことに尽力しています。文化的に貴重な建物の美しさを大切にしながら、宿泊できるバケーションレンタルとして生まれ変わらせる『Akiya Design Projec』でAirbnbと連携できることを大変光栄に感じています。

思慮深いデザインと創造的なコラボレーションを通じて、このようなプロジェクトが古民家などの伝統建築を保全し、日本中の地域コミュニティを活性化する上で重要な役割を果たすと確信しています」(一般社団法人 全国古民家再生協会 事務局長 河野公宏氏)

有名な観光地にインバウンドが集中してしまうオーバーツーリズムが社会問題となる中、世界中のツーリストが利用するAirbnbの『Akiya Design Projec』は分散型観光としても有効で、日本の知られざる地域の魅力や文化を発信できる宿泊施設として注目されるだろう。

取材・文/阿部純子

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