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PayPayとVポイントの再連携によって得する意外な「勝者」とは?

2025.06.18

2025年5月15日、三井住友カードとソフトバンク、そしてPayPayは共同でこのような発表を行った。

「デジタル分野における包括的な業務提携」である。

三井住友グループの金融アプリ『Olive』とPayPayの連携を強化することで、Oliveは非金融サービスを強化できる……としているが、この発表が最も注目された点は「VポイントとPayPayポイントの相互交換」だ。2024年に惜しまれながら中止されたこの相互交換が、具体的な時期は未発表ながらも2025年中には再開されるという。

この相互交換で最も得をするのは、もしかしたら「地方の中高年」かもしれない。

太田社長最後の一手、しかし…

旧Tポイントと旧Vポイントが統合されたのは、2024年4月の出来事である。

これは総合金融アプリOliveを世に送り出した三井住友フィナンシャルグループの太田純社長の、まさに人生最後の一手だった。2023年11月25日、太田社長は膵臓癌でこの世を去った。新生Vポイント始動の日、残念ながら太田社長は既にいなかった。

そんな新生Vポイントだが、しかし直前に旧TポイントとPayPayポイントとの相互交換を打ち切っていたため、結局はOliveユーザーのためのポイントという印象が強いものになってしまった。Oliveは、結局のところは三井住友銀行に口座を作っている人にだけ恩恵のあるアプリ……という具合で、それに付随するVポイントも結局は三井住友銀行の顧客でなければ縁薄いものではないかと筆者も感じざるを得なかった。

しかし、PayPayとの連携が実現し、なおかつPayPayポイントとの相互交換が実現すれば、状況は大きく変わるはずだ。

「Tカードはお持ちですか?」

筆者澤田真一の書いたものではないが、@DIMEが2025年5月25日に配信した『ポイ活市場に激震!PayPayポイントとVポイントの相互交換で達人が注目する〝爆益〟活用術』という記事がある。

ポイ活市場に激震!PayPayポイントとVポイントの相互交換で達人が注目する〝爆益〟活用術

今後、PayPayポイントをVポイントに交換でき、また、VポイントをPayPayポイントにすることもできる衝撃──。2025年5月15日に発表されたニュースは、...

この記事の中でウエルシア薬局のポイント換算増額イベント、いわゆる「ウエル活」について触れられているが、ウエルシア薬局が旧Tポイント時代から「大盤振る舞い」とも言えるポイント還元施策を実施していることは多くの人が承知している事実だろう。もっとも、筆者から見ればそのせいで旧Tポイント時代は「レジの進み」が遅かった。レジでの会計の際に、店員から「Tカードはお持ちですか?」と聞かれる。「いいえ」と答えると、次は「Tカードをお作りしますか?」と聞かれてしまう。また、仮にTカード兼用クレジットカードを持っていたとしても、端末への1回の入力でポイント付与と決済が完結する仕組みではなかった。

ただし、どんな物事でも「いい面」と「悪い面」の両方が存在する。

旧Tポイント時代のウエルシア薬局が利用客に対してしつこいくらいに「Tカードはお持ちですか?」「Tカードをお作りしますか?」と言い続けた結果、実に意外な客層が意外な高額ポイントを保有している……という事態が発生しているかもしれないのだ。

「高田さんの言うことだから」

筆者の住まいである静岡県には、かつて「高田薬局」というドラッグストアチェーンが存在した。

この高田薬局の店舗は「ウインダーランド」という名称で展開していたのだが、ウエルシアとの経営統合を経て店舗名もそのように改称し、今に至っている。が、今でも地元住民はウエルシアを「高田薬局」或いは「ウインダーランド」と呼んでいる。それだけ高田薬局は身近な存在だったということだ。

その高田薬局がウエルシアになった後は、店舗での旧Tポイントの取り扱いを即座に開始した。店員が「Tカードをお作りしますか?」と言うようになったのだが、さて長年高田薬局を利用し続けてきた地元住民(特に中高年の主婦)はどう考えるだろうか?

無下に断るよりも、「高田さんが言うことだから」と入会申込書にペンを走らせる可能性が高かったはずだ。このあたりの信頼度は、郵便局のそれに似ているかもしれない。

そして、高田さんの店(敢えてそう呼ばせていただきたい)で買い物をする度にTカードを差し出しているとしたら、積もり積もって高額のTポイントが蓄積されている……ということも十分に考えられる。

「地方在住の中高年」がキーパーソン?

仮にそうした経緯で旧Tポイントを貯めてきた人が、此度の相互交換でPayPayポイントへの一挙換算を行ったとしたら——。

これはちょっとした経済効果すらも生み出してしまうのではないか、と筆者は頭の片隅で考えている。

高田さんの店で勧められてTカードを使い続けたはいいが、中に入っているはずのポイントの使い道はよく知らない……という人も少なくないのでは。もちろん、Tポイントは高田さんの店での買い物に利用できることは知っている。が、それ以外の場所でTポイントが使えるところはどこか?

ここは東京ではない。自宅から半径5km以内の移動で生活が完結してしまう人が東京よりも割合として多く存在し、言い換えればこの人たちは「Tポイントの捌け口」をあまり持っていなかった。

それが新Vポイントへの統合により「今までのTポイントはそのままスマホアプリで管理できるようになる」ということを知り(今までのTカードも引き続き利用可能)、加えて新VポイントがPayPayポイントに交換できるということも知れば、「これをAmazon等のネット通販で利用してみよう」という強烈かつ能動的な意識が生まれるのではないか。

以上の理由から、此度のポイント相互交換で最も得をするのは「地方在住の中高年」である可能性を見出すことができる。

【参考】
三井住友カードとソフトバンク、デジタル分野における包括的な業務提携に合意-三井住友カード

文/澤田真一

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