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本当にこれが中古?メーカーお墨付きの再生品〝リファービッシュ家電〟を生む、新品同様へのこだわりとプロの技【パナソニック工場潜入取材】

2025.06.10

家電の検査済み再生品が好調だ。

家電の性能の進化は続き、魅力的な製品が続々新登場するが、多くのユーザーにとって気になるのは価格。物価が高騰する中、〝いい物を安く買う〟ことでコスパを意識するのは、家計での重大なミッションといえる。

そこで再生家電=リファービッシュ家電に注目したい。

ただし、中古品には品質面で不安がよぎる物もある。その不安を和らげてくれるのが、メーカーお墨付きのリファービッシュ家電だろう。

パナソニックのリファービッシュ家電がラインアップを増やしている。しかもサブスクで定額利用できるという、今どきな使い方も魅力。

パナソニックが考える家電の新たな選び方、リファービッシュ家電の現在地を宇都宮工場で確認してきた。

サブスクリプションで定額…コスパのいい家電利用の最先端

みなさんは「リファービッシュ家電」を利用したことがあるだろうか?

中古家電はリサイクルショップや個人売買など、様々な形で購入できるが、リファービッシュ家電と中古家電の大きな違いは、メーカーが新製品のように使えるよう点検・再生する〝質の違い〟と言える。

特に調理家電や洗濯機などの生活家電は〝清潔〟であることが大切。しっかりとした手入れと衛生面の管理が、購入動機につながる。

そして、保証が付くかも気になる部分。すぐに壊れて使えなくなっては、購入した意味が無い。

もちろん、とことん安く購入したいのであれば中古品を買うのも選択肢のひとつ。さらに、メーカーのメインテナンスと保証を加えて〝安くて安心〟に使うのなら、リファービッシュ家電を選ぶのは賢明だ。

そして、サブスクリプションで定額利用するなら、初期投資がグッと抑えられる。

〝リファービッシュ家電をサブスクで〟が、家電選びの2025年流トレンドと言えるかもしれない。

■コスパはどれくらい?

リファービッシュ家電を利用するには、どれくらいのコストだろうか? パナソニックストアで確認したい。

・パーソナル食洗機「SOLOTA」の場合

サブスク利用の例として、パーソナル食洗機「SOLOTA」(NP-TML1)でコスパを調べてみた。

同製品の新品でのメーカー希望小売価格は、オープン価格となっている。参考にパナソニックのオンラインストアで購入すると、価格は税込で3万7620円となる。

【参考】食器洗い乾燥機 NP-TML1 購入|パナソニック ストア

一方、サブスクを選ぶと、どれくらいの価格になるだろうか。

「SOLOTA」を定額利用する場合、新品は月額1290円、リファービッシュ品(検査済み再生品)は月額990円(共に税込)となる。

ちなみに、契約後36か月までに解約すると、月額料金2か月分相当の解約手数料、新品は2580円、リファービッシュ品は1980円かかるが、37か月以上経過すると、解約手数料ゼロ円で商品が手に入る。

「SOLOTA」を6か月利用した場合、新品なら1万320円で、リファービッシュ品は7920円で利用できる試算だ。

そして、37か月利用して商品を手にする場合は、新品なら4万7730円で、リファービッシュ品は3万6630円のコストになる。

長期使用が目的で完全に購入したいユーザーは、新品を一括で購入した方がお買い得となるが、リファービッシュ品なら新品よりもお得に使い始めることができる。

【参考】パーソナル食洗機 SOLOTA 定額利用サービス|パナソニック ストア プラス

・4K有機ELテレビ「TV-65Z95ARA」の場合

新品の生産が終了しているモデルをリファービッシュ品で一括購入する場合のコスパも確認してみよう。

例として、4K有機ELテレビ「TV-65Z95ARA」で検証してみたい。

同製品は2024年6月より発売された製品で、オープン価格であり、店頭での実勢価格は52~53万円前後*。現在は生産が終了している。*編集部調べ

こちらのリファービッシュ品の価格は、Aランクのモデルで36万3900円となっている。

【参考】購入 【Panasonic Factory Refresh】TV-65Z95ARA 購入|パナソニック ストア プラス

リファービッシュ家電のラインアップ拡大。〝B/Cランク〟も登場

リファービッシュ家電の高評価を受けて、パナソニックでは製品ラインアップを拡大している。

パナソニックの渡邊さんは、「様々な理由で当社グループに戻ってきた家電を、当社グループ監修のもと再生を行い、1年のメーカー保証をつけてお客様にご提供するリファービッシュ事業を、『Panasonic Factory Refresh』として10カテゴリーで、2024年4月より開始しました。順次カテゴリーを拡大させていて、現在13カテゴリーとなりました」と話す。

パナソニック マーケティング ジャパン株式会社 ダイレクト事業戦略室 新規事業推進部 部長 渡邊 暦さん

また、取り扱うリファービッシュ品の「外観」「内観」「使用時間/回数」「製造年数」「臭気」の5項目にパナソニック独自の基準を設けてランキング。

従来は使用感がほとんどなく、状態が大変良い「Aランク」のみの取り扱いのところ、「2025年2月から少量ですが、B/Cランクという、Aランクより少し使用感のあるレベルの製品の再生も始めました」(渡邊さん)という。

「Bランク」は多少の使用感が見られるが、状態が良いレベル。「Cランク」は使用感があるが、機能・動作には問題ないレベルとなっている。

そして、パナソニックのリファービッシュ家電に向けたユーザ-からの信頼度は高い。

「購入されたお客様の評価は総合満足度94%となっており、品質、推奨度、価格の面で評価をいただいております。特にメーカーならではの再生品だからこそ、品質面や安心面での評価の声も多く、信頼性が重要であると改めて感じております」(渡邊さん)

リファービッシュ家電の工程をパナソニック気鋭の宇都宮工場でチェック

それでは、パナソニックはリファービッシュ品の監修と再生をどのように行っているのか、パナソニック気鋭の宇都宮工場で確認してみたい。

同工場は、1967年の創業で58年の歴史を持つ。主な生産品目はディスプレイ関連機器や業務用オーディオ機器、スマートガスメーター用無線機など業務用機器を中心とし、250名の精鋭が生産に携わる。

加えて、再生事業にも着手。パナソニック宇都宮工場の竹田さんは、資源リサイクルだけでなく、「パナソニックとしてサーキュラーエコノミー(CE)を、リファービッシュ事業を通じて家電の循環で行っていきたい」と話す。

パナソニック エンターテインメント&コミュニケーション株式会社 宇都宮工場 工場長 竹田恭介さん

現在、宇都宮工場はパナソニックのリファービッシュ家電の13カテゴリーのうち、洗濯機、テレビ、食器洗い乾燥機、ブルーレイディスクレコーダー、ポータブルテレビ、一眼カメラ、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機の7カテゴリーの再生を担当。リファービッシュ家電の年間生産能力を1万台としている。

それでは、工場の様子をご紹介したい。

リファービッシュ家電の再生工場、その現場は木材や再生品を多用し、エコな雰囲気を持つ。

こちらは、工場へのアプローチで展示されている、洗濯機1台分の部品のディスプレイだ。

リサイクルの場合、洗濯機がまとめて1台、細かく裁断されてしまう。しかし、サーキュラーエコノミー(CE)を考慮して、使える部品を活用する方法がないかと検討する中で、再生してはどうかと、リファービッシュ家電のアイデアが生まれたという。

工場では、ユーザーから何らかの理由で返品された製品を再生するために、

1,外観確認
2.清掃・クリーニング
3.部品交換
4.動作確認
5.最終確認・梱包

という工程を、日々実施している。

例えば、テレビでは、徹底した外観確認を行い、徹底した清掃・クリーニングを実施する。

フィルム剥がしやパネルの再実装などは、独自の治具を用いて工夫しながら再生。再生不可能な部品は交換を行う。

そして、新品と同様の通電確認が行われるなど、厳しい検査を経て梱包・発送されるのだ。

また、食器洗い乾燥機はユーザーが口にする器などを扱うもの。衛生面には細心の注意が払われている。

部品の徹底した清掃・洗浄と共に、ゴムのパッキンなどは新品へ交換するなど、メインテナンスは隅々まで行き届き、中古品と感じさせない仕上がりとなる。

返品された状態(上画像)

再生された状態。パッキン類などを新品に交換し、部品は徹底的に清掃・洗浄されている

コスパの試算で例示したパーソナル食洗機「SOLOTA」も、宇都宮工場の徹底した衛生管理の下、丁寧な作業を経て再生されている。

さらに、再生作業を担当するスタッフのスキルアップも抜かりは無い。工場にはマイスター制度があり、有資格者はプライドを持ち作業を実施する。

また、「モノづくり道場」と呼ばれる研修施設が同工場には併設されており、新人や新作業の研修が鋭意行われており、研鑽の日々を過ごしている。

リファービッシュ家電の今後の課題

パナソニックでは、製品のリペアメインテナンスやリファービッシュ、サブスクリプションなどを通して、資源の価値を最大化して環境負荷を低減する「サーキュラーエコノミー(CE)」実現に向けた取り組みを積極的に行っている。

特にリファービッシュ家電は、ユーザーにとっては家電をお得に選べてフレンドリーで、しかも資源を最大活用する効果的な手段となっている。

リファービッシュ事業の今後の課題としては、「在庫の安定化」があるという。部品を作って用意して生産する新品とは違い、ユーザーからの返品により再生する構造上、どうしても在庫の管理が難しいという。

そして、オンラインでの利用に限定されていることもあり、認知度が低いという課題もある。

また、収益性についてもスキームを構築中であり、今後の検証が重要となっている。

このように、ユーザーフレンドリーで、かつ地球環境にも貢献する優れた取り組みではあるが、まだまだ改善する余地もあるリファービッシュ家電事業。

ただ、その未来は明るい。パナソニックの今後のブラッシュアップに向けた動きに注目していきたい。

取材・文/中馬幹弘

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