裁判所のジャッジ
夫の勝訴です。裁判所は「Y男は夫に慰謝料100万円を払え」と命じました。
お泊まりの証拠はなかったのですが、裁判所は以下のとおり判断して「不貞行為があっただろう」と認定してくれました。
裁判所
「Y男と妻が2人きりで過ごす時間や頻度、身体的接触は、成人した異性の男女間における関係性としては相当濃密なものであって、このような関係性からうかがわれる親密さなどからすると、Y男と妻の間には性的関係があったと認めるのが相当である」
私としては、お泊まりの証拠がないので難しいかな……と思いながら判決を読んでいたのですが、数多くの親密な証拠があったため不貞を認定してくれました。
■ Y男と妻の反論
裁判では、Y男と妻は以下のような反論をしていました。
妻
「私の体調が悪かったんです」
Y男
「そうなんです。なので私は、彼女の家に行って家事や事務処理のサポートをしていたんです。不貞行為はしていません!」
しかし、裁判所は一蹴しています。
裁判所
「Y男のサポートが必要なほど妻の体調が悪かったとは認められない。長女の送迎をサポートしてくれる実母がいるのに、あえて異性のY男にサポートを依頼することは考え難い」
探偵の証拠がなければ、このコザカシイ反論も通った可能性がありますが、探偵が2人の親密な関係を数多く押さえてたので、裁判所は軽く一蹴していました。
■ 慰謝料が100万円となった理由
下記の事情を考慮して100万円となりました。
・増額に傾く事情
結婚生活は20年以上。
夫が妻との関係修復に向けて動いている中で妻の浮気を知った。
・減額に傾く事情
夫婦関係が円満とはいえなかった。
今回は以上です。「こんな解説してほしいな~」があれば下記URLからポストしてください。また次の記事でお会いしましょう!
取材・文/林 孝匡(弁護士)
「ムズイ法律を、おもしろく」をモットーにコンテンツを作成している弁護士
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