
クルーズブランド<MITSUI OCEAN CRUISES> (以下、三井オーシャンクルーズ)を運営する商船三井クルーズは、同社運航船であるにっぽん丸が2026年5月10日に横浜へ帰着するクルーズをもって引退することを発表した。
レジャークルーズ船の先駆けとして35年間に400以上の港に寄港、60万人以上が乗船
1990年の就航以来、多くの乗船客を迎えてきたにっぽん丸の航行距離は、5,332,383.964km、地球約133周分に相当する(1)。同社によれば2000本以上のクルーズが実施され、国内外400以上の港に寄港、累計で60万人以上が利用したという。
(1) 2025年3月までの記録による。同社調べ。
その歴史は日本近海の短い旅程のクルーズにとどまらず、1995年には62日間に及ぶ「ハワイ・カリブ・アラスカクルーズ」を、2022年にはシンガポールでの真夏のクリスマス、インド洋上でのお正月などユニークな年末年始を提供した48日間の「モーリシャスプレシャスクルーズ~インド洋を巡る 楽園の船旅~」などの長期クルーズも催行。
また、9 度にわたる「世界一周クルーズ」などを実施するなど、乗船客とともに世界の海を旅してきた。
■女性向けクルーズなど数々のテーマクルーズによって多方面から支持を獲得
2000年代には「プラチナエンターテイメントクルーズ」や新感覚の女性向けクルーズ「Oasis にっぽん丸」、今では定番となった「飛んでクルーズ北海道」、「オペラクルーズ」など数々のテーマクルーズを企画して、多方面からの支持を獲得する。
さらに、長年にわたり内閣府の「東南アジア青年の船」ならびに「世界青年の船」事業に使用され、世界各国の青年からも愛されてきた。
コンパクトな船体を生かし大小さまざまな港に寄港し、船内では各地の特産品を使用した食事の提供や地域の人々と作りあげるイベントも開催。
この件に関して同社では「寄港地で自治体や観光協会をはじめ地元の皆様から多大なるご支援を賜り、貴重なご縁をいただいたからこそ35年もの間、お客様に多彩なクルーズをお届けすることができました」と述べている。
そんなにっぽん丸も、ついに引退の日を迎えることになった。にっぽん丸の2026年2月以降の旅程やイベントは決まり次第、発表される予定だ。
2026年4月と5月のクルーズ実施期間は、ゆかりの寄港地から旬の食材を取り入れる特別なディナーや、感謝の気持ちを込めたプレゼントも用意されるという。
同社では今回の発表に際して、以下のようにコメントしている。
「長きにわたりその時々の時代とお客様のニーズにお応えし、唯一無二の体験を提供してきたにっぽん丸が引退いたします。引退後も当社が運航する『MITSUI OCEAN FUJI(三井オーシャンフジ)』や『2026年に就航を予定している新しい船』で、にっぽん丸で培った伝統や経験を受け継ぎ、日本のクルーズ会社ならではのおもてなしをお届けしてまいります」
関連情報
https://www.mitsuioceancruises.com/
https://www.nipponmaru.jp/
構成/清水眞希