
帝国ホテルは、2026年春に開業を予定している「帝国ホテル 京都」の客室について、全55室を建築構造や眺望により異なる特徴を楽しめる3つのエリアで展開。併せて、今秋より宿泊予約を開始することを発表した。
新時代を担うラグジュアリーホテルとしての「帝国ホテル 京都」
帝国ホテル 京都は、祇園ならではの「非日常」の世界観と、帝国ホテルが考える「寛ぎ」を共存させ、京都、日本各地、世界から訪れるゲストとともに本物の文化と最も優れた商品・サービスを追求していく、新しい時代を担うラグジュアリーホテルだ。
国の登録有形文化財である弥栄会館の建築意匠を受け継ぎながら、歴史的景観と調和するホテルとして、京都・祇園の文化や景観と響き合う滞在体験を提供する。
宿泊で在する客室は、保存・改築・増築という異なる建築構造を持つ3 エリアで展開される。
最上位スイートには、弥栄会館の鐘塔や、東山を一望するテラスなど、唯一無二の空間を備えている。京都の風土や文化、建築的価値を尊重した内装デザインは、建築家・榊田倫之氏によるもので、デザインコンセプト“帝国、舞う”に沿ったもの。
なお、宿泊予約は2025年秋(日付未定)より開始される。
帝国ホテル 京都 客室エリアの概要
■保存エリア(本棟南西面)
祇園甲部歌舞練場や花見小路を臨む南西面の客室。柱や梁、窓枠など随所に弥栄会館時代の名残があり、一部客室にはバルコニーも備えている。国の登録有形文化財である弥栄会館の情緒を感じることができる空間だ。
■改築エリア(本棟北東面)
本棟北東面に位置する客室。弥栄会館時代の特徴的なシルエットを継承しながら、全体的にモダンな設えとし、開放的な窓からは早朝の静謐な空気感や、夜の提灯の灯りなど、祇園の中心に滞在する特別感と移りゆく時々の風情を味わえる。
■北棟増築エリア(北棟)
祇園町南歴史的景観保全修景地区の整備方針に則り、祇園の伝統的な町並みと調和するよう、新たに増築した北棟の客室。畳を設えた客室で、日本建築の精神を現代的に表現している。祇園の町に入り込んだ空間での滞在を楽しめるはずだ。
■シグネチャースイート(最上位タイプ) 概要
名称/インペリアルスイート
特徴/改築エリアに位置する最上位スイートは、北・東の二面に広がるテラスからの圧倒的な眺望が特徴。祇園・お茶屋の町並み、祇園甲部歌舞練場本館、東山の山並みを眺められ、弥栄会館の時代から建物のシルエットを印象付けている“鐘塔”での特別な体験も提供される予定だ。祇園の町並みと文化を感じさせる眺望と、自然素材を使用した温かみのある内装により、帝国ホテル 京都ならではの空間を創出していく。
総面積/193平方m(客室平方m+テラス65平方m)
料金/1泊 300万円(税金・サービス料込、宿泊税別)
※販売予定価格であり、宿泊時期により料金は変動。
デザインコンセプト【帝国、舞う】
<新素材研究所 榊田 倫之 氏>
京都という文脈を読み解いてゆく時、その歴史や時間から逃れることはできない。連綿とつながる膨大な歴史と時間を未来にどう繋げてゆくか。そこで歴史を継承しながら日本人の感性に宿る美意識を追い求めたい。
「舞い」は未来への躍動を想起させる。帝国ホテルがこの地に「舞い」降りて、ハレの場として「舞い」、羽ばたくように花開いた文化を未来に語り続ける場にしたい。
「舞い」はまた、「振る舞い」と置き換えることができる。帝国ホテルの「振る舞い」は、美しい所作としてあるいは空間の作法として、そのすべてのデザインの根幹となる。
空間をデザインするにあたり、昭和11 年に竣工した弥栄会館の歴史を語る素材や意匠とともに、この場所が持つ記憶の断片を新旧の調和をはかりながら新たな空間に編み込むことで、優美にその姿を帝国ホテル 京都として引き継ぐことを意図した。
我々は「古いものが、新しい」という言葉をテーマとして掲げ、保存されることあるいは時間と記憶が継承されていくことによって受ける影響を、唯一無二のものとして積極的に引き受け、空間的制約を魅力として捉えることで居心地の良さや寛ぎを創出し、その上で現代的なディテールや仕上げにより、現代性を兼ね備えた美しい空間を目指した。
帝国ホテル 京都 について
帝国ホテル 京都は、祇園甲部歌舞練場敷地内にある国の登録有形文化財「弥栄会館(やさかかいかん)」の一部を保存・活用したホテル。その貴重なレガシーを継承しつつ、新たな息吹をもたらし未来に貢献することを目指している。2025 年4 月にはホテルコレクション「ザ リーディングホテルズ オブ ザ ワールド」(本社:米国ニューヨーク)に加盟した。
主要用途/客室(55 室)、レストラン、バー、ウェルネス施設(スパ、プール、フィットネスジム)
竣工時期/2025年10月
開業時期/2026年春予定
関連情報
https://www.imperialhotel.co.jp/kyoto
構成/清水眞希