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未来の視界が手に入る!?自動でピントが合う次世代メガネ「ViXion01S」の使い勝手、デザインを徹底検証

2025.06.15

「見えづらさは、あきらめなくていい」そんなメッセージを体現する、次世代の視覚支援デバイス「ViXion01S」が、6月5日から発売を開始した。これは、ピント調整が困難な目の状態に悩む人々のために開発された、オートフォーカス機能搭載の眼鏡型デバイスだ。前モデル「ViXion01」で培われた技術をベースに、さらに軽く、自然に、そして多様なユーザーのニーズに応える形へと進化している。

ViXion01Sで広がる視界

ViXion01Sの最大の特長は、「見る距離に応じて自動でピントが合う」という画期的な仕組みにある。内蔵の高性能距離センサーが目の前の対象物までの距離をリアルタイムに測定し、それに応じて2枚の可変レンズが瞬時に形状を変化。結果として、遠くも近くも、ユーザーは意識せずとも常にくっきりとした視界を得られるのだ。人間の水晶体が自然に厚みを変えてピントを調整する機能をテクノロジーの力で再現したとも言える。

ViXion01Sはデザイン一新、アウターレンズによるカスタマイズ、アプリとの連携、約40%の軽量化を果たした

この小さなレンズがAFになっており、見た位置にピントを合わせてくれる

初期設定では左右のレンズの間隔を瞳の位置に合わせて手動で調整する

USB-C接続による充電により、最長15時間の連続使用ができる。充電時間は3時間

ViXion01からの進化点

この機構自体は従来のViXion01から受け継いだものだが、01Sでは使用感を大幅に改善。前モデルに寄せられたフィードバックをもとに、約40%の軽量化を実現し、アウターフレームを外した状態ではわずか33gという軽さを達成した。これにより、長時間の装着でも疲れにくく、日常の道具として現実的な選択肢となった。

アウターフレームを外した重さは33gと軽量化された。アウターレンズに乱視用、サングラス、偏光グラスなどハメ込んでカスタマイズに対応する

サングラスのレンズを入れることもできる

さらに、デザイン面でも大幅に刷新されている。未来感あふれるルックスだった初代モデルに対し、01Sは「普通のメガネに見える」外観へとシフト。これは「使いやすさ」と「馴染みやすさ」を重視するユーザーの声に応えた結果だ。特に、乱視を補正するアウターレンズへの対応や、フレームの形状や素材の検討により、使用者の快適性は格段に向上している。

使用シーンも大きく広がっている。もともと、老眼や視覚障害を持つ人向けに開発されたこのデバイスは、現在ではプラモデル製作、イラスト制作、仏像彫刻、さらには歯科治療など、精密作業を必要とする専門職でも活用が広がっている。細かい部分に的確にピントが合い、かつ両手が自由に使えるという特性が、あらゆる現場で「見える」を支えているのだ。

実際に体験してみるとピントの合う速度は非常に早く、ピントも素晴らしくシャープで普段使っている老眼鏡と遜色ないレベルである。近距離は5cmまでピントが合うので、これは老眼鏡より優秀だ。しかし、レンズの口径が約6mmしかないため、視野はかなり狭くなる。スマホやタブレットでは問題ないが、ノートPCだとモニターとキーボードの両方を見るのは難しいだろう。これはViXionも認めている弱点で、自動車や自転車の走行、スポーツなど動きのある動作には使えないことを明言している。距離が離れればこの問題はさほど気にならなくなるが、現時点では用途が限定されるデバイスと言える。

上が新製品のViXion01S、下が従来のViXion01

2050年、近視は世界で50億人に

開発を手がけたViXionは、視覚課題に特化したスタートアップ。高齢化や近視人口の増加が進むなか、「目が見えづらいことによって人生の選択肢が狭まる」状況を少しでも改善したい、という思いが製品づくりの原点にある。実際、ViXion01シリーズは、クラウドファンディングでの累計8億円超の支援や、国内外のテックアワード受賞など、多くの注目を集めてきた。

2050年には世界の近視人口は約50億人に、老眼は約24億人に増加すると予測される

ViXionは視覚に関する問題を電子デバイスで解決するために2021年に営業開始、代表取締役 CEOの南部誠一郎さんは、近視と老眼が世界的な社会課題になりつつあることを指摘した

ViXionが最初に製品化したは、夜盲症・視野狭窄の方のための暗所視支援眼鏡で、その次にViXion01を開発した

ViXion01を発明した取締役 CINOの内海俊晴さんは弱視の子どもたちの姿を見てデバイス開発を決意したという

ViXion01の初代試作機。既存のメガネフレームにAFレンズが装着されているようだ

スマホアプリで機能拡張

このViXion01Sをさらに引き立てるのが、専用アプリ「ViXion Connect」である。アプリを通じて、度数のプリセット保存、フォーカスモードの切り替え、精密なキャリブレーション、さらには利用履歴の記録・可視化が可能となっており、デバイスの使い心地をユーザー自身がカスタマイズできる仕組みが整っている。プラモデル用の「ピント固定モード」など、ユーザーの要望から生まれた拡張機能も追加可能で、ハードウェアでありながら「進化するメガネ」としての柔軟性を備える。

ユーザー設定のプリセット機能により3名までViXion01Sを共有して使える。ピント調整に重要な影響を与えるキャリブレーションもアプリを使って、より精密におこなえる

ViXion01Sのフォーカス距離、首の角度、レンズの補正値などをリアルタイムでアプリが表示してくれる

マナーONでViXion01SのLED消灯とブザーのミュートを同時におこなえる

累計出荷台数1万2000台

ViXion01Sは2024年のCEATECにおいて「総務大臣賞」を受賞。視覚補助技術としての社会的意義と、ユーザー中心の設計思想が高く評価された。また、アジア最大級のテック展示会「BEYOND EXPO 2025」でもアワードを獲得するなど、世界的にも注目を集める存在となっている。

単なる医療機器でもなければ、ガジェットでもない。ViXion01Sは、テクノロジーと人間の感覚が交差する場所に立ち、「見えにくいことを理由に、やりたいことを諦めない社会」を目指す、真の「拡張アイウェア」なのだ。

写真・文/ゴン川野

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