
都市部では家賃相場の高騰傾向と物価高によるひとり暮らしにかかる生活コストの上昇がニュースになることも増えている。そんな状況で「実家暮らし」を選択する人も多いはずだ。
事業を通して社会課題解決に取り組むLIFULL(ライフル)が運営する不動産・住宅情報サービス『LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)』は、東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県出身で在住している20代から40代を対象に、家賃の上昇や物価高のなかで注目を集める「実家暮らし」に関する調査を実施した。その調査では、30代では半数以上、40代では7割以上が実家を出る予定や意志がないと回答していたという。
実家暮らしは20代では37.7%、30代・40代でも約3割を占める結果に!
現在の居住形態についての質問では、20代では37.7%が「実家暮らし」をしていると回答し、「ひとり暮らし」を上回る結果となった。30代と40代は「パートナーや子と同居」がもっとも多かったが、「実家暮らし」も26.4%と約3割を占めていた。
40代の7割以上が実家を出る予定や意志がない!
実家で暮らしている人に今後は実家を出る予定や意志があるかについて質問すると、20代では「ある」が55.7%と過半数だったが、30代では「ない」が52.5%、40代では70.3%と高い水準となり、年代が上がるにつれて実家を出る意志が低くなることが浮き彫りになった。
実家で暮らしている理由については、「貯金をしたいから」が20代は48.6%、30代で47.0%とそれぞれのトップだった。40代では「家賃や生活費などひとり暮らしのための費用を払えないから」が36.8%で最多だった。各年代ともに金銭的な理由が多い傾向になった。
そのほかの回答では、「親の介護をしなければならないから」や「親が高齢で心配だから」といった意見も多く、家族のサポートや心理的な安心感を重視して実家暮らしをしている人も多そうだ。
家を出るきっかけの3割以上が実家からの通勤・通学
実家を出て暮らしている人が実家を出ることを決めたきっかけについては、「ひとり暮らしをしてみたかったから」が最多の34.8%。2位の「進学先や就職先が実家から通うことが難しい距離だったから」も33.6%と3割を超えた。
2021年から2025年の直近5年間に実家を出て暮らし始めた人では、実家から職場までの通勤時間が平均55.8分だったという。
実家暮らしの約4割は通勤が1時間以上
実家暮らしをしている人の実家から職場までの通勤時間では、36.0%が60分以上かかると回答した。直近5年間に実家を出た人の実家から職場までの通勤時間平均が55.8分なので、60分以上は長い通勤時間と思われるが、それよりも実家で暮らすメリットを感じる人が多いというころだろう。
長い通勤時間は年を取るときつくなりそうだが、今回の30代・40代の回答を見ていると、家族のサポートや金銭的な安心感を求めて実家暮らしを選択する人の増加傾向が続きそうだ。
「実家暮らしに関する調査」概要
調査期間:2025年4月25日~2025年5月7日
調査対象:東京都、埼玉県、神奈川県、千葉県出身かつ同都県に在住の有職者男女
サンプル数:4943名
調査方法:インターネット調査
https://lifull.com/news/43126/
構成/KUMU