
動画ストリーミングサービス。実はこれほど「金食い虫」な代物はないかもしれない。
スマホで視聴できる動画サービスは、殆どの場合月額もしくは年額のサブスクリプションである。Amazon Prime Video、hulu、Netflix等、とにかく主要サービスには全部課金していつでも何本でも見放題……という行為に踏み切れる人は多くないだろう。ましてや、米すら満足に買えないこのご時世である。
だからこそ、ここは「本当に必要な課金だけを行う工夫」が求められる。けれど、これが意外に難しい……。
YouTubeのサブスクプランは「余計なものが多過ぎ」?
YouTubeやTwitchといった動画配信サービスとアマプラ、hulu、Netflix等の動画ストリーミングサービスは、「サブスクリプションの意義」という点でその毛色がかなり異なる。
前者は広告なしで動画を視聴できる権利のために、後者はそのサービスで配信している動画を追加料金なしで視聴するためのサブスクリプションである。たとえば、YouTubeの場合は『YouTube Premium』というサブスクプランがあり、これは日本では月額1,280円である。加入すると広告なしで動画を視聴できる他、オフライン再生やバックグラウンド再生、YouTube Music Premiumの利用などができるようになる。
だが、ここに一つの疑問符が浮上する。YouTube Premiumに加入している人の多くが「動画を広告なしで視聴したい」からそうしているはずで、となると「オフライン再生やバックグラウンド再生やYouTube Music Premiumは普段使っていない」という人はかなり割高な月額料金を支払っているのでは……?
つまり、現時点において「広告なし視聴だけの(より安価な)サブスクプラン」はYouTubeでは用意されていないのだ。
「広告なしの動画視聴」に特化した新プラン登場!
ところが、ここで海の向こうから朗報が。
5月20日、YouTubeはアメリカ、ドイツ、タイ、オーストラリアで提供していた『Premium Lite』の適用地域を拡大。ブラジル、アルゼンチン、メキシコ、イギリス、カナダでもPremium Liteの提供が始まった。
このPremium Liteは、広告なしの動画視聴に特化したプラン。アメリカでは月7.99ドルで提供されている。これはPremiumより6ドルも安い価格設定だ。
おおっ、このプランなら月々の出費を抑えられるぞ! ようやく家に届いた備蓄米をコイン精米機にかける費用くらいは捻出できそうだ……と一瞬喜んでしまったが、残念ながら今の時点で日本でのプラン提供は予定されていない。残念ッッッッッッ!!!
とはいえ、このPremium Liteが日本人ユーザーにとっての「希望の光」であることに変わりはない。仮に月800円で広告なしの動画視聴ができるとしたら、これにプランを切り替えるユーザーが続出するはずだ。
恐怖の「Apple税」とは?
もう一つ、YouTubeの「サブスク攻略法」に言及するなら、「iPhoneでのサブスク加入は厳禁」という点を解説しなければならないだろう。
iOS版YouTubeアプリからPremiumに加入した場合、何と月1,680円の料金が発生してしまう。Android版アプリやWebブラウザを使った加入よりも400円も高い。
これこそが、隠語ではあるが「Apple税」というものである。Appleに支払う手数料の存在は、アプリ開発者にとっては頭痛の種。そのせいで、Epic Gamesの『Fortnite』のように泥沼の法廷闘争にまで発展してしまったケースもある。
ユーザーができるのは、極力iOS版アプリからサブスク加入をしないということだ。月400円は、はっきり言って相当痛い! それこそ、10kgの備蓄米をコイン精米機にかけられるくらいの額だ。
アマプラビデオでNHKオンデマンドを視聴すると…
次に解説するのは、アマプラである。
Amazon Prime Videoは筆者自身もよく利用しているが、AmazonでPrime会員になってAmazon Prime Videoのアプリをダウンロードすれば、そこで配信されている全動画が見放題……とは問屋が卸さないことは読者の皆様もご存知だろう。むしろ、アマプラのサブスクだけ視聴できる動画のほうが少ない感じだ。
たとえば、NHKの朝ドラをアマプラで視聴しようと考えてみる。NHKオンデマンドの月額利用料は990円。アマプラ会員のサブスクを月払い(600円)にしていた場合、月に1,590円かかってしまう計算になる。う~~~ん、安くない!
これに上述のYouTube Primeのサブスク料を合算すると、1,590円+1,280円=2,870円。ね、年間で3万円!?うひぃ、改めて電卓叩いてみると結構な出費になっちまうんだなぁ……。
この問題を解決するには、「これから契約するチャンネルはどのような動画を配信しているのか」をざっと確認し、「それらは本当に自分にとって必要か?」を今一度考える必要がある。筆者は朝ドラ以外にも大河ドラマや『映像の世紀バタフライエフェクト』、『英雄たちの選択』などを毎回視聴している。一つのチャンネルにここまでフェイバリットがあれば、月990円の追加料金も十分に元が取れると判断できる。
しかし、もしも観ている番組が朝ドラだけだった場合はどうか? 正直、朝ドラだけに月1,000円近くの出費は痛い気が……。
「サブスクの見直し」で出費を抑えよう!
つまるところ、「動画サブスク攻略法」とは今現在視聴しているチャンネルの価値を再考するということに他ならない。
非常に地味な結論になってしまい申し訳ないが、これは言い換えれば「加入プランを再考することで月々の出費を大きく抑えられる余地がある」という意味である。非常に手軽に、非常に単純な方法で家計を見直せるのだから、これは絶対にやっておくべきだ。
そんなことを偉そうに書いている筆者も、調子に乗って契約したチャンネルを前に頭を抱えている。よし、この記事を書き終えたら「サブスクの見直し」をやってみよう!
文/澤田真一
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