DIME MAGAZINE
多くの祖父母にとって孫は目に入れても痛くない存在だ。そんな孫に対し、シニア女性たちはどのようなかかわり方をし、また、年間どれくらいの“孫消費”をしているのだろうか？
50代以上を対象とした雑誌「ハルメク」などのマーケティングやリサーチのコンサルティングを行うシンクタンク「ハルメク生きかた上手研究所」はこのほど、55～87歳の全国のハルトモ（ハルメクのモニター組織）の女性で孫がいる人259名を対象に「シニア女性と孫の関係に関する意識と実態調査」をWEBアンケートにて実施し、その結果を発表した。
2023年調査と比較して孫との接触頻度は「直接会う」を除き、減少
「最も関わりの多い孫」と直近1年間にコミュニケーションがあった割合は「直接会う」が最も多く、以下「電話で話す」「LINEやメールなど文字や写真でのやりとり」と続いた。
一方、頻度（1年間に行った回数）についても「直接会う」が最も多く、次いで「LINEやメールなど文字や写真でのやりとり」「電話で話す」となっている。
なお、前回と比較すると「直接会う」以外のコミュニケーション方法は、「1年間にコミュニケーションがあった割合」「頻度」ともに減少傾向だった。
今後の孫とのコミュニケーション意向については「どちらでもない」が58.3%と最も多く、「増やしたい」は40.9％だった。
親抜きで行っていることの上位は「おしゃべりをする」「食事をする」「おもちゃで遊ぶ」「テレビを見る」「公園で遊ぶ」など
祖父母と孫だけで行っていることの1位は「おしゃべりをする」で、2位は「食事をする」となり、いずれも、未就学児から高校生以上まで幅広い年代の孫と一緒に行われていることがわかった。
「おもちゃで遊ぶ」「絵本や紙芝居を読む」は、未就学児の孫と行う割合が高く、「ゲームをする」は小学生の孫と行う割合が高かった。また、「ショッピング」は同性の孫と行う割合が高かった。
孫に使うお金は平均金額が約18万円/年となり2023年と比較して3.7万円アップ
1年間に孫に使うお金は「2万円未満」から「10～20万円」まで比較的分散していた。2025年と2023年の調査結果を比較すると、2025年は「20万円以上」の割合が増加し、（2023年:18.8％⇒2025年:24.3%）、平均金額が約3.7万円増加していた。
孫関連のお金の使い道で上位に挙げられたのは「お小遣いとして現金を渡す（お年玉、お盆玉含む）」、次いで「食事代」「モノを買い与える」などだった。
孫の年代が上がるほど「モノを買い与える」が減少、代わって「お小遣いとして現金を渡す」「お小遣いとして電子マネーを渡す」などが増加する傾向にあった。他方、「孫の将来のための貯金、投信」「孫の学費や教材費」は孫が中学生以上の層で高くなっていた。
「孫に教えてあげること」の上位は「礼儀やマナー」「生活の知恵・豆知識」「社会のルール」「自分の経験や体験したこと」など
「孫に教えてあげること」としては「礼儀やマナー」「生活の知恵・豆知識」「社会のルール」「自分の経験や体験したこと」などが上位に挙げられた。
「言葉や算数などの勉強・知識」「動物・生物などの勉強・知識」は孫が小学生までの層で高かった。一方、「生活の知恵・豆知識」「自分の経験や体験したこと」などは孫の年代が上がるほど高くなっている。
大阪・関西万博に「孫と行きたい」と回答した割合は12.4％だった
大阪・関西万博に「孫と行きたい」と答えた割合は12.4％であった。行きたい理由としては「孫と一緒に未来の社会を体感したい」「自分たちと違う文化を味わってほしい」などが挙げられた。
一方、行きたくない理由は「自分自身、万博に興味がない」が最も多く、次いで「混んでいそう」「孫がまだ小さい」「遠い」「疲れそう」などが挙げられた
●孫と行きたい理由・行ったら一緒にしたいこと（自由回答）
・昭和45年の大阪万博に行ってみたかったのでぜひ行ってみたい。日本館で孫が生きていく未来の社会を一緒に体験したい（61歳孫：小学生男子）
・開催頻度が低いので、世界とのかかわりを持たせたい。私と夫だけだったら行かないかなぁと思っていたが、娘が4月下旬のチケットを取ってくれたので、行く予定。各国のパビリオンを見学し、自分たちとは違う文化を味わわせたい（73歳孫：未就学女子）
・私自身は1970年の万博にも行っていないので実現はしないかもしれないが、万博は未来を予想するものなので新しい社会に向けての体験を孫と一緒にできるといいと思う。一緒に未来の社会の話をしたい（74歳孫：中学生女子）
●孫と行きたくない理由（自由回答を集計※複数回答あり）
(n=154)※（孫と万博に）行きたくない＋あまり行きたくない
・自分自身、万博に興味がない（25.9%）
・混んでいそう・混雑していそう（13.0%）
・孫がまだ小さい・幼いから（13.0%）
・遠い（7.1%）
・疲れそう（6.5%）
＜調査概要＞
調査方法：WEBアンケート
調査対象・有効回答者数：55～87歳の全国のハルトモ（ハルメクのモニター組織）の女性で孫がいる人259名
調査実施日：2025年3月18日（火）～3月21日（金）
※2023年調査：3月に実施、55～85歳の全国のハルトモの女性で孫がいる人239名
調査主体：株式会社ハルメク･エイジマーケティング ハルメク 生きかた上手研究所
※調査結果のパーセンテージは、小数点第二位を四捨五入したため、総数と内訳の合計が一致しないことがある。
構成／こじへい
最新号
