アクセンチュアが異なる企業が提供するAIエージェントをセキュアに連携させるプラットフォーム「Trusted Agent Huddle」を発表
2025.06.05
アクセンチュアは2025年6月2日、各社が提供する多様なAIエージェントを企業内で横断的に連携させることを初めて可能にしたTrusted Agent Huddleを発表した。
以下、同社リリースをベースに概要をお伝えする。
AdobeやAmazon(AWS)、Meta、Microsoft、NVIDIAなどが提供するAIエージェントをセキュアに連携
Trusted Agent HuddleはAI Refineryプラットフォームの一部であり、Adobe、AWS、Databricks、Google Cloud、Meta、Microsoft、NVIDIA、Oracle、Salesforce、SAP、ServiceNow、Snowflake、Workdayなどのパートナー企業が提供するAIエージェントをセキュアかつ円滑に連携させる。
このプラットフォームを利用することで、ビジネスユーザーが開発したAIエージェントは、統一された環境で円滑に連携することが可能になる。これにより、企業は特定のタスクやビジネス目標に応じて最適なAIエージェントを選択して、それらを管理することができる。
アクセンチュアの執行役員であり、AIセンター長として博士(理学)号を持つ保科 学世氏は次のように述べている。
「AIエージェントの発展は著しく、多くの業務においてその活用により大幅な効率化と高度化が可能となっています。そのため企業は、AIエージェントを大量に構築する必要に迫られています。このような状況の中で、AIエージェントを支える技術やサービスが次々と登場しているため、特定のサービスに依存せず、最適な技術を用いて迅速にAIエージェントを構築できるかどうかが問われています。今回発表するサービスにより、企業がAIエージェントの能力を最大化し、企業全体の変革を推進する一助となることを願っています」
■Trusted Agent HuddleはAIエージェントのパフォーマンスを評価して効率的な連携を実現
Trusted Agent Huddleを活用することで、企業はAgent2AgentプロトコルやModel Context Protocolといった標準化されたプロトコルを用いて、AIエージェントをAI Refineryプラットフォームに構築できる。
これにより、特定の部門やシステム内に閉じたプロセスではなく、複数の部門やシステムを横断する、より広範な業務プロセス全体を変革することが可能になった。
さらに、Trusted Agent Huddleは独自のアルゴリズムを用いてAIエージェントのパフォーマンスを評価し、効果的な連携を実現する。
なお、このプロセスは、将来的にAIエージェントの信頼性スコアの開発に向けた基盤となる。
また、すでにクラウド上で自社AIエージェントを保有する企業は、そのAIエージェントの機能を維持しつつ、AI Refineryプラットフォームに円滑に統合することができる。
さらに、このプラットフォーム上で新たなAIエージェントを構築することも可能になった。その際、アクセンチュアのAIエージェントビルダーを活用し、ビジネス要件の変化に応じてAIエージェントを適応させるサービスも提供される。
■FedExはTrusted Agent Huddleを活用してレジリエンスの向上を推進
FedExは、アクセンチュアおよびNVIDIAと共に、Trusted Agent Huddleの活用方法を探求し、レジリエンスの向上を図っている。
FedEx Corporationのチーフ トランスフォーメーション・オフィサー兼チーフ デジタル・インフォメーション・オフィサーであるスリラム・クリシュナサミー(Sriram Krishnasamy)氏は次のように述べている。
「FedExは、サプライチェーンエコシステムの中心に位置する信頼される企業です。私たちは、サプライチェーンをすべての人にとってよりスマートにすることを目指し、人々と企業を結びつけ、さらなる効率化と成長を促進しています。Trusted Agent Huddle™によって、さまざまなプラットフォームのAIエージェントが一つのチームとして連携できる環境が実現します。これにより、FedExはサプライチェーン全体で情報を円滑に活用・調整し、イノベーションを加速させることができます」
Trusted Agent Huddleは、AIエージェント、ツール、データ間で異なる種類の接続を円滑に提供する NVIDIA Agent Intelligence Toolkitと連携している。
アクセンチュアは、NVIDIA AI Enterprise を活用して構築された Accenture AI Refineryを通じて、SaaSおよびクラウドAI エコシステム全体でのAI導入を加速しいく。
NVIDIAのエンタープライズ ソフトウエア製品担当のバイス プレジデントであるジャスティン ボイタノ(Justin Boitano)氏は次のように述べている。
「プラットフォームやシステムを横断した連携は、AIエージェントが複雑なタスクを判断・推論し、実行する上で重要です。NVIDIAと共に構築したAccenture AI RefineryはTrusted Agent Huddleによって、企業が互いに連携可能なAIエージェントチームを編成できます。この仕組みにより、あらゆる業務において効率性とイノベーションを推進することが可能となります」
関連情報
https://www.accenture.com/jp-ja
構成/清水眞希