
2025年11月に開催される「東京2025デフリンピック」とは何か? 確認してみましょう。
目次
2025年11月に開催される「東京2025デフリンピック」。
徐々に注目を集めていますが、まだご存じない方も多いのではないでしょうか。
そこで、デフリンピックとは何か? まとめてみました。
デフリンピックって何?
デフリンピックという文字を目にすると、「オリンピックやパラリンピックのように
アスリートが競技する大会では?」と思われるかもしれません。
そのとおり、アスリートの競技大会ですが、実はオリンピックなどとは異なります。
■デフリンピックの概要
デフリンピックとは、デフ+オリンピックのことです。
デフ(Deaf)とは、英語で「耳がきこえない」という意味で、デフリンピックは国際的な「きこえない・きこえにくい人のためのオリンピック」なのです。
国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)の主催により、4年ごとに夏季大会と冬季大会がそれぞれ開催される、デフアスリートを対象とする国際スポーツ大会です。
■デフリンピックの種目
東京2025デフリンピックで行われる競技は21種です。
1.陸上
2.バドミントン
3.バスケットボール
4.ビーチバレーボール
5.ボウリング
6.自転車(ロード)
7.自転車(MTB)
8.サッカー
9.ゴルフ
10.ハンドボール
11.柔道
12.空手
13. オリエンテーリング
14.射撃
15.水泳
16.卓球
17.デコンドー
18.テニス
19.バレーボール
20. レスリング(フリースタイル)
21.レスリング(グレコローマン)
■デフリンピックの歴史
デフリンピックの歴史は長く、第1回大会は1924年にフランスのパリで開催されており、9か国、148人の選手が出場しました。
2017年に第23回目の夏季大会がトルコのサムスンで行われ、史上最多100か国・地域、約3100人の選手が出場しました。
東京2025デフリンピックは100周年の記念すべき大会で、日本では初の開催になります。
デフリンピックとパラリンピックの違いとは?
デフリンピックとパラリンピックの違いはどのようなものでしょうか?
■パラリンピックとの比較
1989年に国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee)が発足した当時は、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)も同委員会に加盟していました。
その後デフリンピックの独創性を追求するため、1995年に組織を離れました。以降、きこえない・きこえにくいアスリートの競技はパラリンピックでは行われていません。
デフリンピックの独創性とは、コミュニケーションが全て国際手話で行われ、競技はスタートの音や審判の声による合図を視覚的に工夫する以外、オリンピックと同じルールで運営される点です。
そして、パラリンピックがリハビリテーション重視の考えで始まったのに対し、デフリンピックはろう者仲間での記録重視の考えで始まっています。
しかし、今ではパラリンピックもデフリンピックも、ともに障害の存在を認めた上で競技での「卓越性」を追求する考えになっています。
■〝デフアスリート〟の意義
デフアスリートは、次の2つが参加のために必要です。
1.ふつうの声での会話(55デシベル)が聞こえない人
聞こえをサポートする「ほちょう器」などを何もつけないで、耳で音を聞き取る力が55デシベル以上聞こえない人が参加できます。
55デシベルは、ふつうの声での会話が聞こえないレベルです。
2.記録と順位がすぐれている人
各国のろう者スポーツ協会(日本では「全日本ろうあ連盟」)の登録者で、デフスポーツ団体ごとに行われる選考競技会で、記録や順位など出場条件を満たした選手。
会場での選手たちは、試合の時も練習の時も、ほちょう器などの聞こえをサポートする器具を身につけることはできません。
選手同士が「耳の聞こえない立場で公平にプレーする」ためです。
東京2025デフリンピックはいつ行われる?
「第25回夏季デフリンピック競技大会 東京2025」はいつ、どこでどのような形で開催されるのでしょうか?
■2025年11月15日〜26日
東京2025デフリンピックは、2025年11月15日(日)〜11月26日(水)までの12日間で開催されます。
■開催予定場所は決まってる?
開閉会式や卓球が行われる東京体育館をはじめ、駒沢オリンピック公園総合運動場、有明テニスの森、東京武道館、東京高速道路及び首都高速道路高速八重洲線の一部、若洲ゴルフリンクス、伊豆大島(裏砂漠)、Jヴィレッジなど19か所が予定されています。
■参加予定国・地域はどれくらい?
70〜80か国・地域から選手約3000人が参加予定となっています。
■競技種目は21種を予定
先述したように、21競技が行われる予定です。
【参考】東京2025デフリンピック | TOKYO 2025 DEAFLYMPICS
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文/中馬幹弘