
Pixel 9aとiPhone 16eはいずれも廉価版モデルとして売れ筋スマホとなっています。AI機能の進化に注目が集まりますが、どちらの方がお買い得なのか? 確認してみましょう。
目次
最新のスマホで見られる大きな競争軸は、どのようにAI機能を利用できるかです。各メーカー、独自のAI機能を搭載し、ユーザー体験の向上を目指しています。
基本的に、最新機能はハイエンドモデルから順に搭載されていくのが通例ですが、ミドルレンジモデル、廉価モデルでもAI機能が利用できる機種が続々と登場しています。注目なのはやはり、iPhone 16eとGoogle Pixel 9a(以下Pixel 9a)でしょう。
本記事では、そんなPixel 9aとiPhone 16eにて、利用できるAI機能の違いをチェックしていきます。
Pixel 9aとiPhone 16eのAI機能を比較
さっそく、Pixel 9aとiPhone 16eのAI機能について、いくつか比較していきましょう。
■Apple Intelligence、Geminiを搭載
iPhone 16eで利用できるAI機能は「Apple Intelligence」、Pixel 9aで利用できるAIは「Gemini」を中心としたGoogle系サービスとなります。
いずれも上位モデルとそん色ないAI機能が利用できますが、Apple Intelligenceの日本語対応は2025年4月に始まったため、GoogleのほうがAI関連機能は先行している印象もあります。
■音声アシスタント機能はSiriとGeminiに
電源ボタンを長押しして起動する音声アシスタント機能は、iPhone 16eがSiri、Pixel 9aがGeminiとなります。
AI機能実装前から搭載されていたSiriですが、簡単な質問にはオンデバイスで回答でき、より自然な日本語での質問にも答えられるなど強化。複雑な質問をすると、ChatGPTと接続して、回答をしてくれます。
Siri
Geminiでも、普段の会話に近い、自然な日本語でのやり取りが可能。現時点では、日本語実装からの期間が長いGeminiのほうが、日本語の精度が高い印象もありますが、ここからSiriの精度もどんどん向上していくものと考えられます。
Gemini
■リアルタイム文字起こし機能
文字起こしといえばPixelというイメージもあるほど、Pixelシリーズのボイスレコーダーによる、リアルタイム文字起こしは便利。専門用語などは誤変換をしていることもありますが、精度としては8割~9割程度になります。何より、録音していると、そのままリアルタイムに文章化されていくのが便利です。
iPhone 16eの場合は、ボイスメモアプリでの録音中に、左下の吹き出しアイコンをタップすれば、リアルタイムの文字起こしが確認できます。こちらもPixelほどではありませんが、比較的精度高く文字起こしができました。
■作文ツールの使いやすさはApple Intelligenceに軍配か
iPhone 16eでは、メモアプリやメールアプリにて、「作文ツール」が利用できます。作文ツールは、すでに書いた文章の校正や要約、文体の変更に加えて、ChatGPTを使って、1から文章を作成することもできます。
キーボードにApple Intelligenceアイコンが統合されているため、文章作成時、基本的にはいつでも作文ツールを呼び出せるのが魅力です。
一方、Pixel 9aでは、特別にテキストを作成するためのツールは用意されておらず、文章の作成や校正には、Geminiを利用します。
例えば、Gmailアプリでは、要約したいメールを開き、Geminiアイコンをタップしてから、要約を指示します。文章を新規作成したい場合は、Gmailアプリの上部にあるGeminiアイコンをタップして指示を出します。
文章の修正や作成という意味では、キーボードにアイコンが集約されているほうが使いやすい印象を受けます。このようなユーザービリティを向上させるための設計は、Appleの得意分野でもあるのでしょう。
Pixel 9aとiPhone 16eの基本情報をおさらい
AI機能とは別に、Pixel 9aとiPhone 16eの基本的なスペックや価格について、簡単におさらいしていきましょう。
■価格比較
まずは公式サイトでの販売価格についてです。
●Pixel 9a
・128GBモデル:7万9900円
・256GBモデル:9万4900円
●iPhone 16e
・128GBモデル:9万9800円
・256GBモデル:11万4800円
・512GBモデル:14万4800円
同じストレージ容量で比較すると、Pixel 9aのほうが、iPhone 16eよりも約2万円安価な設定であることがわかります。ただし、どちらのモデルも、これまで使っていたスマホの下取りサービスが適用できるので、より安価に購入できる可能性があります。
また、ストレージ512GBモデルは、iPhone 16eにのみ用意されているので、写真や動画、アプリを大量に保存する人には、こちらが適しているかもしれません。
■カメラの違い
Pixel 9aのカメラは、48MP広角と13MP超広角の2眼構成。メインの広角カメラはf/1.7で、光学式および電子式手ブレ補正機能を搭載。デジタルズーム(超解像ズーム)は最大8倍です。超広角カメラがf/2.2で画角120度となります。
iPhone 16eのカメラは48MP Fusionのシングルレンズ。焦点距離26mm、f/1.6絞り値となり、光学式手ブレ補正にも対応しています。12MPで、光学相当の2倍ズームに対応しており、デジタルズームは最大10倍です。
メインカメラの仕上がりについては、それぞれ特徴が違うため、どちらが優れているというわけではありませんが、超広角カメラの有無は、明確な違いといえます。広い画角は、風景撮影や、集合写真の撮影といったシーンで多用するので、あると便利です。
■ディスプレイと本体サイズの違い
Pixel 9aは6.3インチの有機ELディスプレイで、解像度2424×1080。本体サイズは154.7×73.3×8.9mm、質量は185.9gとなります。
iPhone 16eは6.1インチの有機ELディスプレイで、解像度2532×1170。本体サイズは146.7×71.5×7.8mm、質量は167gとなります。
ディスプレイ解像度としては、iPhone 16eのほうがピクセル密度が高く、より精細な表示が可能。一方で、ピーク輝度はiPhone 16eが1200ニト、Pixel 9aは2700ニトと、Pixel 9aのほうが明るい表示ができます。また、最大120Hzリフレッシュレートに対応しているのも、Pixel 9aのみとなります。
本体サイズの数字としてはPixel 9aが、iPhone 16eよりもひとまわり大きくなっていますが、手に持った感触としては、どちらもコンパクトで握りやすくなっています。カメラの突起が少ないことから、Pixel 9aの優位性もあるでしょう。
■v搭載チップセットとバッテリーの違い
搭載チップセットは、Pixel 9aがGoogle Tensor G4、iPhone 16eがA18 Bionicとなります。
Google Tensor G4は、Pixel 9シリーズと共通のチップセットになっています。
一方、A18 Bionicは、iPhone 16、iPhone 16 Plusのチップセットと同じ型版ですが、内容は微妙に違いがあるとのこと。
どちらも自社開発のチップセットなので、直接比較するのが難しくなっていますが、いずれも最新のAI機能が利用でき、日常使いであれば快適な動作性となっています。
Pixel 9aは5100mAhのバッテリーを搭載しており、30時間以上のバッテリー駆動時間を持ちます。
iPhone 16eのバッテリー容量は公表されていませんが、ビデオ再生最大26時間、ビデオストリーミング再生最大21時間に対応。
使用感として、いずれも極端な違いは感じません。
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※データは2025年4月中旬時点での編集部調べ。
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文/佐藤文彦