地方国立大学で近い偏差値帯の大学をまとめた大学群「STARS」は、佐賀・鳥取・秋田・琉球・島根の5大学を指す。本記事では各大学の特徴や他大学群との比較、評価などを詳しく解説する。
目次
地方の国立大学をまとめて呼称する大学群、STARS。佐賀大学・鳥取大学・秋田大学・琉球大学・島根大学の5大学を指し、それぞれの大学名の頭文字から名付けられた大学群だ。
受験生や教育関係者を中心に大学群のレベルや序列が話題になる中で、STARSは下位国立と評され軽視されることもある。しかし、その実態はどうなのか。本記事では、STARSの各大学の特徴や他大学群との比較を通じて、STARSの実力と評価について多面的に解説する。
STARSとは?含まれる大学と特徴
特定の共通点を基に大学をグループ化して呼ぶ大学群は、受験生や教育関係者にとって一つの指標になっている。STARSは、主に地方にキャンパスを構える国立大学である点と、入試難易度が同等であるという共通点でまとめられている大学群だ。
まずは、STARSに含まれる5大学について、その特徴を確認しておこう。
■佐賀大学
佐賀大学は佐賀市内に本部を置く国立大学で、学生数は約6,000人の中規模総合大学だ。予測困難な時代を生き抜ける強い大学になるために「関係者が誇れる・ここで学びたいと選ばれる・地域から期待、信頼される大学」を目指し、教育改革を進めている。
キャンパスは3か所に分かれており、有田焼で有名な有田市には2016年に開設された芸術地域デザイン学部を置く。同学部は、芸術の力で新しい時代を開拓していく人材の育成を目標に掲げており、芸術を含めたあらゆる分野を横断的に学び、地域課題解決や創生に取り組んでいる。
<学部>
教育学部/芸術地域デザイン学部/経済学部/医学部/理工学部/農学部
参照:佐賀大学
■鳥取大学
鳥取大学は学生数5,000人ほどと国立大学の中でも少ない方であるが、乾燥地研究センターや染色体工学研究センターなど、国際的にも活躍する専門施設を数多く有する国立大学だ。「知と実践の融合」を基本理念とし、地域に根差し国際的に飛躍する地(知)の拠点大学を目指している。
理系学部が中心の大学であり、環境・エネルギー分野で独自の強みを持つ。農学部の共同獣医学科では岐阜大学との連携教育が行われており、学生は両大学に在籍する形式になる。より高度な専門的獣医学教育を学ぶことができるため、令和7年度入学者の倍率は約6倍という人気ぶりだ。
<学部>
地域学部/医学部/工学部/農学部
参照:鳥取大学
■秋田大学
秋田大学は秋田市内に3か所のキャンパスを有し、前身の一校である秋田師範学校は1878年創立と、歴史ある国立大学だ。社会のグローバル化を受け、TOEICスコアを活用し進級要件化するなど大学全体での英語力強化を図っている。
理系学部が多く、国内有数の展示数を誇る鉱業博物館や電動化システム共同研究センターなど、研究施設が充実していることも特徴の一つ。国内で唯一設置されている国際資源学部では、資源探査・開発を担う高度な技術カを持った人材育成を目標に、資源政策や資源地球科学などあらゆる分野の学びに取り組んでいる。
<学部>
国際資源学部/教育文化学部/医学部/総合環境理工学部/情報データ科学部
参照:秋田大学
■琉球大学
琉球大学は、石垣島や久米島にもキャンパスを構える沖縄県唯一の国立大学だ。主な学部を置く千原キャンパスは、東京ドーム24個分の敷地面積を誇る。豊かな自然と美しい海に囲まれた環境で、その地域特性を反映した特色ある研究が盛んだ。
国際交流にも積極的に取り組んでおり、交流協定を結んでいる大学や機関数は2023年度時点で138校。アジア・太平洋地域の卓越した教育研究拠点となる大学を目指している。
<学部>
人文社会学部/国際地域創造学部/教育学部/理学部/医学部/工学部/農学部/
参照:琉球大学
■島根大学
島根大学は医学部を出雲市、その他の学部は松江にキャンパスを置く国立大学。地域に根差し、地域社会から世界に発信する個性輝く大学を目指しており、産学官連携に積極的に取り組んでいる。その姿勢が高く評価され、2023年度の「大学の地域貢献度調査」では6位を獲得。3年連続の上位ランクインとなった。
特筆すべきは、全国的にも珍しい総合理工学部。自然科学を解明する理学系分野と、未来の最先端科学技術を担う工学系分野が統合された学部で、既存の学問分野の枠を越えた幅広い教育と研究を行っている。
<学部>
法文学部/教育学部/人間科学部/医学部/総合理工学部/生物資源科学部/材料エネルギー学部
参照:島根大学
STARSはどんな大学群?他大学群との比較
STARSは、どんな大学群と認知されているのだろうか。国立大学というカテゴリの中での位置や他大学群との比較から、STARSの評価を解説する。
■STARSは下位国立大学群
STARSは、一般的に下位国立大学群と認識されている。これは合格に必要な共通テストの得点率や偏差値など、国立大学全体で比べた受験難易度の違いによるためだ。つまり、主に受験生やその関係者による評価ともいえる。
実際には、国立大学として教育や研究環境の水準は高く、十分に実力のある大学群と評していいだろう。
■理系学部が多く研究実績も豊富
STARSに属する5大学は、いずれも理系学部の活躍が目覚ましい。また、どの大学も地域の特色を活かした専門性の高い研究を展開している。
地域産業の発展に貢献する研究や地域資源の活用など、地域社会の課題解決と密接に結びついており、研究実績も豊富だ。
■よく比較される大学群
STARSとよく比較される大学群に、同じ国立大学の大学群「金岡千広」と「5S大学」がある。それぞれに含まれる大学と特徴を簡単に確認しておこう。
金岡千広
金岡千広は、金沢大学・岡山大学・千葉大学・広島大学をまとめた大学群。旧帝大(東京・京都・大阪・名古屋・東北・九州・北海道)に次ぐ難関国立大学群として知られている。
いずれも各県の中心となる市に本部を置いており、知名度や交通の利便性でもポイントが高い。
5S大学
5S大学は、埼玉大学・信州大学・静岡大学・滋賀大学・新潟大学をまとめた大学群だ。各大学の頭文字であるSを取って名付けられた大学群で、主な共通点は頭文字のSと、おおよその入試難易度。新潟大学は新大(Shindai)と略されることから、5Sとしてまとめられている。
5S大学は、準難関国立大学群の位置付け。しかし、地方国立大学である点や各大学が独自の強みを持っている点などSTARSとの共通点も多く、5S大学はSTARSの上位互換ともいえる。
実際、志望校選びの際にSTARSと5Sを比較検討するケースは多い。
STARSがネットで低評価なのは何故?実態は?

STARSに関する評価で気になるのが、一部のネットの意見。各県を代表する国立大学であるにも関わらず、「STARSは恥ずかしい」といった声が上がることがしばしばある。
何故ネットでは評価が低いのか、そして噂やイメージではなく、実態はどうなのか。最後にSTARSの実力について解説する。
■STARSが恥ずかしいと言われる理由
STARSに属する大学は実績も信頼もあり、決して揶揄されるような大学ではない。しかしながら、ネットなどで「恥ずかしい」と言われてしまうのにはいくつかの原因が考えられる。
いずれの大学も首都だけでなく近隣の大都市圏からも離れている点や、大学によっては偏差値50を下回る学部もあり、難関や準難関とも言い難い点が挙げられる。
■同等偏差値の私立大学群との違い
私立大学群でSTARSと同等といわれるのが、日東駒専(日本大学・東洋大学・駒澤大学・専修大学)や産近甲龍(京都産業大学・近畿大学・甲南大学・龍谷大学)などの大学群。単純に目安となる偏差値が同等なため並べられることがあるが、私立大学と国立大学の大きな違いは、入試に必要な試験の科目数だ。
私立大学は2~3科目だが、国立大学の共通テストは基本的に6教科8科目。幅広い分野を網羅的に習得する必要があることから、国立大学に合格する者は高い学力があると評価されている。
■学歴フィルターにかかる可能性
就職活動において、一部の大手企業や都市部の企業では学歴フィルターが存在する場合がある。STARSは都市部の国立大学や難関私立大学に比べると知名度や総合的な評価が低く、企業によっては学歴フィルターに引っかかる可能性も否定できない。
しかし、あくまでも可能性でしかなく、STARSならではの専門性を活かして大手企業に就職した例も数多い。
■国立大学は地元企業や自治体に好印象
これまでSTARSの紹介をしてきた中でもわかるように、国立大学は地域に根差した教育・研究に注力しており、地元企業や自治体からの信頼は厚い。
地元出身のSTARSの大学生がそのまま地元で就職するケースも多く、地域事情を理解し長期的な定着が期待できる人材として高く評価されている。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部







DIME MAGAZINE











