
近年はウェアラブルデバイスに注力するファーウェイが、新たなスマートウォッチ「HUAWEI WATCH Fit 4」「HUAWEI WATCH Fit 4 Pro」、「HUAWEI WATCH 5」、オープン型イヤホンの「HUAWEI FreeBuds 6」を一挙に発表した。
ファーウェイのウェアラブルデバイスの魅力の1つに、メーカーの特色でもある価格と性能のバランスに加え、iOS、Android OSのどちらでも利用できるユーティリティ性がある。Androidデバイスの場合、ブラウザから直接アプリをインストールしなければならないというハードルこそあるが、スマホユーザーのほぼ全員がターゲットとなるデバイスの展開で、全世界でのウェアラブル出荷台数は1.8億以上、全世界のフィットネスや健康分野のユーザーは5.4憶以上にものぼる。
新デバイスも、もちろんiPhone、Androidスマホのどちらでも使用できるので、スマートウォッチ、イヤホンの購入を検討している人は、ぜひ詳細をチェックしてほしい。
スマートウォッチは手を出しやすいアウトドアモデルとハイエンドモデルが登場
スマートウォッチとして登場したのは、フィットネスや健康管理機能に強みを持ち、比較的購入しやすい価格の「HUAWEI WATCH Fit 4」シリーズと、ハイエンドモデルの「HUAWEI WATHC 5」だ。
■GPS精度が向上してゴルフ機能も搭載した薄型軽量スマートウォッチ「HUAWEI WATCH Fit 4 Pro」
HUAWEI WATCH Fit 4 Proは、本体にアルミニウム合金ボディを採用した、約30.4g(ベルト除く)の軽量、約9.3mmの薄さが特徴のスマートウォッチとなる。ベゼルはチタン合金、ディスプレイはサファイアガラスを採用しており、耐久性にも期待ができる。
ディスプレイは約1.82インチの有機ELで、スマートウォッチとしては比較的大画面といえる。最大輝度3000ニトとかなり明るい画面表示ができるので、これからの季節でも、屋外で使いやすいのが魅力だ。
本体はグリーン、ブルー、ブラックの3色展開で、グリーンにはナイロン製ベルト、ブルーとブラックには3Dウェーブデザインのベルトが採用されている。着け心地が快適なナイロンと、アウトドアに適した3Dウェーブデザインの双方が用意されているのも、ユーザーとしてはうれしいポイントだ。
本体側面にはクラウンとボタンがそれぞれ搭載されている。スマートウォッチとしては見慣れたデザインではあるが、小さい画面を操作するうえで、物理的なクラウンやボタンを使ってコントロールできるのは、非常に大きなメリットだ。
HUAWEI WATCH Fitシリーズの特徴は、スマートウォッチの中でも、ワークアウト機能や健康管理機能に特化している点。HUAWEI WATCH Fit 4 Proは、ひまわり型のアンテナを採用し、GPS精度が全モデルから約20%向上。ファーウェイの特徴であるゴルフ機能に、Fitシリーズとしては初めて対応し、日本のゴルフ場の99%以上、2400以上のゴルフ場、世界のゴルフコースは1万5000以上が収録されている。
また、ファーウェイとしては初めて、マリンスポーツ時のルートトラッキングにも対応。5ATMと高い防水性能を有しており、40mのフリーダイビングにも対応している。
ヘルスケア機能としては、身体の情報を包括的にセンシングするHUAWEI TruSenseに対応。心電図の測定や情緒モニタリング、睡眠モニタリングといった、多数のヘルスケアモニタリング機能を有している。
バッテリーは通常使用で約10日間、ヘビーユースで約7日間も持続する。約60分でのフル充電や、Fitシリーズ初のワイヤレス充電にも対応した。
販売価格は、グリーンが3万9380円、ブルーとブラックが3万7180円となる。ナイロンベルトモデルが少し高い設定となっているが、通気性もよく、軽快な装着感で使用できるので、サードパーティ製のバンドを購入すると考えれば、充分お得だろう。
■コスパ優秀でスマートウォッチ初心者にもおすすめの「HUAWEI WATCH Fit 4」
HUAWEI WATCH Fit 4は、Proモデルから機能を若干ダウングレードすることで、低価格に購入できるスマートウォッチ。ブラック、パープル、ホワイトに加え、ナイロンベルトを採用したグレーの4カラーで展開される。価格はブラック、パープル、ホワイトが2万3980円、グレーが2万5080円となる。
ディスプレイはこちらも約1.82インチの有機ELで、最大輝度は2000ニト、質量は約27g(ベルト除く)となる。クラウンとボタンの操作性も、上位モデルとそん色ない。
ひまわり型アンテナを搭載し、GPS精度も向上するなど、前モデルからのアップデートにもぬかりない。ただし、ゴルフ機能や水上ルートトラッキングには非対応となる。
ヘルスケア機能も、情緒モニタリングや睡眠モニタリング、心拍数モニタリング、血中酸素モニタリングなどが利用できるが、HUAWEI TruSenseに対応しているわけではないので、注意が必要だ。
バッテリーはこちらも、標準使用で約10日間、ヘビーユースで約7日間となる。上位モデルと比べ、機能は若干見劣りするものの、価格を考えれば、非常に優秀なバランスのスマートウォッチと言えるだろう。
■健康管理の新センサーモジュールを搭載してジェスチャー操作にも対応した「HUAWEI WATCH 5」
HUAWEI WATCH 5は、ファーウェイのスマートウォッチの中で、ハイエンドモデルという立ち位置になる。46mmと42mmの2サイズで展開され、46mmモデルはステンレススチールのブラックと、チタン合金のパープル、42mmはステンレススチールのベージュモデルが用意されている。
最上位モデルということもあり、多数の機能が搭載されているが、中でも特徴的なのが、本体側面、クラウンとボタンの間に配置されているHAWEI X-TAPだ。圧力センサーと心電図に使用する電極、PPG光学式センサーが一体化したモジュールとなっており、指をセンサーに充てることで、心電図や心拍数、血中酸素レベル、体表面温度、ストレスレベルをリアルタイムに側的できる。
ヘルスケアモニタリング機能は、従来のスマートウォッチと同様に、手首から恒常的にデータを収集するが、指での短時間での測定を追加することで、より詳細で正確なデータの測定が可能となる。もちろん、HUAWEI TruSenseにも対応しており、健康状態を包括的に測定、記録できる。
使い勝手を向上させる機能として、装着した手の親指と人差し指を使ったジェスチャー操作にも対応する。ダブルタップやダブルスライドといった操作で、電話の応答、アラーム操作などが行える。
また、eSIMでのデータ通信に対応しているのも魅力。スマホを使わずに、通話やSMSメッセージの送受信も行える。
ディスプレイは46mmモデルが約1.5インチ、42インチモデルが約1.38インチとなっており、どちらも有機ELを採用。最大輝度は3000ニトとなる。
バッテリーは46mmモデルが通常使用約4.5日、42mmモデルが通常使用約3日間となる。高機能であるがゆえ、Fitシリーズよりはバッテリー持続時間が短くなるが、数日は充電をせずに使える性能なので、実用上は快適だろう。
価格は、46mmのブラックが7万1280円、パープルが7万6780円、42mmのベージュが7万6780円となる。
オープン型ながらデュアルドライバー構成を採用した「HUAWEI FreeBuds 6」
オーディオ製品としては、スタンダードシリーズの最新モデル「HUAWEI FreeBuds 6」が登場。圧迫感の少ない、オープン型のデザインながら、11mmのデュアルマグネットダイナミックドライバーと平面振動版ドライバーを採用。LDACコーデックにも対応するなど、音質にもこだわられたワイヤレスイヤホンとなる。
本体は水滴を彷彿とさせる曲線をベースとしたデザインで、人間工学に基づいて設計されている。オープン型イヤホンとしては珍しく、イヤーチップも同梱されるため、着け心地をある程度自分で調節できるのも魅力だ。
オープン型イヤホンながら、ANCに対応しているのも特徴。搭載される3つのマイクを使い、周囲の状況と装着状態を加味して、最適なノイズキャンセリングを施す。
バッテリーはイヤホン単体で最大4.5時間(ANC利用時)、充電ケースを合わせると最大約36時間の再生が可能となる。充電ケースで5分間充電するだけで、約2.5時間(ANCオフ時)の連続再生ができる急速充電もポイントだ。
本体カラーはパープル、ホワイト、ブラックの3色展開で、市場想定価格は2万1780円となる。
取材・文/佐藤文彦