
女優の高島礼子さんが大切にしているストレスフリーの暮らし。その中でなくてはならない存在が3匹の愛猫「りゅう」「レオ」「ペーちゃん」です。「心身を健康にしてくれる大切な子どもたち」という高島さん。猫との暮らしが高島さんにもたらすものは何か、語っていただきました。
【高島礼子のMe Time, Tea Time】
第6回 「愛情」というとっておきの妙薬
■「高島礼子のMe Time, Tea Time」記事一覧はこちら
「ストレスフリーの暮らし」になくてはならない存在
私が今、もっとも大切にしているのが「ストレスフリーの暮らし」。大好きなスイーツを食べたり、ゴルフを楽しんだり、自然を愛でながらウォーキングするのもストレス解消法のひとつ。とくに仕事が忙しいときは、入浴や睡眠を大切にして、できるだけリラックスできる生活空間を作るよう心がけています。
そんな暮らしの中で、なくてはならない存在が、愛猫たちです。猫の魅力はなんといってもツンデレなところ。「撫でて~」ってデレデレしてきたかと思うと、「ほっといてくれ」ってそっぽ向いて我が道を行く。この小生意気な感じがたまらなく好きなんです。
今、私と共同生活しているのが、アビシニアンとソマリのミックスの男兄弟「りゅう」と「レオ」。シンガプーラの女の子「ペーちゃん」の3匹。仕事が忙しくて体が疲れていても、家に帰ってこの子たちの顔を見ると、疲れも吹っ飛びます。私にとって猫たちと過ごす時間は、心身を健康にする大切な時間なんです。
1匹1匹、大切に愛情をそそいで育てる
私が猫を飼いはじめたのは20代半ばごろから。最初は縁があって5匹、家族になりました。当時は仕事が忙しくて、長期間ロケで家にいないときは、ペットシッターにお願いして面倒を見てもらっていました。それもあって今思うと、5匹全員、均等に可愛がってあげられなかったのではないかと、後悔が残っているんです。
当時は最大限、愛情をそそいだつもりだったのだけど、16年一緒だった最後の子を看取ったとき「5匹同じように抱いてあげられなかった。もっと一緒にいてあげればよかった」と、愛情をそそぎきれなかった自分を責めてばかりいました。そこで今は後悔しないように、1匹1匹、大切に愛情をそそいで育てるよう努力しています。
リューとレオの兄弟は、知り合いから譲り受けた子たちです。「知り合いの猫が2匹産んだらしい」との情報を得て、夜中の12時にわざわざ東京から千葉まで車を走らせて見に行って一目惚れ。私が辰年だったので「りゅう(龍)」、獅子座だったので「レオ(ライオン)」と名付けました。
もう1匹は「ペーちゃん」という名の女の子。彼女は、買い物で立ち寄ったペットショップで、偶然出会った子です。初めて見たときはとても弱々しくて、ペットショップの人に「この子は足が悪いので長生きできないんです。ディスカウントしておきますよ」って言われて憤慨。「命にディスカウントなんてないでしょう。その子ください、私が育てます!」って勢いで連れて帰って家族になった子です。
ペーちゃんが家に来たばかりのときは食欲もなく痩せていて今にも死にそうな子でした。だけど、2匹の男の子(りゅう、レオ)がものすごく食べるので、それに触発されて、彼女も負けじと必死に食べるようになって。そうしたらすごく体力がついて強くなったんです。長生きできないって言われたのに、しっかり長生きして今年で15歳。今では3匹の中で一番、強い子に育ちました。
ネットなどでの餌探しが日課に
今もこの3匹の子たちにぞっこんの私。部屋も、広いリビングが猫たちの部屋で、私は主にキッチンで暮らしています(笑)。部屋の温度も猫に合わせて調節したり、餌もそれぞれの好みや体調に合わせて、3匹とも違う餌を与えるなど、彼らの健康管理には人一倍気を使っています。
病気をしている子もいるので、医師が推薦するちょっとお高い餌を買っているのだけど、私が普段食べている食材より高い(笑)。だからネットなどでの餌探しが日課になっていて、「もっと安い値段、ないかなあ。あ、ここ10円安い!」って感じで買っています(笑)。
リビングで猫たちがお昼寝。つられて眠くなります。この子たちの安心が癒し。
猫も家族。日々の暮らしの中で、彼らが住みやすいと思える環境をつくることが、私の楽しみであり生きがいでもあるんです。美味しく食べてくれて、健康で長生きしてくれることが何よりも嬉しい。
動物の子でも人間の子でも、暮らしの中で「命」を共にするって、すごく責任があるしお互い大変なこと。だけど、「愛情」というとっておきの妙薬は心身を健康にして、生きる喜びにもつながります。私にとって猫との暮らしは、何ものにも代え難いほど幸福で、心安らかな時間を与えてくれます。これからもたくさん愛情をそそいで、彼らとの暮らしを楽しもうと思っています。
高島礼子(たかしま・れいこ)
1964年、神奈川県生まれ。1988年『暴れん坊将軍Ⅲ』でデビュー。以後、ドラマ、時代劇はもちろん、舞台、CMなど、多岐にわたって活躍。2001年3月、映画『長崎ぶらぶら節』で、第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。現在テレビ朝日系列「天久鷹央の推理カルテ」に出演中。本年8月30日から9月21日まで大阪・新歌舞伎座で上演される、『石井ふく子白寿記念公演「かたき同志」』(橋田壽賀子脚本、石井ふく子演出)では、お鶴役として藤山直美と共演する。
Instagram:@reico.official
構成/松浦裕子