A2Aは2025年4月にGoogleが発表したオープンプロトコルのこと。この記事では、A2Aとは何か、そもそもAIエージェントとは何か、初心者でも理解できるように解説する。
目次
2025年4月、Google社は新たなオープンプロトコルとして「A2A」を発表した。異なるAIエージェント間での相互利用を可能にするもので、複雑な作業の自動化や、生産性の向上、コスト削減などが期待できるという。
Web上では、A2Aに関する情報は少しずつ発信されているものの、いまいち理解が難しいと感じる人も多いのではないだろうか。
この記事では、A2Aとは何かを初心者にもわかるように解説する。A2Aに興味を持っている人はぜひ参考にしてほしい。
A2Aをわかりやすく解説
注目が高まるA2A。まずは「AIエージェント」とは何かから説明する。初心者の人にもわかりやすく解説するので、安心して読み進めてほしい。
■そもそもAIエージェントとは
A2Aについて理解を深めるには、そもそもAIエージェントとは何かを知る必要がある。AIエージェントとは、私たちユーザーに代わり、タスクにおける目標を達成するための最適な手段を自ら選択し実行するAI技術のこと。
これまで人の手で行っていたタスクをAIエージェントに任せることで、作業の効率化および自動化を実現する。タスクの実行だけでなく、自らを評価し環境に適応していく学習型のAIエージェントも多い。
■A2AとはGoogleが新たに発表したオープンプロトコル
A2Aは「Agent2Agent」の頭文字を取ったGoogle主導のオープンプロトコルのこと。なお、オープンプロトコルとは、どのメーカーでも使用できるように公開されている通信規格をいう。
A2Aは、異なるフレームワーク(枠組みや構成)で作られたAIエージェントや、異なるベンダー(販売事業者)で作られたAIエージェント間でスムーズな通信が可能。さまざまなAIエージェントを連携させることで、企業の複雑なワークフローを自動化し、作業効率化や、生産性の向上に貢献する。
すでに、Atlassian、Box、Cohereといった多数の有名テクノロジー企業や、Accenture、ボストン・コンサルティンググループ、キャップジェミニなど、多数のサービスプロバイダーが、技術仕様の開発・策定に積極的に参加している。
■A2AとMCPの違い
A2Aは、MCPを補完するオープンプロトコルといわれている。MCPとは、主に大規模言語モデルを活用したアプリケーションと、外部ツールや外部データなどを連携するための技術規格のこと。「Model Context Protocol」の頭文字を取り、MCPと呼ばれている。
大規模言語モデルとは、例えばChatGPTやGeminiなど、膨大な量のテキストデータを学習、処理し、人間の言葉を生成する技術規格だ。
■A2Aが必要とされる理由
従来の技術では、各AIエージェントが独立した状態にあり、異なるエージェント間で連携できないことが問題視されていた。複数のAIエージェントを採用する際、企業は目的に合ったAIエージェントを個別に導入し、システムを使い分けなければならない。A2Aは、そのような問題の解決に貢献する。
また、先ほどA2AはMCPを補完するオープンプロトコルであるとお伝えした。ChatGPTやGeminiなどの大規模言語モデルは、すでに日常に関わるさまざまな業界、場面で活躍しており、さらなる進化が求められている。A2Aは、今後のAI技術の発展には欠かせない技術規格として注目されているのだ。
A2Aの主なメリット
A2Aの理解を深めるために、具体的なメリットを見ていこう。
■独自開発のAIエージェント同士を相互運用できる
A2Aは、開発段階で一定の共通ルールを設けることにより互換性を担保したり、テキスト・画像・音声・動画にも対応したりするなど、相互運用を実現するための工夫が随所に施されている。
これにより、A2Aを取り入れることで、独自開発されたAIエージェント同士のコミュニケーションが可能となる。例えば、マーケティング部門、財務部門、顧客サービス部門でそれぞれ異なるAIエージェントの製品を採用していても、A2Aを使って連携し、これまで人の手でこなしていたタスクの自動化が実現できる。
■特定のベンダーに依存するリスクを回避できる
従来の技術では、異なるベンダー間での連携ができないことから、特定のベンダーの製品でシステムを統一する企業も多かった。特定のベンダーに依存すると、新たに取り入れたいシステムがあっても、そのベンダーから希望の製品が販売されていなければ断念せざるを得ないこともある。
A2Aは異なるベンダー間での連携が可能となるため、先述したような特定のベンダーに依存するリスクを回避できる点もメリットの一つといえるだろう。
■より複雑な作業を自動化できる
A2Aは、これまでの技術では叶わなかった複雑な作業を自動化できる。例えば、市場分析部門、リスク評価部門、ポートフォリオ最適化部門、レポート生成部門、各部門のデータを収集し分析を行っていた金融機関。同社はA2Aを取り入れることにより、各部門がスムーズに協力できるようになり、1日かけて行うような分析作業の自動化が実現したという。
このように、複雑な作業を自動化できれば、空いたリソースを他のタスクに割けるようになる。結果として、企業が成長するきっかけ作りに繋がるのだ。
■柔軟にAIエージェントを追加できる
A2Aの技術を利用すれば、必要に応じて後からAIエージェントを追加するという選択も可能だ。例えば、小規模事業の段階では在庫管理のみをAIエージェントに任せ、事業の成長に伴い配送管理、価格戦略などもAIエージェントを追加し任せていく。
柔軟にAIエージェントを追加できれば、その時の事業規模に適した必要最低限のコストで、少しずつ自動化するタスクを広げることもできる。
A2Aを導入するポイント

A2Aを初めて導入しようと考えている人に向けて、A2A導入のポイントを解説する。A2A導入の主なポイントは次の通り。
・小規模から始める
・シミュレーション環境を用意する
・既存のフレームワークを活用する
・開発コミュニティへ参加する
■小規模から始める
A2Aを導入する際は、2つから3つのAIエージェントを使い、小規模から徐々に拡張していくかたちで取り入れることをおすすめしたい。小規模から始めることで、安定性や学習曲線を確認しながら、自社に無駄なく貢献するシステムの導入が実現できるはずだ。
■シミュレーション環境を用意する
A2Aを急に本番環境で実行するのはリスクが高い。シミュレーション環境を用意し、導入前にプロトタイプとしてシステムの動きをテストしよう。導入しても問題がないか確認した上で取り入れるのが安全だ。
■既存のフレームワークを活用する
A2Aを使用して一からシステムを開発するには、コストも時間もかかってしまう。A2Aに最適な既存のフレームワークを活用すれば、開発コストの削減や開発時間の短縮に貢献するだろう。
例えば、「Agent Development Kit」というGoogleが提供する開発ツールや、複数のAIエージェント開発・管理に役立つ「CrewAI」を 活用すると良いだろう。
■開発コミュニティへ参加する
A2Aの開発コミュニティでは、A2Aの最新情報や動向を随時確認できる。A2Aは発表されたばかりで進化途中のプロトコルであるため、A2Aを導入するのであれば、情報収集は常に意識しておこう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部







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