生成AIを活用したGoogleスプレッドシートの新機能、AI関数を利用することで、大量の文章要約や感情の分析が可能になった。この記事では、AI関数の使い方や便利な活用法を詳しく解説する。
目次
Googleスプレッドシートの「AI関数」は、生成AIを関数形式で手軽に活用できる注目の新機能。セル内に基本の型とプロンプトを入力するだけで、文章の要約や翻訳、感情分析、データ分類などの高度な処理が可能だ。
従来の数値計算にとどまらず、より人間らしいテキスト処理が可能になり、ビジネス業務の効率化や情報整理の幅を大きく広げている。この記事では、GoogleスプレッドシートのAI関数の概要や基本的な使い方、具体的な活用法までを詳しく解説する。
AI関数とは?Googleスプレッドシートの新機能を解説
Googleスプレッドシートに新たに追加されたAI関数は、生成AIを活用して文章の生成や分析、翻訳などができる機能を指す。関数形式でプロンプトを入力するだけで、自然な文書出力やデータ分類などの作業を効率化できる。ここでは、GoogleスプレッドシートのAI関数でできることや、Excelとの違いを解説する。
■AI関数の概要とできること
GoogleスプレッドシートのAI関数は「=AI(”プロンプト”,[範囲])」の形式で使用し、プロンプトに対して、自然言語で返答してくれる関数だ。例えば文章の要約、データ分類や翻訳など、さまざまな作業をプロンプトを変えることでスプレッドシート上で直接行える。
従来の関数では数値計算やデータ抽出が中心だったが、AI関数では人間らしい文章処理や感情の分析など、創造的な出力が求められるタスクにも対応できる点が新しい。
■ExcelのAI関数との違い
ExcelでもCopilotを通じて生成AIを活用できるが、GoogleスプレッドシートのAI関数は関数形式で直接プロンプトを記述する点がユニークだ。Excelでは、「ChatGPT for Excel」というアドインを追加することで、ChatGPTを活用した関数生成が可能。
また、AIチャットアシスタントの「Copilot for Microsoft 365」でもチャット形式で操作することで、同様の作業ができる。
【3STEP】GoogleスプレッドシートでのAI関数の使い方
GoogleスプレッドシートでAI関数を使い始めるには、いくつかの準備が必要になる。英語環境への切り替えなど特有の手順を踏むため、最初の設定を丁寧に行うことがポイントだ。ここでは、3つのステップで利用手順を説明する。
■STEP1. Googleアカウントを準備
AI関数はGoogleの生成AI機能を使うため、まず使用するGoogleアカウントでログインする。現在、GoogleスプレッドシートのAI関数機能は、Googleの生成AIサービス「Gemini for Google Workspace」のアルファ版を利用しているユーザーに向けて提供されている。
アクセス権限は管理者に限られるため、管理者側でAI関数の機能を有効にする必要がある。事前にAI機能が有効になっているかを確認しておこう。
■STEP2. スプレッドシートの言語設定を英語に変更
AI関数は現在、日本語設定のままでは利用できないため、スプレッドシートの言語設定を英語に変更しなければならない。変更手順は以下の通り。
- Googleアカウントのホーム画面から、「Googleアカウント」を管理をクリック
- メニューバー「個人情報」を選択し、「言語」をクリック
- 優先言語を「English(United States)」に指定すれば反映される
切り替え後はAI関数が動作するようになり、英語でプロンプトを入力すれば応答が得られる。
■STEP3. プロンプトを入力
準備が整ったら、関数を使ってプロンプトを入力する。基本となる「=AI(”プロンプト”,[範囲])」のかたちに倣い、プロンプトと範囲を入力する。セルを選択し、「生成して挿入」をクリックするとAIが回答を返してくれる。
複雑な操作は不要で、セルに関数を書くだけで動作する点が特徴だ。プロンプトの書き方次第で出力内容が大きく変わるため、試行錯誤しながらさまざまな用途で活用してみよう。
AI関数の活用シーンとおすすめの使い方4つ
GoogleスプレッドシートのAI関数は日常業務から創造的な作業まで、幅広い場面での活用が期待されている。ここでは、ビジネスや日常業務で役立つ4つの具体的な使い方を紹介する。
■メール文の作成
AI関数を使えば、依頼文やお礼メールなどの定型文を自動で作成できる。例えば、「=AI(”いただいた回答に合わせて、メールの返信文を作成してください。”, B2:G2)」などの指示をプロンプトに入力すると、文面の提案を返してくれる。カジュアル、フォーマルなど口調の指定もできるため、TPOに合ったメールを効率的に作成できる機能だ。
■感情の分析
GoogleスプレッドシートのAI関数は、レビューコメントやアンケート結果のような自由に記述されたデータに対して、ポジティブ・ネガティブといった感情の傾向の分類も可能。大量の文章を一括でAI関数にかけて分類させることで、それぞれの文章の感情を自動でラベリングできる。
マーケティングやカスタマーサポートの分野では、ユーザーの声を可視化するための有効ツールとして活用が進んでいる。
■文章の要約
手間がかかる長文の会議議事録やレポートの要約も、AI関数を使えば重要なポイントを数行にまとめたサマリーを生成できる。会議後すぐにメンバーに要約を共有したり、メール添付用に短くした内容を整えたりする際に役立つ。
要約したいポイントを指示するなど、プロンプトを工夫することで、必要な情報だけを抽出して簡潔にまとめてくれる。
■データの分類
AI関数は、テキストをもとにカテゴリー分類を行う場面でも活用可能。「顧客からの問い合わせ内容」を「支払い・返品・その他」といったカテゴリーに自動で割り当てることができる。
ルールベースでは判断が難しい文脈でもAIが読み取り、適切に分類できるのがAI関数の強みだ。大量の入力データを処理する業務にも相性がよく、作業のスピードと正確性の両立が実現する。
AI関数の使い方における注意点と制限

便利な使い方ができるAI関数だが、誰でも機能を使えるわけではない。利用条件や動作仕様にはいくつかの制限があるため、あらかじめ把握しておきたい。
ここでは、利用できるユーザーの範囲や出力の制約など、GoogleスプレッドシートのAI関数活用にあたって注意したいポイントを解説する。
■利用できるユーザーが限られている
現在、AI関数が使えるのはGemini for Google Workspace アルファ版を利用しているアカウント、またはGoogle Workspace Labsユーザーに限られている。また、これらの条件を満たしていても、管理者による権限設定などにより、必ずAI関数の機能が利用できる状態とは限らない。機能が表示されない場合は、AI関数が有効化されているか確認しよう。
今後正式にリリースされ、対応範囲が広がる見込みだが、現時点では一部ユーザー向けの限定的な機能となっている。
■出力制限がある
AI関数の出力には文字数やトークン数の上限があるため、長すぎるプロンプトや複雑な指示にはうまく応答できない場合がある。生成途中で切れてしまったり、簡略化された内容になったりすることもある。必要に応じてプロンプトを短くしたり、分割して出力したりするなど、大量データを一括処理したい時はプロンプトの工夫が必要だ。
また、一度に対応できるセル数も200セルまでの上限がある。
■テキストのみ出力できる
AI関数の出力はあくまでテキストに限られ、画像やリンク、表などの形式での出力は対応していない。そのため、複雑なドキュメントの生成やビジュアルを出力させる指示には不向きだ。あくまでテキスト処理に限定した活用にとどめておくのが無難だろう。
■再生成は手動で行う
一度出力された内容を再生成したい場合は、手動で操作する必要がある。ボタン一つで再出力できないため、セルの編集や再読み込みなどの対応が基本。条件を変えて複数パターンを試す際にも、その都度プロンプトを修正して再入力する手間が発生する。
自動更新や履歴管理などの機能は現時点ではないため、手間はかかるが手動で調整を行う点に留意しておこう。
※情報は万全を期していますが、正確性を保証するものではありません。
文/編集部







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