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若者は「成長と自己責任」、中高年は「格差是正と社会保障」、調査で浮き彫りになった世代間ギャップの正体

2025.05.30

経済成長が停滞する一方で少子高齢化が加速し、格差が広がっていると言われる日本社会。閉塞感が漂う中、現在の生活に不満があり、また、将来に不安を感じている人はどれくらいいるのだろうか?

日本労働組合総連合会はこのほど、生活に対する意識や社会保障に関する意識・実態を把握するために、「社会保障に関する意識調査2025」をインターネットリサーチにより実施し、全国の15歳以上の働く男女(自営業・フリーランスを除く)1,000名の有効サンプルを集計した。ここでは「生活に関する意識」に関する調査結果を抜粋し、紹介する。

40・50代男性で「現在の生活に不満」が「現在の生活に満足」を上回る

全国の15歳以上の働く男女(自営業・フリーランスを除く)1,000名(全回答者)に、生活と社会保障について質問した。

全回答者(1,000名)に、現在の生活に満足しているか聞いたところ、「満足」は16.4%、「やや満足」は43.3%で、合計した「満足(計)」は59.7%、「不満」は12.3%、「やや不満」は28.0%で、合計した「不満(計)」は40.3%となった。

男女・世代別にみると、ほとんどの層で「満足(計)」が「不満(計)」を上回ったが、40代男性と50代男性では「不満(計)」(順に50.5%、52.7%)が「満足(計)」(順に49.5%、47.3%)を上回った。雇用形態別にみると、非正規雇用の人では「不満(計)」が44.8%と、正規雇用の人(38.0%)と比べて6.8ポイント高くなった。

「将来について不安を感じる」66.7%、60代以上女性では75.0%

全回答者(1,000名)に、将来についてどのくらい不安を感じるか聞いたところ、「非常に不安を感じる」は27.6%、「やや不安を感じる」は39.1%で、合計した「不安を感じる(計)」は66.7%、「全く不安を感じない」は4.9%、「あまり不安を感じない」は7.9%で、合計した「不安を感じない(計)」は12.8%となり、過半数の人が不安を感じている結果となった。

男女別にみると、「不安を感じる(計)」の割合は女性では70.0%と、男性(63.4%)と比べて6.6ポイント高くなった。

男女・世代別にみると、「不安を感じる(計)」の割合は、女性では40代(72.0%)と60代以上(75.0%)で7割を超えた。男性では最も高くなったのは50代(66.7%)で、60代以上(65.2%)が続いた。

雇用形態別にみると、「不安を感じる(計)」の割合は、非正規雇用の人では69.4%と、正規雇用の人(65.4%)と比べて4.0ポイント高くなった。

将来について不安を感じる人(667名)に、自身を不安にさせているものを聞いたところ、「老後の生活」(57.3%)と「預貯金など資産の状況」(51.6%)が半数を超えた。現在の社会保障では将来の安心感を抱けず、老後のお金に対して不安を感じている人が多いのかもしれない。次いで、「自身の健康状態」(42.1%)、「家計のやりくり」(41.4%)、「年金受給額など年金制度」(40.3%)となった。

男女・世代別にみると、50代以上の女性では「老後の生活」(50代女性82.8%、60代以上女性87.0%)が8割を超えた。30代男性では「預貯金など資産の状況」(67.2%)が最も高くなった。また、男女ともに60代以上で「自身の健康状態」(60代以上女性62.3%、60代以上男性66.7%)が全体と比べて20ポイント以上高くなった。

雇用形態別にみると、非正規雇用の人では、「老後の生活」(63.4%)が全体と比べて5ポイント以上高くなった。特に、40代以上の世代で老後の生活に不安を感じている傾向が顕著になっている。一方で、「年金受給額など年金制度」に関する不安については、正規雇用と非正規雇用の間に差は見られなかった。

理想とする社会のイメージは?

働く人が理想とする社会のイメージについて質問した。

全回答者(1,000名)に、社会の成長について、【格差はあっても力強く成長する社会】と【緩やかな成長でも格差の小さい社会】のどちらが理想とする社会のイメージに近いか聞いたところ、【緩やかな成長でも格差の小さい社会】が62.3%と多数となった。

現在の生活満足度別にみると、現在の生活に不満を感じている人ほど【緩やかな成長でも格差の小さい社会】(満足層57.1%、不満層70.0%)を求める傾向がより顕著となった。

男女・世代別にみると、30代以下の男性では【格差はあっても力強く成長する社会】(10代男性52.8%、20代男性58.1%、30代男性50.5%)が多数派となった。一方、60代以上女性では【緩やかな成長でも格差の小さい社会】の割合が81.5%と8割を超えた。

社会保障制度について、【税金や保険料などの負担は小さいが、自己責任型の社会】と【税金や保険料などの負担は大きいが、社会保障が充実した社会】のどちらが理想とする社会のイメージに近いか聞いたところ、【税金や保険料などの負担は小さいが、自己責任型の社会】が47.4%、【税金や保険料などの負担は大きいが、社会保障が充実した社会】が52.6%と拮抗した。

現在の生活満足度別にみると、現在の生活に不満を感じている人ほど【税金や保険料などの負担は大きいが、社会保障が充実した社会】(満足層49.6%、不満層57.1%)を選択する傾向があった。

男女別にみると、女性では【税金や保険料などの負担は大きいが、社会保障が充実した社会】(56.6%)、男性では【税金や保険料などの負担は小さいが、自己責任型の社会】(51.4%)が多数派となった。

世代別にみると、20代と30代では【税金や保険料などの負担は小さいが、自己責任型の社会】(20代52.7%、30代55.4%)、10代と40代以上では【税金や保険料などの負担は大きいが、社会保障が充実した社会】(10代65.3%、40代57.0%、50代52.7%、60代以上56.5%)が多数となった。

地域のコミュニティの理想について、【住民同士のつながりが強い、地域で支えあう社会】と【住民同士のつながりはあまりなく、自己独立型の社会】のどちらが理想とする社会のイメージに近いか聞いたところ、【住民同士のつながりが強い、地域で支えあう社会】が52.2%、【住民同士のつながりはあまりなく、自己独立型の社会】が47.8%と拮抗した。現在の生活満足度別にみても、同様に拮抗した。

老後の生活について、【生涯現役で活躍できる社会】と【引退しても老後が安心な社会】のどちらが理想とする社会のイメージに近いか聞いたところ、【引退しても老後が安心な社会】が67.3%と多数となった。

男女別にみると、【生涯現役で活躍できる社会】の割合は男性では37.2%と、女性(28.2%)と比べて9.0ポイント高くなった。

現在の生活満足度別にみると、現在の生活に不満を感じている人のほうが【引退しても老後が安心な社会】(満足層64.2%、不満層72.0%)を選択する傾向があった。

仕事と生活のバランスについて、【収入は多いが、生活より仕事中心の社会】と【収入はほどほどでも、仕事と生活が両立できる社会】のどちらが理想とする社会のイメージに近いか聞いたところ、【収入はほどほどでも、仕事と生活が両立できる社会】が74.6%で多数派となった。

現在の生活満足度別にみると、現在の生活に不満を感じている人のほうが【収入はほどほどでも、仕事と生活が両立できる社会】(満足層72.2%、不満層78.2%)を選択する傾向があった。

男女別にみると、【収入はほどほどでも、仕事と生活が両立できる社会】の割合は女性では79.6%と、男性(69.6%)と比べて10.0ポイント高くなった。

世代別にみると、【収入は多いが、生活より仕事中心の社会】の割合は若年層で高くなる傾向がみられ、30代以下(10代34.7%、20代34.9%、30代31.7%)では3割以上となった。家族が増えるなど、ライフステージが変化していくにつれ、生活の優先度も変わりワーク・ライフ・バランスを保ちながら働ける社会を望むようだ。

<調査概要>
◆調査タイトル :社会保障に関する意識調査2025
◆調査対象 :ネットエイジアリサーチのモニター会員を母集団とする15歳以上の働く男女
(自営業・フリーランスを除く)
◆調査期間 :2025年2月28日~3月7日の8日間
◆調査方法 :インターネット調査
◆調査地域 :全国
◆有効回答数 :1,000サンプル(男女が均等になるように割付)
◆実施機関 :ネットエイジア株式会社

出典元:連合調べ

構成/こじへい

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